「ネット上に病院の悪い評判が多いが、何をしたら良いのか分からない」
「風評被害に遭っている。今後、病院にどんな影響が出るのか知りたい」
「病院が講じるべき具体的な風評被害対策を知りたい」
病院・クリニックは、インターネット上の誹謗中傷・風評被害が起こりやすいデジタルリスクが高いため、適切な対策を講じないと患者数が減少したり、病院に対する信用を失ったりと、経営に悪影響を及ぼします。
悪い風評は拡散されるのはあっという間でどんどん拡大していくため、早めに対策を講じることが必要です。
この記事では、病院・クリニックの風評被害の実例・影響・対策方法などについて、詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
病院・クリニックの風評被害の原因と実例は?
病院・クリニックは、人間の健康や命に関わる「医療」というサービスを提供しています。そのため、利用者の意にそぐわない対応があったりすると、風評被害を受けやすく、デジタルリスクが大きい業種とも言えます。
病院・クリニックの風評被害が起こる原因と実例を、以下に挙げます。
- スタッフ・施設への不満
- 新型コロナウイルス対応
- SNS炎上
1つずつ、解説します。
実例①スタッフ・施設への不満
医師や看護師などのスタッフ、病院施設への不満がある場合、直接病院スタッフにぶつける人も多いですが、近年はネット上の口コミサイトやSNSに不満を書き込んで投稿する事例が増加しています。
病院利用者は、具合が悪い状態で治癒を目的に病院を利用しているため、それが叶わなかった場合、健康状態が良い時よりも怒りや悲しみの感情が増幅しやすいです。それを口コミサイトやGoogleマップ口コミの投稿、SNSでの発信という形で、病院・クリニックに感情をぶつけるケースが増えています。
その投稿内容は、病院側の意図と違っていたり、明らかにオーバーな表現であったりすることもあります。しかしネガティブな内容は拡散されやすい特徴があるため、その真偽に関わらず、人々にインパクトを与える内容であればあるほど、あっという間に広まる可能性があります。
実例②新型コロナウイルス対応
新型コロナウィルスに対する病院の対応は、病院・クリニックの多くの風評被害につながりました。
例えば、新型コロナウィルスの感染が拡大し始めた頃、重症患者を受け入れた病院名が拡散され、その病院スタッフが接触を避けられたり、病院スタッフの子供が登園・登校自粛を求められたりする風評被害が発生しました。
また「○○病院でコロナ感染者が出た」というSNS投稿があると、多数の問い合わせがあったり、病院全体や職員全員がコロナ感染しているかのようなイメージを持たれたりすることもありました。
病院側が人々のために尽力していても、未知の事態に恐怖を感じた人々が、どんどん憶測や解釈が拡大させて、風評被害が大きくなった事例です。
実例③SNS炎上
病院スタッフがプライベートの利用目的以外に、医療に関する情報発信や医療従事者との交流のために、SNSを利用しているというケースは増えています。
有益な情報を発信する医療従事者がいる一方で、患者の個人情報を投稿したり、患者を批判するような内容を投稿したりして、SNSが炎上するケースが増えています。
また、医療に関する有益な情報を発信していても、文脈などから発信者と異なる意図で受け止められてしまい、炎上することもあります。
発信者がたとえ所属している病院を公表していなくても、過去の投稿などを詮索されて所属先が特定され、本人だけでなく病院への風評被害に発展することもあります。「こんな非常識な人物を雇っているなんておかしい」などの抗議が病院に殺到する例もありました。
SNSが炎上した場合、原因となった投稿を削除しても、一度拡散されるとインターネット上で完全に消すことは難しいです。デジタルタトゥーとして悪い影響が残ってしまうでしょう。
病院・クリニックが風評被害を受けた場合の影響は?
病院・クリニックには、さまざまなデジタルリスクが潜んでいますが、たとえ真実ではないデマの風評であっても、以下のような被害をもたらします。
- 患者数が減少する
- 病院に対する信頼を失う
- スタッフが集まらない・定着しない
これらは病院の経営に悪影響を及ぼすものばかりです。それぞれを解説します。
影響①患者数が減少する
1つ目の影響は、患者数が減少することです。
悪い風評を目にすれば、内容の真偽が定かでなくても、病院の利用を迷う気持ちを持つ人がいてもおかしくありません。
多くの人は、自身の命や健康に直結する病院選びを注意深く行います。病気の症状が重ければ重いほど、その傾向は明らかです。
一方で、近年はレストランなどのお店のように病院の口コミを容易に書き込めるようになったり、SNSで誰でも自由に発信できるようになったりしています。つまり、病院に対する不満を持った場合、それをネット上で表現しやすくなっているのです。
口コミやSNSで見たネガティブな風評は、人の心に残りやすいです。また利用者自身が悪い口コミ内容に疑いを持っていても、病院に対してちょっとした疑念や不満が生じると「やっぱりネットに書いてあった通りだ」という確信を持つきっかけになってしまいます。
そういった経緯で病院の利用を躊躇したり、病院を見る目が厳しくなったりする人が増えることで、患者数が減少することは十分にあり得るでしょう。
影響②病院に対する信頼を失う
2つ目の影響は、病院に対する信頼を失うことです。
風評被害は「拡大しやすい」というのも、特徴の1つです。悪い風評がどんどん拡大しているのにも関わらず、その対応を何もしなければ、内容が増長され、共感する口コミがさらに集まり、真実とかけはなれた風評につながっていくこともあります。
風評が拡大している場合は、信憑性が低い風評であっても、病院側がきちんと釈明をするなどの対応をしないと、利用者は「もしかしたら真実なのかも」という疑念を持ったままになり、病院に対する信頼を失ってしまいます。
影響③スタッフが集まらない・定着しない
3つ目の影響は、スタッフが集まらない・定着しないことです。
悪い風評が多い病院・クリニックであれば、採用活動を行ってもスタッフが集まりにくく、悪い風評によって職場環境も悪くなり、退職者も増えることがあるでしょう。
現在はインターネット上で、その病院の在職スタッフや退職スタッフなどの声も容易に調べられます。「患者からの評判はどうか?」「働いているスタッフは働きやすいと感じているか?」など、具体的な情報がネット上に豊富に存在しているからです。
悪い風評が多ければ、入職希望を躊躇する人も多くなり、スタッフが集まりにくく、定着しないという悪影響につながります。
病院・クリニックが講じるべき風評被害対策の3つの基本
上記のようなデジタルリスクによるさまざまな悪影響を防ぐために、病院・クリニックは早めに対策を講じることが必要です。
悪い風評は、拡大すればするほど対応が困難になります。また風評被害を受けた場合、すぐに対応できるように、日頃から体制を整えておくことで、被害も小さく抑えることができるでしょう。
風評被害対策の基本は、大きく分けて3つです。
- 病院スタッフのネットリテラシーを高める
(→スタッフ教育を徹底する) - ネット上に書き込まれるネガティブな口コミに対応する
(→Google口コミ対策を講じる) - 検索エンジンのネガティブなサジェストワードに対応する
(→サジェスト対策を講じる)
以下で、それぞれを詳しく解説します。
病院・クリニック風評被害対策①|スタッフ教育
病院・クリニックの風評被害対策の1つ目は、ネットリテラシーを高めるためのスタッフ教育です。これを行うことにより、情報流出やSNSの炎上の可能性を低くすることができます。
以下に教育内容の例を挙げます。
- 病院の機密情報、患者の個人情報などの取り扱い方法を周知する
- SNS利用の病院内ガイドラインを策定する
- 病院で支給されるPC・携帯・スマホ利用に関する規定を作る
- 病院のデジタルリスクについて、具体的な事例を挙げて周知する
上記のような教育・知識提供ををスタッフに定期的に行い、病院・クリニック全体のネットリテラシーを高めると、知識が乏しいことで引き起こされるリスクを減らすことができます。
特にスタッフ個人のSNS利用に関しては、病院側があまり介入できないとはいえ、「どのような投稿が炎上につながるのか」「個人のSNS炎上が所属病院にどのような影響を与えるのか」などについて、過去の事例をもとにSNSリスクの理解を徹底することは重要です。
病院・クリニック風評被害対策②|Googleマップ口コミ対策
病院・クリニックの風評被害対策の2つ目は、Googleマップの口コミ対策です。
病院の口コミを投稿できるサイトは各種ありますが、匿名で書き込みできる口コミは、ネガティブな感情をぶつけやすい場となっています。特に、検索エンジンのシェア率トップであるGoogleの口コミを無視することはできない時代です。
口コミ内容によっては、営業妨害や名誉毀損に該当するものもあり、それらはGoogle社に申請することで削除できます。
具体的な方法はこちら↓
▶︎「悪質なGoogleマップ口コミが及ぼす影響・対処方法」の詳細はこちら
また、高評価の口コミを増やすことで、低評価の口コミを目立たないようにするという方法もあります。
具体的な方法はこちら↓
▶︎「Googleマップの口コミを増やすべき理由・方法」の詳細はこちら
病院内の限られたスタッフの中で口コミ対策の作業をするのは難しい場合も多いです。口コミ対策を外部の業者に委託することもできますので、しっかりと対策を講じて、悪質な口コミの影響を受けないようにしましょう。
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病院・クリニック風評被害対策③|サジェスト対策
病院・クリニックの風評被害対策の3つ目は、サジェスト対策です。
Google、Yahoo!などの検索エンジンにおいて、とあるキーワードを検索した際に検索候補として関連するキーワードが自動的に表示されますが、これをサジェスト機能と言います。
このサジェスト機能によって、病院名を入力したときに「○○病院 医療ミス」「○○クリニック 汚い」など、ネガティブな関連キーワード表示されるケースがあります。
病院の悪い風評があると「それが事実なのか?」とネットで調べる人が増えるため、病院名とともにネガティブなキーワードがサジェスト表示されることが続いてしまいます。
こういった場合に「ユーザーに見てほしくないキーワードを非表示にする」「特定のキーワードを表示させる」といったサジェスト対策が必要です。
基本的には、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの運営会社にネガティブなサジェストキーワードの削除申請を行うことになります。
具体的な方法はこちら↓
▶︎「サジェスト対策方法・理由・費用」の詳細はこちら
サジェスト対策も、口コミ対策同様、日常的に人的なチェックが必要です。対策を請け負う業者に依頼することも可能です。
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【まとめ】病院・クリニックのデジタルリスクに適切な対策を!
この記事では、病院・クリニックの風評被害の実例・影響・対策方法などについて、詳しく解説しました。
病院・クリニックは、人の健康や命につながる業種であるがゆえに、利用者の意にそぐわないとネガティブな感情を抱かれやすいです。現在は、口コミ投稿などでそういった感情をぶつけやすい環境になっているので、ネット上の風評被害も数多く発生しています。
風評被害による悪影響を防ぐためには、病院・クリニックのデジタルリスクをしっかりと理解し、被害が拡大していなくても、いち早く対策を講じることが重要です。適切な風評被害対策で、病院、スタッフを守っていきましょう!
投稿者プロフィール
- 誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。
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