「3Dモデル生成AIは、従来の3Dモデル作成ツールとは違うの?」
「海外ではどんなAIツールがあるのか知りたい」
近年話題になっている生成AIですが、実は3Dモデルを生成するAIモデルも登場しています。
3Dモデルはゲーム制作や建築デザインなどのさまざまな分野で利用されているため、技術の発展に期待している人も多いようです。
この記事では、3Dモデル生成AIについて解説します。また、OpenAIが発表した3Dモデル生成AI「Shap-E」や、海外の「AI 3Dジェネレーター」なども紹介。
3Dモデルを作成できる生成AIやAIツールに興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
3Dモデル生成AIとは?
「3Dモデル生成AI」は、生成AI(ジェネレーティブ AI)の一種です。
生成AIとは、いろんなデータを学習することによって、新しいデータ(テキスト・画像・動画など)を生成できるAIのこと。また、その機械学習の手法を指します。
3Dモデル生成AI生成AIは、生成AIのなかでも「3Dモデル」を作り出すことに特化したAIです。
3Dモデルを作り出すための入力データは、テキスト・画像・動画など、種類はさまざま。
具体的な手順や生成データについては、AIモデルによって異なるため一概には言えませんが、入力データによって「新たな3Dモデル」というコンテンツを生成するAIという認識で良いでしょう。
▼テキスト生成AI(文章生成AI)について知りたい方は、こちらをチェック!
テキスト生成AIとは?無料で使えるサービスも紹介【最新版】
3D・3Dモデルとは?
3D(スリーディー)とは、「3-Dimensions」の略語で「3次元」を意味しています。簡単に言えば、空間(縦・横・奥行)を表す概念です。
3Dモデルは、そんな3D空間内に作られた立体物のデータ、つまりオブジェクトを指します。もう少し詳しく説明すると、点・線・面の3要素で構成された3D CG(3次元コンピュータグラフィックス)です。
ちなみに2D(ツーディー)とは、「2-Dimensions」の略語で「2次元」を意味しています。分かりやすく言うと、平面(縦・横)を表す概念です。
従来の3Dモデル作成ツールとの違い
従来の3Dモデル作成ツールでは、自分で点・線・面を構築しながら、手動で目的の3Dモデリングを行ないます。
また、立体物の質感を表現するための画像「テクスチャ」をモデルに貼り付けたり、モデルを動かすための「ボーン」を設定したりなど、ツールによってできる範囲はさまざまです。
AIを利用したAIツールだと、ボタン一つでいろんな設定を適用して3Dモデルを作成してくれるものもあります。これは「決められた工程の自動化」であると言えるでしょう。
簡単に言えば、学習済みのデータの中から適切なテンプレートを選んで、それに当てはめて作成しているイメージです。
これに対して3Dモデル生成AIは、訓練データの規則性や構造を学習することで、「まったく新しい3Dモデルを自動生成」する仕組み。
分かりやすく言えば、生成AIが造形のアイデアを出してくれる上に、それに合わせて3Dモデルが自動で生成されるというわけです。
ただし、3Dモデルの作成は工程が複雑なので、現在の生成AIで作られた3Dモデルは全般的にクオリティが高いとは言えない状況。そのため、3Dモデル生成AIを業務に利用できるのは、まだまだ先となりそうです。
▼画像生成AIを利用した、イラスト生成サービスが知りたい方はこちら!
AIのイラスト自動生成は日本語も使える?無料で利用可能なサービス6選も紹介
3Dモデル生成AIのタイプ
3Dモデル生成AIは、細かく分けて4つのタイプがあります。
それぞれ用意するデータが異なるので、自分の利用しやすい生成AIモデルやAIツールを選ぶときの参考にしてみてください。
テキストから3Dを生成(Text-to-3D)
入力データに、テキスト(文章)を必要とするタイプです。
例えば「赤くて小さなリンゴ」といったように、3Dモデルの色や形の特徴をテキストで指示します。このタイプは、テキストの内容を理解して、そのイメージを適切に表現できるAI技術も必要です。
外国産のAIである場合、日本語を翻訳した英語テキストでは、ニュアンスが伝わりづらい可能性があるかもしれません。
画像から3Dを生成(Image-to-3D)
入力データに、画像を必要とするタイプです。
例えば、写真やイラストなどの画像データで、3Dモデルの色や形の特徴を指示します。このタイプは、画像の内容を理解して、平面から立体を想像できるAI技術も必要です。
ただし、画像の鮮明度などによって、3Dモデルの品質が大きく変わってしまう可能性があるかもしれません。
2D画像から3Dを生成(2D-to-3D)
入力データに、2D画像を必要とするタイプです。
正確には「2D=画像」なので画像から生成するタイプと同じですが、ここでは「正面図・側面図・上面図」がセットになった図面画像を指しています。
この図面画像の場合、3Dの立体をイメージしやすいのが特徴。想像で補完する部分が少ないので、理想に近い3Dモデルを作成できる可能性が高いです。
動画から3Dを生成(Video-to-3D)
入力データに、動画を必要とするタイプです。
例えば、オブジェクトをいろんな角度から撮影した動画データで、3Dモデルの色や形の特徴を指示します。このタイプは、動画の内容を理解して、一つの立体を想像できるAI技術も必要です。
動かせる3Dモデルを作成するための、モーション制作として利用される場合もあります。
OpenAIが3Dモデル生成AI「Shap-E」を発表
人工知能(AI)の開発を行なっているアメリカの企業「OpenAI(オープンエーアイ)」は、2023年5月に3Dモデル生成AI「Shap-E」を発表しました。
「Shap-E」は、テキストから3Dモデルを生成する「Text-to-3D」、画像から3Dモデルを生成する「Image-to-3D」に対応しているのが特徴。
生成AIを利用したAIチャットサービス「ChatGPT(チャットジーピーティー)」で有名なOpenAIが開発しているので、期待している人も多いようです。
Shap-Eはオープンソースで公開されているため、ソフトウェア開発のプラットフォーム「GitHub」にてソースコードとAIモデルを入手することができます。
これをブラウザ上でPythonを記述・実行できる「Google Colaboratory (Colab) 」で利用することにより、3Dモデル生成AIを使うことが可能です。
また、機械学習エンジニアのhysts氏によって、AI向けリポジトリサイト「Hugging Face」にて、気軽にShap-Eを体験できるデモサイトも作られています。
プログラミングやプログラミング言語に詳しくない人は、こちらを試してみるのも良いかもしれません。
ちなみに、デモサイトではglTF形式、Google ColaboratoryではOBJ形式とPLY形式で3Dモデルのデータをダウンロードすることができます。
そのため、3Dモデル制作ソフトで開いたり、3Dプリンターで利用したりしたい人は、Google Colaboratoryを使うのがオススメです。
OpenAI がテキストから3Dを生成するモデル「 Shap-E」を発表pic.twitter.com/oJMl7zplJi
— IVAN@AR × Marketing (@van_eng622) May 6, 2023
【テキストから3Dモデル】
先日テキストから3Dモデルを生成するAI『Shap-E』が発表され、
海外の有志が体験できるデモサイトを公開してくれたので早速試してみました。https://t.co/V7SLxqazut#ナミックス #技術職 #製造業 #ものづくり #ものづくり企業 #ものづくりはかっこいい #日本のものづくり pic.twitter.com/NiWkSkJpbM— 株式会社ナミックス (@namix19870921) May 12, 2023
3Dモデルが生成できる海外のAIツール【13選】
海外では、3Dモデルが生成できるAIツールがたくさん提供されています。一般的には「AI 3D Generators(AI 3Dジェネレーター)」と表記されていることが多く、広い意味では3Dモデル生成AIを利用したツールも含むようです。
必ず生成AIが利用されているとは限らないので、生成AIと従来のAI(AIツール)の違いに気を付けながら利用してください。
また、海外サービスで出力したデータを商用利用する際は、著作権の扱いについてしっかり調べましょう。海外は著作権が曖昧なこともあるので、トラブルに巻き込まれないためにもしっかりと自衛することが大切です。
※海外サービスのため、規約をしっかり読んだうえで自己責任において利用してください。
※海外サイトでは、安易にリンク先にジャンプすると手数料などの料金が発生する場合もあります。英語が分からない場合は、翻訳ツールなどを利用するようにしましょう。
Text-to-3(文章から3Dを生成するツール)
ここでは、テキスト(文章)から3Dを生成するツールを紹介します。
Spline AI
「Spline AI」は、テキストからリアルな3Dモデルやアニメーションを作成することができます。
「赤い玄関と2つの窓がある家」や「オレンジ色の毛と白い縞模様の虎」など、わずかな言葉で簡単に3Dモデルが生成可能です。
サービス名 | Spline AI |
URL | https://spline.design/ai |
利用料金 | 基本無料 APIキャプチャを利用する場合:1回$1 |
Masterpiece Studio
「Masterpiece Studio」は、テキストから3Dモデルやアニメーションを作成することができます。
自然言語処理(NLP)技術を利用してテキストを認識するので、正確なイメージを伝えることが可能です。
サービス名 | Masterpiece Studio |
URL | https://masterpiecestudio.com/ |
利用料金 | サイト未記載 |
Meshcapade
「Meshcapade」は、テキストから高品質の3Dモデルを作成することができます。
ゲームエンジンやグラフィックアプリケーションに互換性のある3Dアバターを作成できるのがポイントです。
サービス名 | Meshcapade |
URL | https://meshcapade.com/ |
利用料金 | サイト未記載 |
Mochi
「Mochi」は、ゲームなどの3Dオブジェクト(アセット)制作を自動化するゲーム開発用プラグインです。
テキストから複雑な3Dモデルを生成できるため、ゲーム制作をスピードアップさせるツールとして期待されています。
サービス名 | Mochi |
URL | https://mochi.ai/ |
利用料金 | 基本無料 Proアカウント価格:月額$5 |
Luma AI
「Luma AI」は、テキストからフォトリアリスティックな3Dモデルを作成することができます。
3Dモデリングやプログラミングの経験がなくても、本物そっくりの3Dモデルを生成できるのが魅力です。
サービス名 | Luma AI |
URL | https://lumalabs.ai/ |
利用料金 | 基本無料 APIキャプチャを利用する場合:1回$1 |
3DFY AI
「3DFY AI」は、テキストから高品質な3Dモデルを作成することができます。
3Dモデルを低コスト・短時間で生成できるようにすることで、3Dコンテンツ制作が身近なものになることを目指しているようです。
サービス名 | 3DFY AI |
URL | https://3dfy.ai/ |
利用料金 | 1ダウンロード:$5 サブスクリプション:月額$15 |
Ponzu
「Ponzu」は、テキストから高品質で写実的な3Dモデルを作成することができます。
浮世絵・サイバーパンク・カートゥーン・水彩画など、カスタマイズ可能なペイントスタイルが魅力です。
サービス名 | Ponzu |
URL | https://ponzu.ai/ |
利用料金 | サイト未記載 |
Image-to-3D/2D-to-3D(2D・画像から3Dを生成するツール)
ここでは、画像から3Dを生成するツールを紹介します。
NeROIC
「NeROIC」は、画像から高品質な3Dモデルを作成することができます。
まだ一般向けに公開されてはいませんが、3D変換時にいろんなカスタマイズが可能となる予定です。
サービス名 | NeROIC |
URL | https://nerotic.ai/ |
利用料金 | サイト未記載 |
DPT Depth Estimation
「DPT Depth Estimation」は、1枚の画像から3Dメッシュを生成できる手法です。
シーンの奥行きを決定し、オブジェクトをパラメータ化することで、詳細で正確なメッシュを作成することができます。
サービス名 | DPT Depth Estimation |
URL | https://huggingface.co/docs/transformers/model_doc/dpt |
利用料金 | サイト未記載 |
RODIN
「RODIN」は、画像から3Dデジタルアバターを作成することができます。
写真から本物そっくりの3Dキャラクターを作ることが可能です。
サービス名 | RODIN |
URL | https://rodin.ai/ |
利用料金 | サイト未記載 |
Video-to-3D(動画から3Dを生成するツール)
ここでは、動画から3Dを生成するツールを紹介します。
Rokoko
「Rokoko」は、動画から3Dモーションを作成することができます。
3Dモデルというよりも、主に3Dモデルに使用するモーションを作るツールとなっているのでご注意ください。
サービス名 | Rokoko |
URL | https://www.rokoko.com/ |
利用料金 | 基本無料 有料プラン:月額$50 |
Deep Motion
「Deep Motion」は、動画から3Dモデルやモーションを作成することができます。
モデリングやアニメーションを行なえるので、3Dアニメーションスタジオを利用している気分になれそうです。
サービス名 | Deep Motion |
URL | https://www.deepmotion.com/ |
利用料金 | サイト未記載 |
Move.AI
「Move.AI」は、動画から3Dモデルやモーションを作成することができます。
人間の動きを認識・分析し、高い精度と忠実度でモーションを抽出可能です。
サービス名 | Move.AI |
URL | https://www.move.ai/ |
利用料金 | 基本無料 サブスクリプション:12ヶ月$450 |
discordで参加&無料の3Dモデル生成AI「CSM」
3Dモデル生成AI「CSM(Common Sense Machines)」は、画像から3Dモデルを作成できる無料サービスです。
使用するには、discordチャンネルに参加するだけでOK。discordチャンネルではコミュニティも活発で、開発者によるフィードバックや要望の対応なども行なわれています。
discordチャンネルは英語ですが日本人の利用者も多く、SNSでは制作した3Dモデルを公開している人も多いです。
また、OpenAIの「Shap-E」よりも精度の高い3Dモデルを制作できることから、ゲームエンジン「Unity」で使うキャラクターやアセットなどの制作に使う人も増えています。
頻繁にアップデートが行なわれ、利用しやすい環境が整えられているため、今後も目が離せない3Dモデル生成AIの一つとなっています。
We're thrilled to launch the CSM-Cube web app, designed to transform ANY image – be it AI-generated, concept art, or pictures – into high-resolution 3D assets.
Start using us now: https://t.co/LE3mktzCwu
We're also introducing an enhanced experimental model in this release! pic.twitter.com/M0KGQliCVv
— Common Sense Machines (@CSM_ai) July 20, 2023
「BLITZ Marketing」で炎上対策
インターネット上でコンテンツを公開する場合は、常にネット炎上リスクに備えなければなりません。
しかし、「実際にどのようなことをしたら良いのか分からない」という人も多いのではないでしょうか?
そんな時は、誹謗中傷・風評被害対策のプロフェッショナル「株式会社BLITZ Marketing(ブリッツマーケティング)」にお任せください!
BLITZ Marketingが提供している「AIブランドモニター」は、ネットの風評を24時間監視しながら、AIがネガティブな情報を自動判定することが可能。ネット炎上や悪質な風評の火種を、いち早く見つけることができます。
また、今話題の高性能AI「ChatGPT」を活用した、口コミ管理サポート機能を搭載しているのも大きなポイント。「SNSの投稿文のリスクスコア分析機能」や「Google Mapsの口コミへの返信文作成機能」を利用することができます。
ネット上に掲載する文章を作成する際は、この機能を使ってネット炎上を防止できるというわけです。
AIブランドモニターは、1ヶ月分の無料トライアルを実施しているので、気になる方は気軽に試すことができます。
誹謗中傷・風評被害対策に関しても相談無料となっているため、インターネット炎上に不安を感じている人は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
\無料トライアル実施中!/
【まとめ】今後劇的な変化がありそうな3Dモデル生成AI
「3Dモデル生成AI」は生成AIの一種で、新しい3Dモデルのオブジェクトデータを生成できるのが特徴です。
ゲームのキャラクターやアセット、メタバースのアバターなど、誰でも簡単に3Dモデルを作れるようなAIとなっています。
現在はまだ学習データ不足で完璧な精度ではないものの、文章生成AIや画像生成AIなどと同じように技術が発展途上であると言えるでしょう。
開発途中の3Dモデル生成AIに触れながら、ぜひフィードバックなどを通して発展に貢献してみてはいかがでしょうか?
投稿者プロフィール
- 誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。