誹謗中傷や嫌がらせは立派な犯罪です。様々な罪に問えることもありますので、損害賠償を請求したり刑事事件として扱ったりすることも出来るのですが、それらから逃げるように誹謗中傷・嫌がらせをしたツイッターアカウントを削除する人たちも数多く存在します。
確かに誹謗中傷・嫌がらせをされたという証拠がなければ、罪に問うことは出来ませんが「ツイッターアカウントを削除されてしまったとしても、特定する方法はないのだろうか?」と思っている人も多いのではないでしょうか?
そのような方のために、この記事では削除されてしまったツイッターアカウントの特定方法とその手順について具体的にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
削除されてしまったツイッターアカウントを特定することは出来るのか?
結論から言いますと、削除されてしまったツイッターアカウントを特定することは出来ます。
しかし、削除されてしまったツイッターアカウントを特定するためには、以下の条件を満たしておかなければいけません。
条件
- ツイッターアカウントが削除される前に、誹謗中傷・嫌がらせをされたという証拠があること。
基本的には、「ツイッターで誹謗中傷・嫌がらせをされたと分かるもの」や「誹謗中傷・嫌がらせの内容が分かるもの」が有力な証拠として扱われやすい傾向にあります。
証拠に関してですが、基本的にはスマートフォンのスクリーンショットでも問題ありません。
しかし、近年は簡単に画像を加工することが出来るサービスもありますので、証拠がスクリーンショットのみですと、画像の加工を疑われてしまう場合もあります。
画像の加工を疑われないためにも、なるべく紙に印刷したりPDFで出力したりして、スクリーンショット+αで証拠を保存しておくと良いでしょう。
削除されてしまったツイッターアカウントの特定方法とその手順
ここでは、削除されてしまったツイッターアカウントを特定方法とその手順について具体的に説明していきます。
手順1:弁護士に相談する
証拠が揃っていたとしても、削除されてしまったツイッターアカウントを必ず特定することが出来るという訳ではありません。
削除されてしまったツイッターアカウントを特定することが出来るかどうか分からないという中でアカウントの特定を進めていき、成功すれば良いですが、失敗してしまうと費用と時間を無駄にしてしまう場合があります。
そのような事態を防ぐためにも、削除されてしまったツイッターアカウントを特定することは可能なのかということを、弁護士に相談してみましょう。
手順2:削除されてしまったツイッターアカウントのIPアドレスとタイムスタンプを特定する
弁護士に相談して「削除されてしまったツイッターアカウントを特定することが出来そう」という結果になった場合は、実際に削除されてしまったツイッターアカウントを特定するための行動を起こしていきましょう。
まずは、削除されてしまったツイッターアカウントのIPアドレスとタイムスタンプを特定していきます。
IPアドレスとは?タイムスタンプとは?
- IPアドレスとは、パソコンやスマートフォンなど、インターネットに接続する機器に割り振られる識別番号のこと。インターネット上の住所のような役割を担っている。
- タイムスタンプとは、様々な行動の日時・日付・時刻などが記録されている文字列。
実際にツイッターに対してIPアドレスとタイムスタンプの開示請求を行っていくのですが、IPアドレスとタイムスタンプは相手方の個人情報でもあるため、開示に応じてもらえる可能性は著しく低いと言えます。
基本的には個人や弁護士からの開示には応じてくれないと考えられますので、「発信者情報開示仮処分命令申立」という手続きを行いましょう。
「発信者情報開示仮処分命令申立」とは?
発信者情報開示仮処分命令申立とは、裁判所からツイッターに対して、IPアドレスとタイムスタンプの開示を命じてもらう手続きのこと。
「発信者情報開示仮処分命令申立」で被害者の主張が認められますと、ほとんどの場合はIPアドレスとタイムスタンプの開示請求に応じてくれます。
手順3:削除されてしまったツイッターアカウントが利用しているプロバイダを特定する
IPアドレスとタイムスタンプをツイッターから開示してもらうことが出来ましたら、次は削除されてしまったツイッターアカウントが利用しているプロバイダを特定していきましょう。
プロバイダとは?
- プロバイダとは、回線をインターネットと接続する役割を担っている接続事業者のこと。KDDIやソフトバンクなど。
近年は、IPアドレスとタイムスタンプが分かれば、無料でプロバイダを特定することが出来る「ドメイン/IPアドレス サーチ 【whois情報検索】」というサービスもあります。
このようなサービスを活用して、削除されてしまったツイッターアカウントが利用しているプロバイダを特定していきましょう。
手順4:プロバイダに対して記録の保存依頼を行う
IPアドレスとタイムスタンプ、そしてプロバイダを特定することが出来ましたら、後はプロバイダに対して契約者情報を開示されるだけなのですが、その前にプロバイダに対して記録の保存依頼を行いましょう。
「早く削除されてしまったツイッターアカウントを特定したい」という人が多いと思いますが、実はプロバイダに保存されているIPアドレスとタイムスタンプは、誹謗中傷・嫌がらせの投稿がされたから3~6ヶ月で削除されてしまうという注意点があります。
IPアドレスとタイムスタンプが削除されてしまうと、今までの努力が水の泡になってしまいますので、そうならないためにも「発信者情報消去禁止仮処分命令申立」という手続きを行いましょう。
「発信者情報消去禁止仮処分命令申立」とは?
「発信者情報消去禁止仮処分命令申立」とは、裁判所からプロバイダに対して削除されてしまったツイッターアカウントを特定するために必要な情報の削除を禁止するように命じてもらう手続きのこと。
この手続きに関しては、比較的簡単に行うことが出来、順調に行きますと2週間程度で裁判所からプロバイダに対して情報の削除禁止命令が出されます。
手順5:プロバイダに対して控訴手続きを行う
最後は、プロバイダに対して「発信者情報開示仮処分命令申立」という控訴手続きを行っていきましょう。
「発信者情報開示仮処分命令申立」とは?
発信者情報開示仮処分命令申立とは、裁判所からプロバイダに対して契約者情報を開示させる手続きのこと。
発信者情報開示請求訴訟の手続きを行うと、通常1~2ヶ月に1回の頻度で裁判が開かれ、審理が進められます。
審理とは?
- 審理とは、事実関係や法律関係について明らかにしていくこと。
このような裁判手続きですが、弁護士にすべて代行してもらうことも出来ます。全て代行してもらうとあなたが裁判に出席する機会はほとんどありませんので「裁判手続きは面倒だな」と思う人は、弁護士に代行してもらいましょう。
被害者の主張が認められますと、裁判所からプロバイダに対して契約者情報の開示を求める判決が出されます。そして、プロバイダから契約者情報の開示を受けることで、削除されてしまったツイッターアカウントを特定することが出来ます。
削除されてしまったツイッターアカウントの特定方法とその手順まとめ
この記事では、削除されてしまったツイッターアカウントの特定方法とその手順について具体的にまとめました。もう一度おさらいすると、削除されてしまったツイッターアカウントの特定方法とその手順は以下の通りです。
まとめ
- 手順1:弁護士に相談する
- 手順2:削除されてしまったツイッターアカウントのIPアドレスとタイムスタンプを特定する
- 手順3:削除されてしまったツイッターアカウントが利用しているプロバイダを特定する
- 手順4:プロバイダに対して記録の保存依頼を行う
- 手順5:プロバイダに対して控訴手続きを行う
ツイッターアカウントを削除されてしまったとしても証拠があれば、相手を特定することが出来る場合もあります。しかし、アカウントを特定することが出来るかどうかも分からない中で行動していくのは危険ですので、まずは必ず弁護士に相談しましょう。
投稿者プロフィール
- 誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。
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