「企業でSNSを始めるにあたって、運用ルールって決めた方が良い?」
「SNS運用ルールはどのようなもの?」
「SNS運用ルールに入れておくべき項目は何?」
近年、TwitterやInstagramといったSNSを活用して、ユーザーとのコミュニケーションやアンケート調査、キャンペーン活動、宣伝等を実施する企業が増加傾向にあります。むしろ、SNS運用無くして認知拡大・ブランディング確立は難しいと言えるのではないでしょうか。
今回は、これから企業のSNSアカウント運用をスタートされる予定の担当者様や、すでに開始しているものの運用ルールに不安がある・トラブルを避けるために対策を打ちたいという担当者様に向けて、SNS運用ルールを設けるべき理由や種類、ルールに制定すべき項目についてご紹介します。
ぜひ参考にご覧ください。
目次
企業のSNSに運用ルールが必要な3つの理由
インターネットが生活の一部となった現代において、「今さらルールなんてなくても大丈夫!」と思われがちのSNS。しかし、多くの人々はSNS運用について学ぶ機会がなく、正しく使用できているかと問われると自信を持って首を縦に振れない人が多いのではないでしょうか。
たった1枚の画像、たった1つのつぶやきから、企業の経営が傾いてしまうことも十分あり得るのがSNSです。
そこで、SNS運用ルールを設けないことで発生する問題点に触れながら、その必要性についてご紹介していきます。
①企業を守るため
SNSの運用ルールを設ける最大の理由は、「企業を守るため」です。
SNSではユーザーとの接点が多い分、トラブルが発生してしまう可能性も格段にアップします。
実際に、『そんなつもりではなかったのに……』と意図せぬメッセージとして受け取られてしまったり、誤った情報投稿による混乱や炎上などが実際に発生しています。
このようなトラブルが発生すると、企業への信頼低下・ブランディングの低下・ユーザー離れといった影響につながり、最悪の場合、企業の存続が危ぶまれる可能性もあるでしょう。
また、マーケティング部に所属するスタッフAさんは『これくらい攻めた投稿をしないと認知度が上がらないだろう』という認識なのに対し、スタッフBさんは『この内容は炎上する可能性が高いから絶対避けるべきだ』という認識を持っていれば、他方面で様々な問題が発生すると想像がつきますね。複数人で同じアカウントを運用していく上でも、運用ルールがガイドラインとなり統制を保つことができます。
②スタッフを守るため
企業主体のSNS運用ルールだけでなく、企業に所属するスタッフが個人で運用しているSNSにも運用ルールを設ける企業もあります。例えば、まだ経験が浅く、社会的なモラルや知識が乏しい高校生・大学生のアルバイトスタッフを多く抱えているような企業では、特に気をつけたいポイントです。
近年、アルバイトスタッフがお店の食材や商品、什器等を悪用して悪ふざけをする様子をSNSに投稿し炎上する事件が多発し、信頼低下・売上減少といった被害が起こっています。
このような一連の行為を指す「バイトテロ」という造語まで作られてしまいました。
悪ふさげ投稿を行うスタッフに非があるのはもちろんですが、SNSの知識や社会経験の乏しいスタッフに対して運用ルールの研修や周知を実施するのも企業の役割だと言えるでしょう。
③SNSアカウントを守るため
SNSの運用ルールは、企業と人を守るだけでなく、投稿内容のクオリティーや、アカウントそのものを守る役割も果たします。
投稿内容のクオリティーで言うと、テキスト・画像・投稿時間・投稿方法それぞれにルールを設け、内容にブレが生じないように徹底する必要があります。
SNSアカウントを守るルールについては、禁止されている画像や言葉、推奨されている使用方法など、各プラットフォームそれぞれに独自の利用規約がありますので、その規約から外れないように気をつけ、アカウントが停止されないように気を配る必要があるでしょう。
例えばInstagramでは、アルコールやタバコ製品の販売が禁止されていたり、「#instagram」や「#like」といった知らないと付けてしまいそうなハッシュタグの使用が禁止されています。幅広い商品・商材を扱う企業は、紹介するアイテムの選別ルールも設定しなければなりません。
企業のSNS運用ルールには3つの種類がある
具体的なSNS運用ルールを決定する前に、ルールの種類についてご紹介します。
企業が設定すべきSNS運用ルールには、「社内向け」「社外向け」「個人向け」の3種類あり、このうち社内向けと社外向けはSNSを運用する上で必須と言えるでしょう。
それでは解説していきます。
①社内向けSNS運用ルール
社内向けSNS運用ルールは大きく分けて2つあり、1つはSNSを使用する際のモラルや法的な部分の指針を設定したルールで、「ソーシャルメディアポリシー」または「ソーシャルメディアガイドライン」と呼ばれます。
もう1つは、文章・画像の作成方法や管理方法、投稿方法といった、実際にSNSを運用する際のルールです。実務面でのSNS運用ルールに関しては、マーケティングとの兼ね合いも非常に重要な要素となりますので、机上の空論で進めていくのはオススメしません。ペルソナ設定等をしっかり構築した上で、管理体制を整えていきましょう。
ペルソナ設定についてはこちらで詳しく解説しています。
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②社外向けSNS運用ルール
社外向けSNS運用ルールは企業のSNS運用に関する規約を文書化したもので、こちらもソーシャルメディアポリシーと呼ばれています。
また、炎上や誹謗中傷対策のために、免責事項や禁止事項、削除方針、調停といった解説を文書にしたコミュニティガイドラインというルールを公開している企業もあります。
誹謗中傷対策については運用ルールを定める以外にもいくつか方法がありますので、普段からマーケティング会社や弁護士事務所等とパートナー契約を結んでおくと安心でしょう。
誹謗中傷対策の平均依頼価格と依頼内容についてはこちらで詳しく解説しています。
また、炎上被害や誹謗中傷被害を受け、訴訟を起こすケースもよく見られるようになりました。
訴訟に関してはこちらの記事で詳しく解説していますので、SNS運用のリスクを知るためにもぜひご一読ください。
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③個人向けSNS運用ルール
個人向けSNS運用ルールは、スタッフの個人アカウント運用に関するルールです。こちらも上記同様に「ソーシャルメディアポリシー」や「ソーシャルメディアガイドライン」と呼ばれています。
個人情報を扱う企業やスタッフを多く抱えている企業、スタッフの出入りが多い企業では、定期的な周知・研修が必要となるでしょう。
SNS等での投稿による炎上や誹謗中傷被害が発生するリスクは「レピュテーションリスク」と呼ばれ、SNS運用ルールの制定はレピュテーションリスク対策の中の1つでもあります。最近では、大手保険会社からレピュテーションリスク保険も販売されているほど注目が集まっています。
レピュテーションリスク対策についてはこちらで詳しく解説しています。
企業のSNS運用ルールに設定すべき10項目
企業のSNS運用ルールに盛り込みたい10項目をご紹介していきます。
- 個人情報保護法・プライバシーの権利
- 機密事項
- 著作権違反・知的財産権の保護
- 商標(トレードマーク等)の使用回避
- 誹謗中傷の禁止
- やらせ行為・ステマ行為等の禁止
- 悪質なソフトウェア・ツール使用の制限
- 責任元の明確化
- 傾聴の姿勢
- SNSへの理解
具体的な中身につきましては、マーケティングの専門家や法の専門家と共に制定することをオススメします。可能であれば、両方の専門家をパートナーにつけるのが望ましいでしょう。
なお、弊社BLITZ marketingは誹謗中傷対策に強みのあるマーケティング会社として、多くの企業さまとパートナーを結んでいます。検討材料の一つとして、サポート内容や料金等についてぜひお気軽にご相談ください。相談料は無料です。
①個人情報保護法・プライバシーの権利
ユーザーの個人情報を収集・保管・使用する時は、個人情報保護法とプライバシーの権利を守る旨を明記します。どういった情報が個人情報やプライバシーにあたるのか、どのような目的で使用するのか、管理体制や破棄の方法についても定めていきましょう。
ユーザーからの信頼獲得が目的です。
②機密事項
社外に口外してはいけない機密事項を、SNSやインターネット上に投稿したり、第三者に漏らしてはいけない旨を明記します。
ユーザーからの信頼獲得の他、スタッフに対する自社の対応周知を目的とします。
③著作権違反・知的財産権の保護
SNSに投稿する著作物の価値・権利が保護される旨を明記します。また、著作物を第三者が使用する許容範囲や、企業が外部の著作物を使用する際の方法・ルールについて記します。
著作権や知的財産権に基づいた運用徹底を周知し、法的措置等のトラブルを避ける目的があります。
④商標(トレードマーク等)の使用回避
企業が外部の商標を使用しない旨を明記します。商標とはトレードマークやサービスマークを指し、誰が見ても該当の企業・サービスであるとわかるマークのことです。
商標法に基づいた運用徹底を周知し、法的措置等のトラブルを避ける目的です。
⑤誹謗中傷の禁止
誹謗中傷と判断する内容を明記し、それらの行為を禁止すると制定します。誹謗中傷の線引きと、炎上時の対応方法なども、社内で話し合っておく必要があるでしょう。
目的としては、消費者から企業・スタッフ・アカウントを守る他、スタッフのSNSマナー向上も含まれます。
⑥やらせ行為・ステマ行為等の禁止
やらせ行為やステルスマーケティング(ステマ)といった、ユーザーに宣伝・広告であることを隠して宣伝活動すること・させることをしないと明記します。
ユーザーからの信頼獲得と、運営の健全性・透明性をアピールする目的です。
⑦悪質なソフトウェア・ツール使用の制限
SNSの運用に際して、ウィルスやスパイウェアといった悪質なソフトウェア及びツールは使わないと明記します。加えて、このような悪質なツールによる被害が起こったとしても、企業は一切関与していない・ほう助しないことも記しておきます。
ユーザーからの信頼獲得と、悪質なマーケティングに断固として反対するという姿勢を見せる目的です。
⑧責任元の明確化
SNSアカウントの責任元を明確にします。企業名・ブランド名で運営するアカウントだけでなく、企業主導でスタッフ名アカウントを運用する場合にも、企業に責任がある旨を明確化しておきましょう。
また、スタッフ主導で企業名の記載があるアカウントを運用する場合は「投稿内容は企業とは関係がなく、あくまで個人アカウントとしての投稿です。」といった旨を記載するよう周知徹底します。
企業が関与していないSNSアカウントで発生した問題は、企業に一切の責任がないとアピールする目的です。
⑨傾聴の姿勢
SNSアカウントの運用を通じて得たユーザーからの情報を、サービス向上に活かす旨を明記します。
ユーザーからの信頼獲得と、ファン化につなげることが目的です。
⑩SNSへの理解
SNSアカウントへ投稿する際は、投稿した情報が拡散する可能性があり、いわゆるデジタルタトゥーとして半永久的に削除できない可能性があることへの理解を明記します。
SNS上のリスクを把握し、慎重に運用を実施しているとアピールする目的です。
【まとめ】企業アカウントがあるならSNS運用ルールは必須
企業がSNSアカウントを運用する際に、制定しておきたいルールについてご紹介しました。
ユーザーと気軽にコミュニケーションが取れるSNSですが、ルールという土台を固めておかなければ、ちょっとした亀裂からどんどん崩れ落ちていき、企業の存続にも影響するツールだと言えるでしょう。
これからSNSアカウントを作られる企業の担当者様は、法的なリスクやアカウント上のリスクをリサーチした上で着実に準備を進めていくことをオススメしますし、すでにアカウントを運用しているがルールがないという企業においては、今一度SNSの在り方について社内で協議したいところです。
また、自社アカウントはないものの、本社で把握しきれないほどのアルバイトやスタッフを多く抱えている企業も、企業とスタッフを守るために、早めの対策を打たれた方が良いかと思います。
ぜひこの機会に、SNS運用ルールについて見直してみてください。
投稿者プロフィール
- 誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。
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