5ちゃんねるは国内でも最大級の掲示板であるため、数多くの人が使用している掲示板になります。利用者が多いので様々な人の書き込みを見ることができる点は面白いですが、その反面、誹謗中傷のような他人を傷つける書き込みをするユーザーが数多く存在しているのも事実です。
また、こういった掲示板の内容はインターネットやSNSを通じて拡散されてしまう恐れもあるので、発見した場合には早急に対策する必要があります。好ましくない誹謗中傷の内容がネット上にずっと存在しているのは不快な気持ちになりますよね。そのような方の為にこの記事では5ちゃんねるのスレ削除方法についてまとめました。また、スレッド上で誹謗中傷などの書き込みをした犯人を特定する方法もお伝えするので是非、参考にして下さい。
目次
5ちゃんねるとは?
5ちゃんねるは、2ちゃんねる(2ch.net)開設者西村博之氏と2ちゃんねる(2ch.net)の権利移転を受けたジム・ワトキンス氏の間で起きた争いが発端で誕生した掲示板です。西村博之氏はこの争いを機に、新たに2ちゃんねる(2ch.sc)を開設しています。
その後、ジム・ワトキンス氏はフィリピン法人である「Loki Technology Inc」へ2ちゃんねる(2ch.net)を譲渡しました。その際にサイト名を5ちゃんねるに変更したといった経緯があります。
現在では国内最大級の規模を誇る掲示板ということで毎日多くの人が活用し、日本のインターネット社会にとってなくてはならない存在になりました。
5ちゃんねるに悪口を書かれるとどうなる?
5ちゃんねるはさまざまな書き込みが見れて面白い掲示板ではあるのですが、悪口を書かれてしまうとさまざまな部分で影響が出るという怖さがあります。具体的にどのようなリスクがあるのか見ていきましょう。
私生活に影響が出る
5ちゃんねるは国内最大級の規模を誇る掲示板です。そのため、5ちゃんねるに悪口を書かれてしまうと、内容の真偽にかかわらず多くの人がその内容を信じてしまうことが考えられます。
仮に書かれた悪口が自分には全く関係のないことだったとしても、私生活に影響が出ることもあるでしょう。例えば就職活動がうまくいかなかったり、不動産屋さんの審査に通らなかったりといった部分で影響が出る可能性もゼロではないわけです。
多くの人の目に触れる5ちゃんねるだからこそ、悪口を書かれると大きな影響を受けてしまう可能性は大いにあることを知っておきましょう。
広範囲に拡散する恐れもある
5ちゃんねるの書き込みは、2ちゃんねる(2ch.sc)へ定期的にコピーされています。ただしその仕組みは明らかになっていません。「クロールを活用しているのではないか」という意見もあります。
2ちゃんねる(2ch.sc)には、5ちゃんねると全く一緒のスレッドに書き込み内容がコピーされるようです。そのため、5ちゃんねるに悪口を書かれると一気に2ちゃんねる(2ch.sc)へ内容が広まり情報が拡散してしまう恐れがあります。
この仕組みは悪口を書き込みされた本人にとって、大きな悩みの種になることは言うまでもありません。
実際に書き込みされた例
ここからは、実際に5ちゃんねるに書き込みされた例を紹介します。
お笑い芸人「おぎやはぎ」への殺害予告
2021年2月4日、お笑い芸人「おぎやはぎ」への殺害予告の書き込みをしたとして、脅迫と威力業務妨害の疑いで男が逮捕されました。この書き込みの他にも、男はテレビ局の爆破予告や芸能人への殺害予告などもしていました。
駅でのテロ予告に関するスレッドを立てた
2017年6月29日、「渋谷駅で無差別爆破テロを起こす」などと題したスレッドを立て、偽計業務妨害罪で男性が逮捕されました。
弁護士「唐澤貴洋氏」へ殺害予告
2013年12月9日、弁護士「唐澤貴洋氏」へ殺害予告とその事務所への爆破予告を書き込んだ疑いで男性が書類送検されました。
削除要請を5ちゃんねるへ行う方法
5ちゃんねるの書き込みを削除する方法は主に3つあります。それぞれの削除方法を確認してご自身に一番適切な削除方法を実践してみて下さい。
5ちゃんねるの運営に削除申請を出す
1つ目の方法は5ちゃんねるの運営に対して直接削除申請を出す方法になります。5ちゃんねるの運営側に対してメールで削除依頼をする方法は3つあるのでそれぞれ確認していきましょう。
①メールでの削除申請
こちらは5ちゃんねるの運営側に対してメールで削除申請をする方法になります。以下のアドレスに必要事項を記入して送信しましょう。
【宛先】meiyokison@5ch.net
【件名】削除申し立て 【内容】
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上記で添付した理由や資料を基に削除の可否を判断します。そのため削除申請を依頼する理由や、理由を根拠付ける資料などは詳細に記入する必要があります。5ちゃんねるでは以下のような削除判断基準を設けているので、これらに沿った理由を明記すると良いでしょう。
名誉毀損
他人の名誉を毀損するような書き込みは削除対象になります。書き込みの内容が本人の評判を落とすような内容であるのならば名誉毀損を削除理由として伝えると良いでしょう。 プライバシーの侵害 人の名前、住所、電話番号のような個人の情報を公開している書き込みはプライバシーの侵害に当たります。個人情報などが開示されている場合はプライバシーの侵害を削除理由として伝えると良いでしょう。 平穏に生活する利益 平穏な生活を壊すような書き込みは削除対象となる書き込みになります。悪質な殺害予告や他人に危害を加えるような内容などがこれに該当します。 社会に危険性を与えるような情報 こちらも上記の「平穏に生活する利益」とほとんど同じような内容になります。「爆弾を製造する方法」や、「薬物の売買」など犯罪を彷彿させるような内容の書き込みは削除対象になります。 |
②一般の削除申請
一般の削除申請では以下のような重要削除対象のスレッドのみの削除申請を受け付けています。
- 削除ガイドラインで * のついているもの。
- 削除ガイドラインで一部 特殊な扱い になっている依頼者。
- 警察へ相談中 の方(通報前は除きます)。
上記に当てはまっていない書き込みの削除依頼は却下されるので、削除依頼をする前に書き込みの内容が上記3つのどれかに当てはまっているかどうか確認をしておきましょう。仮に上記3つのいずれかに該当していた場合は以下の手順で進めていきます。
こちらから削除申請フォームにアクセス。フォームに必要事項を記入して5ちゃんねるの運営にスレッドの削除を依頼しましょう。こちらも削除申請をする際は先ほどお伝えした削除判断基準に沿った内容で削除申請をすると削除が容認される可能性が高まります。
③削除整理板での削除申請
削除整理板は通常の削除対象のみを扱う掲示板になります。こちらからフォームにアクセスすることが出来ます。こちらも削除する際は先ほどお伝えした削除判断基準に沿った内容で削除申請をしましょう。「不快だから」「嫌いだから」といった主観的な内容だけでは削除申請が却下されてしまう可能性が高いです。
裁判所の仮処分
5ちゃんねるの運営企業である「Loki Technology Inc.」を名宛人とする裁判所の仮処分決定が出た際は、5ちゃんねるは原則として書き込み削除に応じてくれる場合が多いです。なので裁判所の仮処分通知書を先ほどの「meiyokison@5ch.net」に送付することが出来れば高確率で書き込みを削除することができます。
仮処分の判決までは2週間~3か月程度期間が必要になってくる場合があります。通常の裁判であれば半年近くかかる場合がほとんどなので、そちらと比べるとかなりスピードが早いことが分かるかと思います。弁護士に依頼をして裁判所に仮処分申し立てをする際は着手金や成果報酬金合計で60万円近くの費用が発生する場合が多いそうです。
5ちゃんねるが認めた弁護士からの請求
誹謗中傷などに関する問題は弁護士を通して法的に削除を求めるのが一般的です。しかし、弁護士に依頼をするにしてもどのような弁護士に依頼をすれば良いか分からないといった方も多いかと思います。そのような方のために、5ちゃんねるでは公式の弁護士を定めています。
この公式の弁護士は5ちゃんねるに認められた弁護士であり、この弁護士からの削除申請については原則5ちゃんねるは応じてくれます。今まで5ちゃんねるの誹謗中傷などに対応してきた弁護士になるので、通常の弁護士の方に依頼をするよりも高い可能性でスレッドを削除することができるでしょう。
書き込みをした犯人を特定する方法
上記手順でスレッドの削除に成功した場合でも、再び同じ人物によって悪意ある内容を書き込まれてしまう可能性もあります。今後同じような事態が発生することを防ぐためには犯人を特定して、しっかりと対策することが大切です。また、相手に対して損害賠償を求める際にも個人情報の特定は必要になってくるので、ここでその方法について確認していきましょう。
書き込みをした犯人を特定するためには「発信者情報開示請求」を利用する必要があります。発信者情報開示請求とは相手の電話番号や住所などの個人情報の開示を請求する方法になります。発信者情報開示請求で犯人を特定するためには以下のような流れで進んでいきます。
手順①IPアドレスの開示を依頼
発信者情報開示請求を利用して相手の個人情報を開示するためには、まずサイトの運営者にIPアドレスの開示を依頼する必要があります。IPアドレスとはインターネット上の各個人に割り振られた住所のようなものです。この場合だと5ちゃんねるの運営に対してIPアドレスの開示を依頼することになります。
手順②プロバイダを特定
5ちゃんねるの運営にIPアドレスの公開を依頼し、許可が降りた場合は次にそのIPアドレスの情報から犯人が使用しているプロバイダを特定していきます。プロバイダとはインターネットの回線を繋ぐ業者のことを指し、フレッツ光などが代表的です。
インターネットを使用している人は必ずプロバイダと契約をしています。プロバイダの使用者は住所や電話番号などの個人情報を提供しているため、プロバイダに個人情報の開示請求を依頼すれば犯人を特定することが出来る可能性が高まります。
手順③プロバイダに対して個人情報の公開請求
犯人が使用しているプロバイダを特定した後はプロバイダに対して個人情報開示の請求を行います。ここでプロバイダが犯人に対して「発信者情報開示請求の可否について」と題された書類を送り、相手から情報公開の許可が降りれば個人情報を公開することが出来ます。
以上が発信者情報開示請求を利用して個人情報の公開を請求する方法になります。相手側の許可が降りないと基本的には開示されないことが多いですが、根気強く開示請求を続けることで情報を開示してくれる場合もあるので諦めないで開示請求を続ける姿勢が大切です。
発信者情報開示請求を利用する場合は法的な知識を必要とするため、弁護士に依頼をすることが一般的です。弁護士に依頼をする際は着手金で5万円~10万円程度、成果報酬で10万円~20万円程度の料金が発生します。
損害賠償請求に成功した事例
ここでは実際に掲示板の誹謗中傷で損害賠償請求に成功した事例をご紹介します。掲示板での誹謗中傷を損害賠償で訴えることが可能なのか不安な方もいると思いますが実際に数十万円~数百万円の損害賠償請求に成功している事例もあるので是非、参考にして下さい。
損害賠償に成功した事例
事例①【元社員による誹謗中傷】
掲示板に「不当解雇」といったスレを立てて、解雇された会社に対する誹謗中傷の書き込みを元社員の方が行いました。会社側はこの書き込みに対して賠償請求の訴訟を起こし、スレを立てた本人に対して100万円の賠償請求をすることに成功しました。
事例②【医師による名誉毀損】
美容外科医が同業の男性医師に掲示板に悪口を書き込まれたため、名誉毀損で起訴。相手に対して1100万円の損害賠償を請求しました。
事例③【女性の誹謗中傷】
2003年、ある女性が掲示板に自分の容姿や異性関係について侮辱的な書き込みをされたため、管理人に対して裁判を起こしました。これにより、管理人に対して100万円の損害賠償を請求しました。
事例④【著作権侵害】
読者との対談記事を勝手に掲示板上に書き込まれた上に、記事の削除を依頼しても削除されなかったため、漫画家と出版社が提訴しました。これにより120万円の損害賠償を管理人に請求。
5ちゃんねるのスレ削除方法まとめ
この記事では5ちゃんねるのスレ削除方法についてまとめました。5ちゃんねのスレを削除するための方法は以下の3つになります。
ポイント
- 5ちゃんねるの運営に削除申請を出す
- 裁判所の仮処分で依頼をする
- 5ちゃんねるが認めた弁護士を利用する
一番最初に5ちゃんねるの運営に対して削除申請を出し、削除されなかった場合は弁護士などを通じて法的に書き込みの削除を依頼しましょう。削除を依頼した後は発信者情報開示請求を利用して書き込んだ人物を特定することも可能になってきます。
書き込んだ人物を特定できた場合、相手に対して数十万円~数百万円の損害賠償請求に成功した事例もあるので、損害賠償を請求したい場合はこの記事にまとめた「発信者情報開示請求の手順」を是非、参考にしてみて下さいね。
投稿者プロフィール
- 誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。