Googleが提供する位置情報サービス「Googleマップ」の口コミといえば、多くのユーザーが利用している機能。
店側・企業側も、「Googleビジネスプロフィール」を通して、店舗情報や口コミを管理しています。
しかし、近年ではその機能が悪用される傾向にあることから問題視され、一部では廃止を求める声も上がっているようです。
この記事では、そんなGoogleの口コミ廃止が求められる理由を解説します。
Googleが口コミ機能を廃止しない理由や、口コミの削除申請をする方法についても説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
グーグルの口コミ廃止が求められる理由4つ
Googleマップの口コミ機能の廃止が求められる理由は、主に以下の4つです。
- ステマがあるので信憑性に欠ける
- 嫌がらせが多く名指しされることもある
- 口コミ削除業者の自演で営業される
- 病院などの医療系の口コミは命に係わる
以下、一つずつ順番に説明します。
理由①ステマがあるので信憑性に欠ける
Googleマップの口コミ機能では、店側による高評価口コミの自作自演、いわゆる「ステルスマーケティング(ステマ)」を行なっていることがあります。
ステマは「実際に購入・利用した人の感想なら信頼できる」という消費者心理を悪用した悪質な行為です。
一般の利用者を装い、実際の商品・サービスよりも良いものだという印象を不当に抱かせることから、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」にも違反しています。
しかし、それでもステマを行なう店や企業は少なくありません。なぜなら、無料で利用できるGoogle口コミは閲覧するユーザーが多く、宣伝効果も高いため。
悪質な業者の場合、口コミマーケティングの一環としてこのようなステマを行なう場合もあるので、注意が必要です。
消費者庁は、マチノマ大森内科クリニックを運営する医療法人社団祐真会に対し、Googleマップの口コミ投稿欄において、来院者が投稿した星5(★★★★★)の表示が、ステルスマーケティング告示に違反するものとして、措置命令を行いました。#ステマhttps://t.co/jIH1mL370a pic.twitter.com/PNckqfEXWf
— 消費者庁 (@caa_shohishacho) June 7, 2024
ステマの口コミの見分け方
ステマの口コミは1件だと気付きにくいですが、全体を通して見ると分かりやすいのが特徴です。
特に業者が行なうステマには5つの特徴が挙げられるため、ぜひ参考にしてみてください。
- 星5の口コミが異常に多い
- 口コミの件数が異常に多い
- 口コミの投稿者の殆どがその店1件しか評価していない
- 同じ系列の店で同じ文章の口コミが投稿されている
- 他の口コミサイトの評価と大きなズレがある
▼口コミの代行・自演についても、あわせてチェック!
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理由②嫌がらせが多く名指しされることもある
Googleの口コミ廃止が求められる一番の理由は、店や企業への嫌がらせの場となっていることです。
Googleマップでは匿名で口コミを投稿できることから、不満や批判を投稿しやすい環境となっているのが現状。
悪質な場合は、店員やスタッフを名指しして悪口が投稿されていることもあります。
このような嫌がらせ目的の口コミは、名誉毀損罪・侮辱罪・脅迫罪・信用毀損及び業務妨害罪・名誉毀損罪などにあたる犯罪行為です。
しかし、Google側ではそういった口コミに対して、警察に通報したり、裁判を起こしたりなど、具体的な対処は行ないません。
そのため、実質放置状態であるのも、口コミ廃止を求める理由の一つとなっています。
「グーグルが悪評を放置」医師ら60人が提訴へ…地図上の口コミ、「営業権の侵害」https://t.co/PbebJi5WlR#ニュース
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) April 17, 2024
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悪質な口コミは警察に被害届を出す
もし口コミの誹謗中傷によって業務や営業に支障が出るような被害に遭っているのであれば、警察に被害届を出しましょう。
犯罪行為と認められれば、警察が口コミの投稿者を特定して起訴・刑事裁判となります。
刑事裁判で有罪判決が出た場合、加害者には罰則(刑事罰)が科されるため、今後の抑止力にも繋がるかもしれません。
▼罰則(刑事罰)の例
<名誉毀損罪>3年以下の懲役、または50万円以下の罰金
<侮辱罪>拘留、または科料(1,000円以上1万円以下の罰金)
<脅迫罪>2年以下の懲役、または30万円以下の罰金
<信用毀損罪・業務妨害罪>3年以下の懲役、または50万円以下の罰金
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理由③口コミ削除業者の自演で営業される
近年増えているのが、口コミ削除業者による自演営業です。
具体的には、自分で口コミに悪評を投稿した後に、直接その店に「口コミを削除しませんか」と営業電話をかけたり、営業メールを送ったりします。
これは、Google口コミが基本的に書き込んだ本人しか削除できないことを利用した詐欺罪です。
他にも、ネットに疎い人をターゲットにした強引な方法を提案してくる場合もあります。
このような悪徳業者は、一度相手にしてしまうとリストに入れられて今後も被害に遭う可能性があるので、充分に注意しましょう。
被害者とGoogleに取材しました
「Google マップの低評価を削除します」営業断ったら低評価が大量に Googleは「詐欺集団に報酬払わないで」と呼びかけhttps://t.co/1PNtcmxepk pic.twitter.com/YyjPTpD5xD
— ねとらぼ (@itm_nlab) May 24, 2023
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理由④病院など医療系の口コミは命にかかわる
病院やクリニックなどの医療系では、悪口や誹謗中傷が特に投稿されやすいため、ユーザーが正しい情報を得られないことが問題となっています。
元々口コミは良い評価を投稿するメリットがないため、悪い口コミが増えやすいもの。
そのなかでも医療系の場合は、病気や怪我でナイーブになっている人が攻撃的な意見を投稿してしまいがちです。
このような一方的な主観の口コミは、病院を探している人の判断を妨げることになり、結果的に命にかかわることになります。
また、病院で働くスタッフのモチベーション低下にも繋がるため、Google口コミを廃止してほしいと思っている医療関係者は少なくありません。
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グーグルが口コミ機能を廃止しない理由
Googleが口コミ機能を廃止しないのは、ユーザーにとって重要な情報源であると考えているためです。
いろんな意見がたくさん集まることで客観的な判断材料を得られるGoogleマップは、安心して商品やサービスを購入するための重要なツールと言えるでしょう。
また、企業にとっては顧客の声を直接聞ける場であるため、商品・サービスの改善に役立てたり、マーケティングに利用したりすることができるのが特徴。
このように、ユーザーと企業のお互いにメリットがあるとされているので、今後も口コミが廃止されることはないと思われます。
そのかわりにGoogleでは、ガイドラインの強化と違反行為に対する取り締まりや、信頼性の高い口コミを表示するためのアルゴリズム改善などの取り組みを実施。
口コミを廃止するのではなく、今の機能を改善する方向性を示しています。
悪質な口コミの対処にはまだまだ課題が多いですが、アルゴリズムやAIの進化によっては将来的に解決する可能性もあるため、これからに期待したいところです。
悪質な口コミは削除申請で対処
Googleでは、Googleが定めたポリシーや利用規約への違反、ローカルガイドヘルプの「禁止および制限されているコンテンツ」に抵触していることが認められれば、その内容の口コミを削除してもらうことができます。
具体的には、下記のような内容です。
- ヘイトスピーチや差別的な表現を含む
- 暴力や違法行為を助長する
- スパムや広告宣伝を含む
- 個人情報や機密情報を含む
- 虚偽または誤解を招く内容を含む
- 本人になりすまして投稿されている
Googleに削除申請をすると数日から数週間で審査が実施され、口コミの内容に一部でも違反が認められれば、その口コミ自体が削除されます。
そのため、もし悪質な口コミが投稿されて困った時は、まずは削除申請をしてみてください。
ただし、審査結果の連絡はもらえないため、削除されているかは自分で確認しましょう。
【参考①】「マップのユーザー作成コンテンツに関するポリシー」一部抜粋
たとえば、投稿や編集の内容は、実際の体験や情報に基づくものでなければなりません。意図的な虚偽情報の投稿、写真のコピーや盗用、話題に無関係なクチコミ、中傷的な表現の使用、個人攻撃、不必要または不正確なコンテンツなどは、すべてポリシー違反に該当します。Google では通常、違反と見なされるのが投稿の一部であったとしても、投稿全体(投稿された写真とそれに添えられたクチコミなど)が削除されます。
引用元:Google公式サイト「マップのユーザー作成コンテンツに関するポリシー」
【参考②】「禁止および制限されているコンテンツ」
▼虚偽のコンテンツ、偽装行為
虚偽のエンゲージメント/なりすまし/誤った情報/不実表示/不適切なコンテンツまたは行為/ハラスメント/ヘイトスピーチ
▼不適切なコンテンツ
個人情報/わいせつ、冒とく的な表現/性的描写が露骨なコンテンツ/アダルト向けコンテンツ/暴力的または残虐なコンテンツ/制限されているコンテンツ/危険なコンテンツ/違法なコンテンツ/子供の安全/テロに関するコンテンツ/関連性のないコンテンツ/宣伝と勧誘/意味不明なコンテンツや、繰り返して投稿されたコンテンツ/改変、悪ふざけ
引用元:Googleローカルガイドヘルプ「禁止および制限されているコンテンツ」
グーグルに削除申請をする方法
削除申請の方法には、「一般ユーザー(第三者)として削除申請する方法」と「ビジネスオーナーとして削除申請する方法」の2つがあります。
どちらも手順は簡単なので、悪質な口コミが投稿されてしまった時は、ぜひ試してみてください。
方法①一般ユーザー(第三者)として削除申請
口コミの報告ボタンから通報機能を利用します。Googleアカウントでログインする必要はありません。
- 削除したい口コミ投稿を表示する
- 口コミの右上にある三点リーダーから「レビューを報告」ボタンをクリック
- 「口コミを報告」から該当するものを選択して送信
▼「口コミを報告」の項目
・関連性のないコンテンツ
このビジネスでの経験とは関係ないクチコミ
・スパム
ボットまたは虚偽のアカウントからのクチコミ、あるいは広告かプロモーションを含むクチコミ
・利害に関する問題
該当のビジネスまたは競合するビジネスと関係するユーザーが投稿したクチコミ
・冒涜的な表現
汚い言葉、露骨な性描写、詳細な暴力描写を含むクチコミ
・いじめ、嫌がらせ
特定の人を個人的に攻撃するクチコミ
・人種差別、ヘイトスピーチ
身元を理由に個人またはグループを中傷する表現を含むクチコミ
・個人情報
住所や電話番号などの個人情報を含むクチコミ
・役に立たなかった
この場所に行くかどうかを決めるのに関係ないクチコミ
方法②ビジネスオーナーとして削除申請
Googleビジネスプロフィール上で通報機能を利用します。
事前にGoogleアカウントを作成して、Googleビジネスプロフィールのオーナー登録をしておきましょう。
- Googleアカウントでログイン
- Googleビジネスプロフィールの管理画面を表示する
- 削除したい口コミ投稿を表示する
- 「不適切なクチコミとして報告」をクリック
- 該当する違反を選択して、「報告」をクリック
星だけの低評価は削除できない?
内容が書かれていない「星だけの低評価」のGoogle口コミは、削除申請をしても削除される可能性が低いです。
なぜなら、Googleが定めたポリシーや利用規約に違反せず、ローカルガイドヘルプにある「禁止および制限されているコンテンツ」にも抵触しないため。
したがって、このような星だけの低評価が増えると削除ができず、ユーザにネガティブなイメージを与えてしまうことなる恐れがあります。
▼星だけの低評価については、こちらで詳しく解説しています。
Google口コミの星1は削除できる?星だけの低評価の対処法も解説
削除できない時はBLITZ Marketingにお任せ!
誹謗中傷・風評被害対策のプロフェッショナルである「BLITZ Marketing(ブリッツマーケティング)」では、Google口コミ対策にも対応しています。
Googleでは、削除申請をしても必ず口コミを削除してもらえるとは限りません。
そのため、悪質な口コミをそのまま放置せざるを得ない状況になってしまっているお店もあります。
そんな時でも、BLITZ Marketingなら悪質な口コミを最短で即日解決!業種を問わず、どんな口コミにも対応することができます。
担当企業1,000社以上で成功率98%という実績もあるので、「他社に断られてしまった」という方もお気軽にご相談ください。
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【まとめ】グーグルは口コミ廃止よりも機能改善を優先
Googleの口コミ機能を廃止してほしいと考えているユーザーや企業は多いものの、Google側は今の機能を改善することでより良いプラットフォームを目指そうとしています。
そのため現状としては、もし悪質な口コミが投稿されたら削除申請を行なうのが一番の方法。ただし、必ず口コミを削除してもらえるとは限りません。
業務妨害や名誉毀損罪となる場合は警察に通報するなどして、冷静に対応しましょう。
また、最近はGoogleの口コミの問題点に気付いているユーザーが多いため、店側・企業側は評価をあまり気にしすぎないようにすることも大切です。
投稿者プロフィール
- 誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。
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