株式会社リブセンスが運営する、就職・転職の口コミサイト「転職会議」には、企業の社風や待遇が分かる口コミが数多く投稿されています。
口コミの中には、企業にとって都合の悪い内容のものや、事実を誤認されているもの、明らかな嫌がらせのものもあり、削除を希望する企業の声も多いです。
「転職会議の口コミは削除できる?」
「転職会議に投稿された口コミの削除方法は?」
「転職会議の口コミが削除できない場合はどうしたら良い?」
そんな疑問にお答えするために、この記事では「転職会議」に投稿された口コミが及ぼす影響、削除が可能なケース、削除方法などについて詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
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目次
転職会議に投稿された口コミが及ぼす影響
多額の出費を伴いながら求人活動をしている企業にとって、「転職会議」に投稿される悪い内容の口コミは、大きなダメージとなります。
「転職会議」の口コミが及ぼす影響を、具体的に見ていきましょう。
- 優秀な人材が集まりにくくなる
- 営業活動に失敗する
- 企業価値が下がる
1つずつ、解説します。
影響①優秀な人材が集まりにくくなる
影響の1つ目は、優秀な人材が集まりにくくなることです。
「転職会議」の会員数は700万人を超え、国内最大級の就職・転職口コミサイトと言われています。各企業の元社員・現社員による口コミが掲載されているので、多くの就職・転職希望者がこのサイトを見て、企業風土や働き方、年収を知ろうとしています。
学生就業支援センターによる調査では、学生が就職活動中に「口コミを見た」という割合は、9割を超えています。※引用:就活におけるクチコミの活用状況調査|株式会社学生就業支援センター(現:株式会社インタツアー)
口コミサイトに悪い内容が多く書かれていると、たとえ高待遇でも応募を控える人は増えるでしょう。
全体の応募者数が減るということは、必然的に優秀な人材が集まりにくくなります。
影響②営業活動に失敗する
影響の2つ目は、営業活動に失敗することです。
「転職会議」の会員登録は無料です。さらに、投稿された口コミは、社内の雰囲気を知ることができるため、就職・転職希望者以外が見ている可能性もあります。
つまり、取引開始予定の相手が「転職会議」の口コミをチェックしていることもあるのです。「離職者が多い」「システムがコロコロ変わる」などの口コミを見て、不安に感じ、取引を躊躇するということはあるでしょう。
このように、せっかく効果的な営業活動を進めても、悪い口コミによって新規取引に不安を感じられてしまうこともあるのです。
影響③企業の価値が下がる
影響の3つ目は、企業の価値が下がることです。
「転職会議」の口コミは、それを見たり共感したりした人によって、SNSや別のサイトで拡散されることもあります。
口コミの影響力はとても大きいので、人々の間に悪い風評が浸透していく可能性は大いにあるのです。
最初は「転職会議」だけに投稿されたいくつかの口コミであっても、その悪い風評が拡散され、ネット上に行き渡ることもあるでしょう。これがきっかけに商品が売れなくなったり、集客しにくくなったりすることがあり、企業の価値が下がってしまうことにつながります。
転職会議の口コミ投稿を削除することはできる?
一度投稿された「転職会議」の口コミは、削除することはできるのでしょうか?
口コミに該当する企業側と、実際に書き込んだ投稿者側に分けて、以下で解説します。
企業側が削除したい場合
企業側が「転職会議」の口コミを一方的に削除することはできません。
しかし「口コミ投稿ガイドライン」に違反するものは、申請により削除できる可能性があります。※ガイドラインに違反する口コミの具体例は後述します。
投稿者側が削除したい場合
「転職会議」に口コミを一度投稿すると、投稿者であっても削除することはできません。
投稿者が会員登録を解除した場合も、口コミが削除できないのは同様です。
しかし、修正を依頼をすることは可能です。
修正を依頼したい場合は、お問い合わせフォームより、
・投稿ID
・投稿内容(150文字以内)
・満足度(1〜5の★の数)
を入力して、送信します。
転職会議の口コミ投稿で削除が可能な具体例
「転職会議」で削除が可能なのは「口コミ投稿ガイドライン」に違反している口コミです。具体例を以下で紹介します。
- 個人を特定する投稿
「プロジェクトリーダーが○○さんのプロジェクトに参画していました」
「人事部の○○部長の下で働いていましたが…」 - 役員の私生活に関する投稿
「社長は○○に住んでいて、子どもが2人います」
「夏休みに女性社員と社長が旅行に行っていました」 - 誹謗中傷を意図する投稿
「社員全員、人間的にどうかと思う」
「経営者がさぼりすぎ。さっさと潰れてしまえ」 - 事実関係の確認が困難な投稿
「ノルマが達成しないと、殴られるという噂があるくらい体育会系です」
「多くの人が心身を病んで、退職に追い込まれています」 - 誇張した表現や、断定的な批判を含む投稿
「この会社でスキルを磨くのは到底無理」
「そろそろ逮捕者が出るくらいのブラック企業です」
上記以外にも、
・顔文字・記号・伏字などが含まれる投稿
・在籍情報に信憑性が低いと判断される投稿
・宣伝・広告・外部リンクへ誘導するような投稿
・企業からの依頼による投稿
などは、削除対象です。
一方で、企業に対して批判的であっても、事実に基づく公平な情報だと判断されれば、削除対象ではありません。
ガイドライン違反に該当する口コミの場合は、お問い合わせフォームより削除希望を申請することで、運営会社によって審査が行われます。
しかし、権利侵害にあたる投稿が削除対象となるため、必ずしも投稿が削除されるという訳ではありません。
また削除申請は、該当する企業担当者、または代理人弁護士が行う必要があります。削除代行業者などによる第三者が申請したと判断された場合は、法的な処罰の対象になるので、注意が必要です。(参考:「投稿の削除申請は、誰でもできますか?」|転職会議)
転職会議の口コミ投稿の削除方法
「お問い合わせフォーム」から削除申請をしても削除されないが、「実際に権利侵害されている」「事実と異なる口コミが投稿されている」などのケースもあるでしょう。
そういった場合の「転職会議」の口コミ削除方法は、以下の2つが考えられます。
- 内容証明郵便による削除申請
- 裁判所への送信防止措置の仮処分申立て
また、同じ投稿者による明らかな嫌がらせや、損害賠償請求を行いたいなど「投稿者を特定したい場合」もあるでしょう。
これらの場合は「投稿内容が虚偽である」という立証が必要であるため、弁護士への依頼が必要です。
以下で詳細を解説します。
削除方法①内容証明郵便による削除申請
削除方法の1つ目は、内容証明郵便による削除申請です。
「転職会議」の運営会社であるリブセンスに対し、「口コミが虚偽の内容であり権利侵害に該当する」ことを記載し、その証拠とともに内容証明郵便によって、口コミ削除を申請します。
この方法は、手軽である一方で口コミ削除の確率は低く、削除されても部分的で、口コミが掲載されている部分に「この投稿は権利者(例:企業など)の申し立てにより掲載可能な箇所のみ表示しております」という赤字表記が加わります。
つまり、該当する口コミ全体の削除を求めたい場合は、この方法は向きません。
削除方法②裁判所への送信防止措置の仮処分申立て
削除方法の2つ目は、裁判所への送信防止措置の仮処分申立てです。
送信防止措置とは
インターネット上で誹謗中傷やプライバシー侵害をされた企業・人物からの依頼があった場合、依頼されたサイト運営者やプロバイダーが書き込みを削除すること
これは「転職会議」の運営会社であるリブセンスを相手に、裁判所に送信防止措置の仮処分申立てを行い、削除を求める方法です。
この方法で裁判所に認められれば、最短1か月程で口コミ削除ができます。
主な手順は、以下の通りです。
→裁判所に仮処分申立書と証拠を提出し、仮処分命令の申立てを行う。
②裁判所で審尋を行う
→当事者双方(申立人・リブセンス側弁護士)が裁判官と直接面談して事実関係を説明する。
③裁判所による仮処分命令の発令
→申立人の主張が認められれば、仮処分命令が発令。リブセンス側に不服がなければ命令に従い、削除対応が行われる。
この方法で裁判所が仮処分命令を発令した場合は、運営会社は口コミを削除せざるを得ません。
内容証明郵便による削除申請に比べると、削除できる確率は高まり、部分削除ではなく全文削除も可能になるケースもあります。
一方で、内容証明郵便での削除方法と比べて、弁護士費用が高くなります。
また、投稿者を特定することはできません。嫌がらせなどが目的の口コミ投稿の場合は、該当の口コミ削除ができても、同じ投稿者が別の形で口コミを再度投稿するリスクがあることも、覚えておきましょう。
投稿者を特定したい場合
損害賠償請求や刑事告訴、同じ投稿者による誹謗中傷投稿を防止したい場合には、投稿者を特定する必要があります。
前述の通り、「転職会議」では一度口コミ投稿すると投稿者であっても削除することはできません。しかし、投稿者であれば投稿の修正依頼は行うことができます。
投稿者を特定したい場合の手順は、以下の通りです。
①発信者情報開示請求
→運営会社(リブセンス)に投稿者のIPアドレスとタイムスタンプの開示を求める。
②(請求に応じなかった場合)仮処分命令の申立て
→裁判所にリブセンスが開示に応じるように命じてもらう手続きを行う。
③プロバイダを特定
→裁判所からリブセンスに発信者情報の開示命令が発令され、IPアドレス・投稿日時が開示されたら、ドメイン/IPアドレスサーチサイトなどでプロバイダを特定する。
④発信者情報消去を禁じる命令の仮処分命令の申立て
→裁判所に対し、プロバイダが投稿者特定のための記録消去をしないよう命じてもらう手続きを行う。(プロバイダでは自動的に情報が消去されていくため、これを止める)
⑤プロバイダに発信者情報開示請求
→プロバイダに対し、発信者情報開示請求訴訟を行い、投稿者の氏名・住所・電話番号・メールアドレスなどの開示請求をする。
「発信者情報開示請求」の手続きは、裁判手続きが複数回必要なため、手間と労力がかかります。
投稿者特定までの期間も6ヶ月程度かかり、弁護士費用も送信防止措置の仮処分申立てより高いです。
しかし「嫌がらせによる口コミ投稿が続いているので、投稿者を特定して繰り返される被害を防ぎたい」「被害が大きいので、投稿者に損害賠償請求をしたい」といったケースの場合は、この方法が良いでしょう。
拡散された悪い口コミの対応は専門業者へ!
「転職会議」に投稿される口コミは、それを投稿した人・口コミを見た人や共感した人によって、SNSや他サイトで、さらに拡散される可能性が高いです。
特に悪い内容の口コミは、人の関心を集めやすいという性質を持っています。「こんなひどい会社がある!」「良い会社に見えたのに残念だ!」という気持ちが拡散を助長させ、影響力が増していきます。
拡散されてしまった悪い風評を鎮静化させるのは、とても時間がかかります。デジタルタトゥーとなり、永遠にネット上に残る可能性もあります。「転職会議」の口コミを削除しても、風評自体を消し去ることは難しいのです。
こういった事態を防ぐためには、日頃から自社でしっかりと風評チェックを行うことが必要になってきます。
しかし、インターネット上の膨大な情報の中で、自社の風評をチェックし続けるのは、不可能でしょう。
これを解決するのが「風評チェックの自動化」です。AIを使った自動ツールを導入することで、自社の風評チェックにかかっていたコストや人的労力をカットすることができるのです。
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まとめ
この記事では、「転職会議」に投稿された口コミが及ぼす影響、削除が可能なケース、削除方法などについて、詳しく解説しました。
「転職会議」は、社内の様子や待遇について、実際の社員の声を聞くことができるため、就職・転職を希望する利用者がとても多いです。
それが故に閲覧数も多く、良い風評も悪い風評もあっという間に拡散される可能性が高いです。
意図しない悪い風評が知らないところで拡散されて、企業に大きなダメージを与えないよう、日頃から自社の風評をチェックしておくことが必要な時代になっています。
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投稿者プロフィール
- 誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。