プレゼン資料といえば、PowerPoint(パワーポイント)を使って、複数のスライドで構成されたプレゼンテーションを作成するのが定番です。
しかし、AI生成が身近になった最近では、AIを利用したスライド作成サービスが続々と登場しています。
この記事では、そんなAI生成でPPT形式のスライドを作成する方法や作成ツールを紹介します。
パワポ以外でAI生成を利用する際の注意点も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
AI生成でPPT形式のスライド作成するポイント
AI生成でPPT形式のスライド及びプレゼンテーションを作成するポイントは、主に2つです。
- 生成AIを利用して作業を効率化
- スライドをPPT形式で出力・保存
以下、順番に説明します。
ポイント①生成AIを利用して作業を効率化
スライドを作成する際は、複数の生成AIを利用して作業を効率化します。
主な例は、下記の通りです。
生成AIの種類 | 作業 |
テキスト生成AI | ・構成作成 ・目次作成 ・タイトル作成 |
画像生成AI | ・レイアウト作成 ・イメージ画像作成 |
動画生成AI | ・アニメーション作成 |
音声生成AI | ・ナレーション作成 |
音楽生成AI | ・BGM作成 |
生成AIを利用したスライド作成のメイン機能は、テキスト生成AIによる構成や目次の提案と、画像生成AIによるレイアウトデザインの提案です。
PowerPointでプレゼン資料を作る際に時間がかかる作業といえば、「限られた枚数(時間)のスライド」にまとめることです。
そのため、メモ書きから文章を膨らませたり、資料から重要なポイントを抜き出したりする作業を生成AIに任せることで、短時間でスライドを作成することができます。
▼生成AIについては、こちらで解説しています。
テキスト生成AIとは?無料で使えるサービスも紹介【最新版】
文章要約ツールの活用方法|おすすめAIツール7選も紹介
AIのイラスト自動生成は日本語も使える?無料で利用可能なサービス6選も紹介
【最新版】AIデザインツール3選を紹介!無料で使えるAIツールを徹底解説
ポイント②スライドをPPT形式で出力・保存
AI生成でスライド作成する際は、最終的にPPT形式で出力・保存できるツールを選びましょう。
PPT形式のファイルであればPowerPointで開くことができるので、プレゼン発表の際もパワポ上で操作が可能です。
また、プレゼン資料は複数人で共有することも多いため、パワポで修正できるように誰でも使えるPPT形式ファイルで保存しておくことが大切。
ツールによっては、PDF形式やJPEG形式などの画像で出力することができますが、急な修正があるとすぐに対応できないので注意が必要です。
PowerPoint×CopilotでスライドをAI生成
PowerPointの機能「Copilot(コパイロット)」では、生成AI機能を使ったプレゼンテーションを作成することができます。
「Microsoft Copilot」といえば、Microsoftによって開発された生成AI。OpenAIのChatGPT、及び自然言語処理技術を用いた検索エンジン型のチャットボットです。
近年はさまざまなWindowsアプリケーションに搭載され、その機能性が大きな話題となっています。
PowerPointで利用できるCopilot機能では、「プロンプト(テキストによる指示)を入力」もしくは「Wordファイルを指定」することで、複数のスライドで構成されたプレゼンテーションを自動で作成してくれるのが特徴。
プロンプトやWordファイルを変更すればすぐに別案を作成できるので、作業効率が大幅にアップします。
【 Copilot でスタイリッシュな提案書も一瞬で作成| #動画でわかるCopilot 】
AI 搭載の Microsoft 365 Copilot なら、社内に蓄積された Microsoft 365 のデータを参照し、Word や PowerPoint の提案書を一瞬で作成可能。簡単な指示で、スタイルも思いのままに提案書が作られる様子をご覧ください。 pic.twitter.com/8CTCCIHl14
— 日本マイクロソフト株式会社 (@mskkpr) March 31, 2023
【 Word からプレゼン資料を一発作成】#Copilot は、Word ファイルを元に PowerPoint 資料を作成することも可能。
元となるファイルを添付して指示するだけで、わかりやすくスライドにまとめ、必要な情報をノートに記載します。
スライド デザインも複数パターンから選択可能!#Copilot使い方講座 pic.twitter.com/ZGDPFXapkO— Microsoft 365 (@MSOfficeJP) May 8, 2024
ただしこのCopilot機能を利用できるのは、「Copilot for Microsoft 365」または「Microsoft Copilot Pro」の有料ライセンスを持っている方のみです。
また一部の機能については、セキュリティ面の関係で企業向けの職場ライセンスが別途必要になるので注意しましょう。
▼ChatGPTについては、こちらでも解説しています。
Claude3とChatGPTの違いとは?基本的な使い方も解説
ChatGPTとAutoGPTの違いとは?特徴や利用者の声も紹介
ChatGPTの「GPTs(GPT Builder)」とは?おすすめ活用事例15選
ChatGPTプラグインとは?ChatGPT Plusで使えるおすすめプラグイン12選【最新版】
ライセンス料金
「Copilot for Microsoft 365」と「Microsoft Copilot Pro」のライセンス料金は、下記の通りです。
Copilot for Microsoft 365(一般法人向け)
1年間 53,964円 税別(1ヶ月あたり4,497円)
Microsoft Copilot Pro
1ヶ月 3,200円 税別 ※1ヶ月間無料試用版あり。
パワポ以外のAI生成スライド作成ツール【7選】
ここでは、PowerPoint以外で生成AIを利用したスライド、及びプレゼンテーションを作成できるツールを7つ紹介します。
「パワポに搭載されているCopilot以外の生成AIを使ってみたい」「ツールに利用されている生成AIの性能を比べてみたい」
そんな方は、こちらのツールを検討してみてください。
ユーザーローカル|パワポ生成AI
「パワポ生成AI」は、株式会社ユーザーローカルが提供している、プレゼンテーション資料をAIで自動生成するツールです。
「企画書・提案書」「新商品の紹介」「営業資料」などのテンプレートを選択して、アウトライン(章立てメモ)を入力すると、完成されたプレゼン資料をPPT形式でダウンロードできるのが特徴。
作成した資料内にイメージ画像を自動的に挿入する機能が備わっている点も魅力の一つです。
名称 | パワポ生成AI |
開発・提供 | 株式会社ユーザーローカル |
URL | https://ai-tool.userlocal.jp/powerpoint_maker/ |
利用料金 | 無料 |
こんな方にオススメ
- 無料で手軽に使えるツールを探している人
- 大まかな構成とテキストが既に決まっている人
Canva(キャンバ)|AIスライド機能
「Canva」は、Canva Pty Ltdが提供している、オンラインで利用できるデザインツールです。
CanvaのAIスライド機能では、テキストを入力したり、写真を追加したりすることで、いろんなパターンのレイアウトを提案してくれるのが特徴。
また、テキスト生成や画像生成などのAI生成機能を使うことで、プレゼン資料をより充実させることができるのも大きなポイントです。
名称 | Canva(キャンバ) |
開発・提供 | Canva Pty Ltd |
URL | https://www.canva.com/ja_jp/features/ai-slide/ |
利用料金 | Canvaプロ:11,800円/1年 ※無料版は、AI生成機能の利用に制限があります。 |
こんな方にオススメ
- 普段からCanvaを利用している人
- 大まかな構成とテキストが既に決まっている人
イルシル
「イルシル」は、株式会社イルシルが提供している、AI搭載スライド自動生成サービスです。
短いキーワードからスライドを生成できるだけでなく、長文を要約してスライドを生成することも可能なのが特徴。
日本語に特化したスライドのデザインが1,000種類以上あり、よく使われるデザインのパーツも豊富に用意されているのが強みです。
名称 | イルシル |
開発・提供 | 株式会社イルシル |
URL | https://irusiru.jp/ |
利用料金 | フリープラン:0円(データ出力不可) パーソナルプラン:月額1,680円 税別 ※無料トライアルあり。 ビジネスプラン:月額2,980円 税別 ※無料トライアルあり。 |
こんな方にオススメ
- 商用利用可能な資料を作成したい人
- 入力情報が学習されない生成AIを利用したい人
Googleスライド+アドオン・拡張機能
「Googleスライド(Google Workspace)」は、Googleが提供している、オンラインのプレゼンテーションツールです。
Googleスライドはアドオンや拡張機能を追加することで、生成AIを使ってスライドを作成できるのが特徴。
一般的には「Gemini for Google Workspace」というアドオンを追加して、「Gemini in Google スライド」を利用する場合が多いです。
名称 | Gemini for Google Workspace |
開発・提供 | Google LLC |
URL | https://workspace.google.com/intl/ja/solutions/ai/ |
利用料金 | ※14日間の無料お試しあり。 Gemini Business:月額2,260円(1年契約の場合) Gemini Enterprise:月額3,400円(1年契約の場合) 【注意】Geminiアドオンを利用するには、 有料のWorkspaceプランに加入している必要があります。 |
こんな方にオススメ
- 普段からGoogleスライドを利用している人
- Googleの生成AI「Gemini」を利用したい人
MiriCanvas(ミリキャンバス)
「MiriCanvas」は、韓国の企業・MIRI D.I.H. Co., Ltd.が提供している、オンラインで利用できるデザインツールです。
5万個以上のデザインテンプレートが用意されていて、AI画像生成機能やAIライティング機能を利用できるのが特徴。
韓国ならではの配色やデザインが好きな方にピッタリです。
名称 | MiriCanvas(ミリキャンバス) |
開発・提供 | MIRI D.I.H. Co., Ltd. |
URL | https://www.miricanvas.com/ja |
利用料金 | 無料版:一部のテンプレートを利用可能 Pro:12,000円/年 ※1ヶ月無料お試しあり。 |
こんな方にオススメ
- デザイン性を重視したい人
- 大まかな構成とテキストが既に決まっている人
Tome(ト―ム)
「Tome」は、アメリカの企業・Magical Tome Inc.が提供しているAIツールです。
テキスト入力のみで、画像を含むプレゼンテーションのスライドを1分程度で自動生成できるのが特徴。
画像生成AIには「Stable Diffusion XL」が利用されているので、高品質な画像を使えるのも魅力の一つです。
※海外サイトのサービスのため、サイト内は全て英語表記です。必ず規約をしっかり確認したうえで、自己責任において利用してください。
名称 | Tome(ト―ム) |
開発・提供 | Magical Tome Inc. |
URL | https://tome.app/ |
利用料金 | ベーシック:アカウント登録で500クレジット付与 ※各アクションによってクレジット消費。 プロ:月額16ドル(クレジット無制限) |
こんな方にオススメ
- 海外の生成AIツールを利用したい人
- 高品質な画像生成AIを利用したい人
Gamma(ガンマ)
「Gamma」は、アメリカの企業・Gamma AIが提供しているAIツールです。
作りたいプレゼン資料の内容を入力すると構成を提案してくれるので、それを基にテキスト生成と画像生成でスライドを作成できるのが特徴。
共同編集の機能や共有による分析機能などに特化している点も、大きなポイントとなっています。
※海外サイトのサービスのため、サイト内は全て英語表記です。必ず規約をしっかり確認したうえで、自己責任において利用してください。
名称 | Gamma(ガンマ) |
開発・提供 | Gamma AI |
URL | https://gamma.app/ |
利用料金 | Free:登録時に400クレジット付与 ※各アクションによってクレジット消費。 Plus:月額10ドル/毎月400クレジットを付与 Pro:月額20ドル/無制限 |
こんな方にオススメ
- 海外の生成AIツールを利用したい人
- 複数人でスライドを作成する人
パワポ以外でAI生成を利用する際の注意点
もしPowerPoint以外でプレゼン資料を作成するのであれば、情報漏洩に気を付けましょう。
会社のプレゼン資料で使用するスライド、及びプレゼンテーションは、社内の重要機密情報を含む場合も少なくありません。
それゆえに、MicrosoftではパワポなどのWindowsアプリに保存されたデータを保護するために、多くのセキュリティ対策を講じています。
しかし、もしパワポ以外のツールを使うとなったらどうでしょうか。
悪質なツールであれば、入力した情報が売られて他社に流れたり、生成AIが情報を学習してテキスト生成に利用されたりするかもしれません。
また、日本では生成AIの業務利用を禁止している企業が増えているので、AI系のツールを使いたい場合は事前に会社で確認することも重要です。
特に海外のツールは生成AIの学習に利用される可能性が高いため、使い方には充分注意しましょう。
AI生成はネット炎上のネタになりやすい
ここ数年は、画像生成AIを使った偽画像や、動画生成AIを使った偽動画など、ディープフェイクに関連した事件が多発しています。
それに伴って、ネットでは生成AIの利用を問題視する声も増えているのが現状。
最近では、企業が生成AIを使った画像や動画をSNSに投稿すると、ネット炎上を引き起こしてしまうことも珍しくありません。
最新技術を取り入れて話題性を狙ったつもりが、生成AIの倫理的な問題を軽視しているとされ、結果的に企業イメージが低下してしまう恐れがあります。
社外向け・社内向けのどちらの場合も、生成AIに関しては世論の動向を十分に把握したうえで慎重に利用するようにしましょう。
岸田首相の偽画像などがSNSで相次ぎ拡散 注意を呼びかけhttps://t.co/tCgHDPgKvB #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) February 17, 2024
生成AIでニュース番組に似せた偽広告 日本テレビ“注意を”https://t.co/mQ7lXMg3DR #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) October 31, 2023
▼ネット炎上を利用した炎上マーケティング(炎上商法)についてもチェック!
炎上系YouTuberとは?炎上方法や有名人を紹介【2024年 最新版】
ネット炎上の防止・対策ならBLITZ Marketing
誹謗中傷・風評被害対策のプロフェッショナルである「BLITZ Marketing(ブリッツマーケティング)」では、ネット炎上の防止・対策のサポートを行なっています。
なかでもリスク管理(リスクマネジメント)を検討している方には、BLITZ Marketingで提供しているレピュテーションリスク管理ツール「AIブランドモニター」がオススメ。
このAIツールでは、ネットの風評を24時間監視しながら、AIがネガティブな情報を自動判定してくれるので、ネット炎上や悪質な風評の火種をいち早く見つけることができます。
AIブランドモニターは1ヶ月分の無料トライアルを実施しているため、気になる方はお気軽にお問い合わせください。
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【まとめ】AI生成でスライドを作成する際は安全性を確認!
AI生成でPPT形式のスライドを作成するための一番良い方法は、WindowsアプリケーションであるPowerPoint(パワーポイント)の機能、「Copilot(コパイロット)」を利用するやり方です。
パワポ以外のツールを使う場合は、社内の重要機密情報を扱うことを考慮して、セキュリティ面で信頼できるサービスを選ぶことが重要。
生成AIの倫理的な問題や、外部のツールを利用するリスクをしっかりと理解したうえで、安全な環境でプレゼン資料を作成しましょう。
投稿者プロフィール
- 誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。