大きな事件があったのにも関わらず、後を絶たない誹謗中傷。軽率な発言が人の人生を狂わせてしまうこともあり、まさに言葉の凶器とも言えます。
ある大きな事件をきっかけに、ニュースで誹謗中傷という言葉を目にすることが多くなりましたが「そもそも誹謗中傷はどのような意味なのだろうか?」と思っている人も多いと思います。
そのような方の為に、この記事では誹謗中傷の意味や簡単な概要についてまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
誹謗中傷の意味とは
元々に誹謗中傷という言葉は、「誹謗」と「中傷」という言葉から成り立っています。誹謗とは、嘘の情報や根拠のない情報で相手を罵り貶めることです。中傷とは、相手に対して嫌がらせや悪口を述べることです
これらの意味を合わせることで、誹謗中傷という言葉が出来ましたので、誹謗中傷は以下のような意味を持ちます。
誹謗中傷の意味とは?
誹謗中傷の意味とは、嘘の情報や根拠のない情報で、相手を罵り貶め、嫌がらせや悪口を言うこと。
例えば、以下のような発言は誹謗中傷に当てはまる可能性が高いと言えます。
誹謗中傷に当てはまる可能性が高いと言える具体例
- 「株式会社にいる○○さんって社内不倫しているらしい」という嘘の情報をSNSで発信された
- 「○○さんっていう人、脱税をしている」という嘘の情報をネット掲示板に書き込まれた
- 「この人に痴漢をされた」という嘘の情報を相手の顔写真と共にSNSに投稿された
- 「○○株式会社はブラック企業だ!新卒は気を付けて!」という嘘の情報をブログに投稿された
- 「ここのラーメン屋は、客の残り物を次の客に出している」という嘘の情報をレビューに書き込まれた
誹謗中傷が成立するポイントとしては「嘘の情報・根拠のない情報」であることです。上記の例が、全て本当の情報だった場合は誹謗中傷が成立しないこともあるので注意しましょう。
誹謗中傷は罪に問える可能性がある
誹謗中傷は、様々な罪に問える場合もあります。ここでは、様々な罪の中でも問われやすい罪について具体的に説明していきます。
名誉毀損罪
誹謗中傷は、名誉毀損罪に問われる可能性があります。
名誉毀損罪とは?
名誉毀損罪とは、不特定又は特定の者に対して、特定の個人の社会的評価や社会的地位を違法に落とした際に成立する罪のこと
名誉毀損罪が成立すると、民事上の損害賠償請求をされる他、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」という刑事上の責任を追及される場合があります。
名誉毀損罪は様々な罪に問われる可能性があるのですが、その中でも名誉毀損罪は比較的重い罪だと言われています。
名誉毀損罪を成立させるためには、以下の条件を満たさなければいけません。
条件
- 公然と
- 事実を摘示して
- 人の名誉を毀損している
簡潔に説明しますと「色々な人が閲覧できる場所で、具体的な情報を流し、人の名声や信用を落とした場合に名誉毀損罪が成立しますよ」ということです。
例えば、以下のような誹謗中傷は、名誉毀損罪が成立しやすいと言えます。
具体例
- 「○○さんは詐欺行為をしている」という情報をSNSに書き込まれた
- 「○○さんは時給400円のブラック企業を作っている犯人だ」という情報をネット掲示板に書き込まれた
- 「○○事件に関与しているのは、○○さんだ」という情報をブログに投稿された
「詐欺行為、時給400円のブラック企業」など、具体的な情報を書かれた際に名誉毀損罪は成立します。
侮辱罪
誹謗中傷は、侮辱罪に問われる場合もあります。
侮辱罪とは?
侮辱罪とは、事実を摘示していなかったとしても公然と人を侮辱した際に成立する罪のこと。
簡潔に説明しますと「具体的な情報を流していなかったとしても、色々な人が閲覧できる場所で人を侮辱した場合は侮辱罪が成立しますよ」ということです。
侮辱罪が成立した場合は、1日以上30日未満の間、刑事施設に拘置される「拘留」、又は1,000円以上10,000円未満の制裁金を納付する必要がある「科料」のどちらかが科されます。
以下のような誹謗中傷は、侮辱罪に当てはまる可能性が高いと言えます。
具体例
- 今年の新卒は馬鹿共しかいない
- ○○部署にいる○○さんは気持ち悪い
- ○○大学出身は、8割アホしかいない
「馬鹿、アホ」というように、具体的な情報が記載されていなかった場合に限り、侮辱罪が成立します。
誹謗中傷は慰謝料を請求することも出来る
誹謗中傷された場合は、慰謝料を請求することも出来ます。ここでは慰謝料の概要や相場について具体的に説明していきます。
慰謝料とは
慰謝料とは、以下のようなお金のことを言います。
慰謝料とは?
慰謝料とは、被害者が負った様々な苦痛に対して支払われる損害賠償金のこと。
例えば、誹謗中傷によって精神的苦痛を負ったという場合は、慰謝料を請求することが出来ます。しかし、精神的苦痛を負ったからと言って必ず慰謝料を請求することが出来るという訳ではありません。
誹謗中傷された背景から誹謗中傷の内容など、被害の程度を総合的に判断されてから結果が出されます。
慰謝料の相場
誹謗中傷された場合に請求できる慰謝料の相場は以下の通りです。
慰謝料の相場
- 一般人の場合:10~50万円
- 事業主の場合:50~100万円
- 有名人の場合:10~400万円
基本的に被害者の影響度やポジションの大きさによって、慰謝料は高額になっていきます。
誹謗中傷の被害に遭った場合の対処方法
ここでは、あなたが誹謗中傷の被害に遭ってしまった場合の対処方法について具体的に説明していきます。
証拠を集める
誹謗中傷の被害に遭ってしまった場合は、まず証拠を集めましょう。先ほど説明したように、誹謗中傷は様々な罪に問える場合や慰謝料を請求出来る場合があります。
しかし、誹謗中傷されたという証拠がなければ罪に問うことも出来ませんし、慰謝料を請求することも出来ません。
証拠を残す際は、できる限り以下の内容が明確に分かるようにしてください。
ポイント
- 誹謗中傷された内容
- アカウント名(IDも分かるとなお良い)
- 誹謗中傷された日付と時間
誹謗中傷された箇所をスマートフォンでスクリーンショットしておくというだけでも構いませんので、必ず証拠を保存しておきましょう。
弁護士に相談する
証拠を保存した場合、次は弁護士に誹謗中傷の被害に遭ったということを相談しに行きましょう。弁護士は以下のような対応を試みてくれます。
弁護士が試みてくれる対応
- 誹謗中傷された記事や投稿の削除
- 和解
- 法的手続き
弁護士に依頼する最大のメリットは、誹謗中傷の記事や投稿を確実に削除してくれるということです。
他の相談先として警察がありますが、警察は犯人逮捕には動いてくれるかもしれませんが、誹謗中傷の記事や投稿の削除には動いてくれません。
誹謗中傷された場合は、その情報の拡散を防ぐという対処を真っ先に行っていきたいため、警察に相談するのではなくまず弁護士に相談しましょう。
誹謗中傷の意味まとめ
この記事では、誹謗中傷の意味について具体的にまとめました。もう一度おさらいすると、誹謗中傷の意味は以下の通りです。
まとめ
- 誹謗中傷は「誹謗」と「中傷」からできている言葉。
- 誹謗中傷の意味とは、嘘の情報や根拠のない情報で相手を罵り貶め、嫌がらせや悪口を言うこと。
「バカ!」「気持ち悪い」といった言葉であっても、誹謗中傷が成立する場合があります。誹謗中傷で訴えられてしまった場合、400万円以上の慰謝料を請求されることもあります。
現在はSNSやWebサイトといった、自分の意見を自由に発していけるツールが揃っていますが、軽率な発言で犯罪者になることもありますので、インターネット上で発言する場合は気を付けていきましょう。
投稿者プロフィール
- 誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。
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