ホテルの口コミは旅行サイトなどの様々な場所で見ることができますが、なかでも悪い口コミが特に目立つのがGoogleマップ(Googleビジネスプロフィール)。
Googleアカウントを持っていれば、誰でも気軽に匿名で投稿できることから、星1の低い評価や誹謗中傷のひどいコメントを見かけることも珍しくありません。
この記事では、そんなGoogle口コミでお困りの方向けに、ホテルの悪い口コミが投稿されたときの対処方法を解説します。
口コミの削除方法や悪質な場合の対応、星だけの低い評価が投稿された時の対処法についても説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
ホテルの悪い口コミ対処法【誹謗中傷の場合】
まずはじめに、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)に投稿された悪い口コミのなかでも、根拠のないものや誹謗中傷となる内容のコメントの対処方法のついて説明します。
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対処法①Googleの運営に削除申請をする
Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)で悪い口コミが投稿されたら、Googleの運営に削除申請をしましょう。
Googleが定めたポリシーや利用規約に違反していたり、ローカルガイドヘルプの「禁止および制限されているコンテンツ」に抵触していれば、申請した口コミを削除してもらうことができます。
具体的にはGoogleに削除申請をすると数日から数週間で審査が行なわれ、口コミの内容に一部でも違反が認められれば、その口コミ自体が削除されるという流れです。
ただし、申請した口コミが運営に必ず違反として認められるとは限りません。
また、審査結果の連絡はもらえないため、削除されているかどうかこまめに確認する必要があります。
【参考①】「マップのユーザー作成コンテンツに関するポリシー」一部抜粋
たとえば、投稿や編集の内容は、実際の体験や情報に基づくものでなければなりません。意図的な虚偽情報の投稿、写真のコピーや盗用、話題に無関係なクチコミ、中傷的な表現の使用、個人攻撃、不必要または不正確なコンテンツなどは、すべてポリシー違反に該当します。Google では通常、違反と見なされるのが投稿の一部であったとしても、投稿全体(投稿された写真とそれに添えられたクチコミなど)が削除されます。
引用元:Google公式サイト「マップのユーザー作成コンテンツに関するポリシー」
【参考②】「禁止および制限されているコンテンツ」
▼虚偽のコンテンツ、偽装行為
虚偽のエンゲージメント/なりすまし/誤った情報/不実表示/不適切なコンテンツまたは行為/ハラスメント/ヘイトスピーチ
▼不適切なコンテンツ
個人情報/わいせつ、冒とく的な表現/性的描写が露骨なコンテンツ/アダルト向けコンテンツ/暴力的または残虐なコンテンツ/制限されているコンテンツ/危険なコンテンツ/違法なコンテンツ/子供の安全/テロに関するコンテンツ/関連性のないコンテンツ/宣伝と勧誘/意味不明なコンテンツや、繰り返して投稿されたコンテンツ/改変、悪ふざけ
引用元:Googleローカルガイドヘルプ「禁止および制限されているコンテンツ」
▼誹謗中傷を含むGoogle口コミについては、こちらで解説しています。
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削除申請の方法
削除申請の方法には、「一般ユーザー(第三者)として削除申請する方法」と「ビジネスオーナーとして削除申請する方法」の2つがあります。
①一般ユーザー(第三者)として削除申請する方法
口コミの報告ボタンから通報機能を利用します。Googleアカウントでログインする必要はありません。
- 削除したい口コミ投稿を表示する
- 口コミの右上にある三点リーダーから「レビューを報告」ボタンをクリック
- 「口コミを報告」から該当するものを選択して送信
▼「口コミを報告」の項目
・関連性のないコンテンツ
このビジネスでの経験とは関係ないクチコミ
・スパム
ボットまたは虚偽のアカウントからのクチコミ、あるいは広告かプロモーションを含むクチコミ
・利害に関する問題
該当のビジネスまたは競合するビジネスと関係するユーザーが投稿したクチコミ
・冒涜的な表現
汚い言葉、露骨な性描写、詳細な暴力描写を含むクチコミ
・いじめ、嫌がらせ
特定の人を個人的に攻撃するクチコミ
・人種差別、ヘイトスピーチ
身元を理由に個人またはグループを中傷する表現を含むクチコミ
・個人情報
住所や電話番号などの個人情報を含むクチコミ
・役に立たなかった
この場所に行くかどうかを決めるのに関係ないクチコミ
②ビジネスオーナーとして削除申請する方法
Googleビジネスプロフィール上で通報機能を利用します。事前にGoogleアカウントを作成して、Googleビジネスプロフィールのオーナー登録をしておきましょう。
- Googleアカウントでログイン
- Googleビジネスプロフィールの管理画面を表示する
- 削除したい口コミ投稿を表示する
- 「不適切なクチコミとして報告」をクリック
- 該当する違反を選択して、「報告」をクリック
▼Google口コミの削除依頼について、詳しく知りたい方はこちら。
Google口コミを削除依頼をする場合の費用・相場を徹底解説
Googleマップの誹謗中傷の口コミは削除可能?適切な対処法を解説
対処法②もしGoogle口コミが削除されない場合は
もしGoogleに口コミを削除してもらえなかった場合は、Googleに対して権利侵害(プライバシー権侵害、名誉毀損等)を理由とする「送信防止措置」を依頼するのも一つの方法です。
送信防止措置とは、「ネット上に存在するコンテンツ内容によって誰がどのような法的侵害を受けているのか」を、法的に定められている書式で申告する手続きのこと。
これにより、依頼された相手は「プロバイダ責任制限法」に基づいて対応を行なう必要があるため、口コミを削除してもらえるかもしれません。
もし送信防止措置依頼をしたいのであれば、削除したい内容について法的主張を記入する必要があるので、弁護士に代理を依頼するのが良いでしょう。
ただし、Googleは海外サービスであることから、任意の削除請求である送信防止措置依頼には対応してもらえない可能性も充分にあります。
主にPR活動を行なっている日本法人も口コミに関しては対応してくれない可能性が高いので、弁護士に相談したうえで送信防止措置依頼を検討してみてください。
プロバイダ責任制限法とは?
インターネット上で誹謗中傷などの権利侵害が発生した場合のルールや手続きを定めた法律。侵害情報の流通や削除に関して、プロバイダ等が負う損害賠償責任の範囲や、被害者が発信者(加害者)を特定するための手続きなどが定められている。
<プロバイダ責任制限法 関連情報Webサイト>https://www.isplaw.jp/
Googleのリーガルヘルプから削除依頼
Googleの「Legal(リーガル)ヘルプ|法的な理由でコンテンツを報告するページ」では、口コミに法的問題があることを詳しく伝えて、削除のリクエストをすることができます。
基本的には送信防止措置と同じ効果があるため、こちらを試してみるのも良いでしょう。ただし、送信防止措置と同様に一定の法律知識が必要です。
送信防止措置でも削除されないなら仮処分命令
送信防止措置を依頼しても削除してもらえない場合は、裁判所に仮処分命令を申し立てることができます。
通常の訴訟では、訴訟提起から判決が出るまでに半年~1年ほどかかりますが、仮処分であれば早ければ数週間で命令が出るのが特徴。
また、送信防止措置依頼を行わずに仮処分命令の申し立てを行なうことも可能です。
一般的には弁護士に代理を依頼するため、ある程度の予算を用意しておく必要があります。
投稿者を特定して直接削除依頼
弁護士に依頼して投稿者を特定してもらう「発信者情報開示請求」を行ない、直接投稿者に削除を依頼する方法もあります。
流れを簡単に説明すると、以下の通りです。
- Googleに対して発信者情報開示仮処分の申立てを行なう
- Googleに投稿者のログイン時のIPアドレスとタイムスタンプを開示してもらう
- 開示情報からアクセスプロバイダを特定する
- プロバイダに対して投稿者の住所や氏名などの開示を請求する
- 投稿者に対して口コミの削除を依頼する
弁護士に発信者情報開示請求を依頼する場合の費用は、数十万円~100万円程度が相場となっています。
そのため、悪い口コミに関してどこまで費用を出して削除対応をするか、事前に予算を検討しておくと良いかもしれません。
ホテルの悪い口コミ対処法【悪質でひどい内容の場合】
次に、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)に投稿された悪い口コミのなかでも、特に悪質でひどい内容のコメントの対処方法のついて説明します。
基本的には、先に述べたGoogle口コミの削除申請を行ないますが、口コミの内容によっては次のような法的措置をとることも検討しましょう。
対処法①警察に被害届を出す
Google口コミでのひどい誹謗中傷によって、ホテルの業務や営業に支障が出るような被害に遭っているのであれば、警察に被害届を出しましょう。
ネット上の誹謗中傷は、内容によっては犯罪行為と認められます。大抵は、名誉毀損罪・侮辱罪・脅迫罪・信用毀損及び業務妨害などが該当する場合が多いです。
刑事裁判で有罪判決が出た場合は加害者に罰則(刑事罰)が科されるため、口コミの投稿者への処罰を望むのであれば警察へ告訴することをおすすめします。
▼罰則(刑事罰)
<名誉毀損罪>3年以下の懲役、または50万円以下の罰金
<侮辱罪>拘留、または科料(1,000円以上1万円以下の罰金)
<脅迫罪>2年以下の懲役、または30万円以下の罰金
<信用毀損及び業務妨害>3年以下の懲役、または50万円以下の罰金
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ネットの誹謗中傷は人権侵害にあたる?具体例や解決策を解説
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対処法②弁護士に相談して損害賠償を請求
Google口コミでのひどい誹謗中傷によって、ホテルの売り上げに影響が出るような被害に遭っているのであれば、投稿者に損害賠償を請求しましょう。
損害賠償請求をする場合は、発信者情報開示請求や民事訴訟(民事裁判)を行なう必要があるため、まずは弁護士に相談します。
民事訴訟については、一般的に示談交渉の際に示談金の清算で解決することも多いので、ネットの誹謗中傷に強い弁護士に依頼すればスムーズに対応してもらうことができるでしょう。
▼慰謝料の相場
<名誉毀損罪>50万~100万円
<侮辱罪>1万~10万円
<脅迫罪>10万~30万円
<信用毀損及び業務妨害>被害状況や企業の規模によって異なる
▼ネット関係で弁護士に依頼したい時は、こちらもチェック!
【徹底解説】ネット上の誹謗中傷対策を弁護士へ依頼する費用は?
ネット上の誹謗中傷対策を弁護士に依頼すべきケースは?おすすめ弁護士法人
ホテルの悪い口コミ対処法【星だけの低い評価の場合】
最期に、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)に投稿された悪い口コミのなかでも、星だけの低い評価(星1・星2)の対処方法のついて説明します。
コメントがない星だけの低評価の口コミは、削除申請をしても削除されることは殆どありません。
なぜなら、Googleが定めたポリシーや利用規約に違反せず、ローカルガイドヘルプにある「禁止および制限されているコンテンツ」にも抵触しないためです。
したがって、以下のような方法で対処していきましょう。
対処法①星だけの低い評価にも返信する
星だけの低評価が投稿されても、しっかりとコメントを返信しましょう。
Google口コミは投稿者が後で編集することが可能となっているため、返信というアクションを起こすことでコメントを追記して評価を変えてくれる可能性があります。
星だけの低評価がそのまま放置されていると、ホテル側としても評価が低い理由が分からず、更にその低評価を見た他のユーザーも不安を感じるでしょう。
したがって、星だけの低評価にも必ず返信して、意見を聞く姿勢を示すことが大切です。
【返信の文例】
〇〇〇〇様
この度はご来店頂き、ありがとうございます。
また、評価をいただき、誠にありがとうございます。
何か気になった点をお伝えいただけましたら、さらなるサービス向上のために参考にさせていただきます。
今後ともご愛顧賜りますよう、よろしくお願いいたします。
対処法②ホテル独自の意見調査を行なう
これ以上低評価を投稿されないためには、ホテルでアンケートなどの意見調査を行ない、利用者の声に耳をかたむけることも重要です。
Google口コミが「ホテルへの不満の捌け口」になってしまっている状況では、削除できない星だけの低評価が増えていき、平均評価が一気に下がっていく一方です。
それを防ぐためにも、今後は顧客満足度を上げて良い口コミを増やしていく必要があります。
そのためには、意見調査を通して接客態度やサービス内容などの見直しを、積極的に行なっていきましょう。
【NG対処法】口コミの自作自演やサクラの依頼はダメ
削除できない星だけの低評価が増えて平均評価が下がったからといって、口コミの自作自演をしたり、業者にサクラの依頼をするのはNGです。
Googleでは、このようなやらせレビューやサクラレビューを禁止しています。
Googleの規約違反、及びガイドライン違反となるため、判明すればレビューは削除されるだけでなく、ホテルがGoogleマップに表示されなくなるでしょう。
星だけの低評価は「評価を変えてもらう」「他に良い口コミを増やす」が基本的な対処法ですが、焦りから安易に違反行為をしてしまわないように注意してください。
ホテルのひどい悪口を早く見つけて風評被害を防ぐ
ホテルの悪い口コミを放置すると、ネガティブなイメージが定着して風評被害に発展したり、ネット炎上を引き起こしたりする可能性が高くなります。
そのため、ネット上に投稿されたの悪質な悪口や誹謗中傷は、できるだけ早く発見して削除するなどの対応を行ないたいところです。
近年、WEBマーケティング会社やリスクマネジメント会社では、火種になりそうな投稿を発見するツールを提供してネット環境を支援しているところも増えています。
監視ツールや炎上防止ツールなど、提供会社によってさまざまな名称があるので、サービス内容を比較しながら検討してみてはいかがでしょうか?
▼悪質な口コミを発見するツールなら、こちらをチェック!
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【まとめ】ホテルの悪い口コミは弁護士に相談すると解決しやすい
ホテルの悪い口コミが目立つGoogleマップ(Googleビジネスプロフィール)では、Googleの運営に対して口コミの削除依頼をすることができます。
もし削除されない場合は、送信防止措置や仮処分命令などの方法もありますが、Googleが海外サービスであることから厳しい面もあるのが現状。
その際は弁護士に依頼して発信者情報開示請求を行ない、口コミ投稿者に直接削除してもらったり、損害賠償を請求したりすることも検討しましょう。
投稿者プロフィール
- 誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。
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