2020年5月に亡くなったプロレスラーの木村花さん。SNS上で誹謗中傷を受けていたことが原因で自ら命を絶ってしまったのではないかと考えられています。
今回の件では、誹謗中傷を行った男性は逮捕されずに書類送検となりましたが、逮捕される可能性も大いに考えられます。
この記事では、安易な考えで誹謗中傷を行ってしまうと、どのような罪に問われるのか。損害賠償は発生するのか。など実際の事例を交えて解説します。
本記事で分かること
- 誹謗中傷で問われる罪は？
- 書類送検されると人生はどう変わる？
- 誹謗中傷を受けた場合のどう対処したら良いか
- 誹謗中傷対策なら逆SEOがおすすめ
目次
木村花さんが受けた誹謗中傷の概要
共同生活の様子を記録するフジテレビ番組「テラスハウス」に出演していた木村花さん。番組内での言動についてSNS上で誹謗中傷を受けるなか自殺した問題で、大阪府に住む20代の男性が悪質な書き込みを繰り返したとして書類送検されました。
警視庁は遺族から相談を受けて誹謗中傷の内容を捜査。その結果大阪府に住む20代の男性が「生きている価値あるのかね」「いつ死ぬの？」などといった内容を複数回、書き込んでいたことが分かったそうです。
なぜ男性は誹謗中傷を行ったのか
警察の調べに対して、男は「木村さんが共演者に怒るシーンが放送されて以降、彼女の相手に対する態度が許せず、相手になり代わって復讐のためにやった」と供述しているという。
男性は今後どうなるのか
他の人物による中傷も数百件にのぼっており、警視庁が調べを進めていますが、木村さんを侮辱した疑いで男性を書類送検しました。
逮捕と書類送検の違いとは
「逮捕」と「書類送検」どちらも警察が犯人を捕まえた。というニュアンスで使われていますが実はそれぞれの意味は異なります。
逮捕
犯罪があったときに、容疑者の身柄を拘束すること。書類送検
逮捕していない容疑者について、検察庁に送ること。逮捕していないので、容疑者本人ではなく書類だけを送ります。そのため書類送検と言います。
書類送検されるとどうなるのか
- 検察庁からの呼び出し
- 検察官による取り調べ
- 起訴・不起訴が決まる
- 起訴されたら刑事裁判を受ける
書類送検されると上記の流れが行われます。不起訴となれば今回の刑事事件の手続きは終了し、起訴された場合は刑事裁判を受けることとなりますので、ここがターニングポイントと言えるでしょう。
そして、この書類送検が今後の人生に与える影響についてですが、「前科や前歴」を一個人や企業が調べることは難しいと考えていいでしょう。
しかし、事件の内容によっては実名報道されインターネット上に情報が残ってしまうため全く影響がないとは言い切れません。
誹謗中傷はどのような罪に問われるのか
誹謗中傷とは、事実ではないことを根拠に悪口を言いふらして、他人を傷つける行為である。
誹謗
他人を悪く言うこと。そしること。
中傷
根拠のないことを言いふらし、他人の名誉を傷つけること
アカウントを削除しても特定されるのか
木村さんが亡くなった後、Twitterではアカウントの削除やリプライが次々と削除されていきました。
その大半が特定されると困ると言った気持ちからだと思われますが、裁判所を通じてSNSの運営元にIPアドレスの開示を請求すると、アカウントを削除してもその書き込みを行った人物を特定することは可能なのです。
木村さんは、誹謗中傷の内容を画像で保存していました。このようにスクリーンショットのような簡易的なものでも問題ありませんが、場合によっては証拠画像・動画の加工を疑われてしまう場合があります。
証拠画像・動画の加工を疑われないためにも、余力がありましたら、紙に印刷したりPDFで出力するのもいいかもしれません。
誹謗中傷はどのような罪になるのか
誹謗中傷を行うと問われる可能性がある罪がこの3つ。
- 名誉毀損罪
- 侮辱罪
- 信用毀損罪
書類送検された男性は木村さんを侮辱した疑いで書類送検されましたが、侮辱罪とはどういった行為のことを指すのでしょうか。
侮辱罪とは
侮辱罪とは、誹謗中傷によって相手を見下し、はずかしめた場合に条件を満たすことで成立する犯罪です。
侮辱罪が成立しますと、1日以上30日未満の間、刑事施設に拘置される「拘留」、又は1,000円以上10,000円未満の制裁金を納付する必要がある「科料」のどちらかが科されます。
誹謗中傷は様々な罪に問えますが、その中でも侮辱罪は比較的軽い罪と言えます。しかし、比較的軽い罪だからと言って決して許されるわけではありません。
これは法律上での罰則ですが、加害者の個人情報がネットに晒されるケースも出てきています。
企業への誹謗中傷の場合
ここまで個人に対しての誹謗中傷の罪について解説しましたが、企業の場合はどうでしょうか。企業に対して誹謗中傷を行った場合も、もちろん罪に問われる可能性があります。
- 名誉毀損罪
- 業務妨害罪
- 信用毀損罪
企業に対する誹謗中傷によって企業の売上げが低下した場合などには、偽計業務妨害罪が成立する恐れがあります。偽計業務妨害罪とは、相手を騙したり虚偽を流したりして他人の業務を妨害するときに成立する犯罪です。
たとえば、「あの店では産地偽装をしている」などと虚偽の投稿をして飲食店の業務を妨害すると、業務妨害罪となります。
事例紹介
ここで、実際に起こった事例について紹介します。
SNS誹謗中傷裁判 315万円で示談
「彼女の両親自体が失敗作」「名誉男性」などと書かれたTwitterでの誹謗中傷を受けていた女優の春名風花さん。
2018年10月以降、Twitterや通信事業者に対して民事訴訟による投稿者の個人情報開示を求め、20年1月には投稿者を神奈川県警に刑事告訴。誹謗中傷を繰り返していた人物を名誉毀損と侮辱の疑いで訴えた裁判は、315万4000円での示談となった。
数年に渡り誹謗中傷をし侮辱罪で書類送検
ネットの匿名掲示板で自身や家族に対する悪質な嫌がらせを受けていた、タレント・実業家の川崎希さん。
やってもいない無銭飲食や窃盗のクレーム連絡を、本人の行ったレストランや店舗に対し入れられていたことや、妊娠発表後に「嘘つくな」「流産しろ」といったメッセージが毎日届いていたことなどを告白。
弁護士に依頼して裁判所を通じ、誹謗中傷の書き込みについて発信者情報開示請求を行い、名前と住所を特定した上で刑事告訴。女性2人が侮辱罪で書類送検されました。
誹謗中傷で高校を退学 元同級生へ慰謝料請求
2005年4月、茨城県内の高校に入学した生徒は、全校生徒の大半が閲覧する学校裏サイトに「消えろよ、虫けら」「めざわりだ。やめるの楽しみにしているよ」など書き込まれた。生徒には誰も近寄らなくなり、6月には退学に追い込まれた。
2008年、掲示板に書き込みを行った元同級生とその両親を相手取り、慰謝料200万円の訴訟を起こした。
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まとめ・誹謗中傷に困った場合は専門家へ相談を！
誹謗中傷を行うと問われる罪や誹謗中傷対策について解説しました。簡単にポイントをまとめておきましょう。
誹謗中傷を行うと問われる罪、誹謗中傷対策・まとめ！
- 誹謗中傷を行うと書類送検、逮捕される可能性がある
- 実名報道されてしまうと起訴、不起訴問わずネット上に名前が残るため今後の人生に影響を及ぼしかねない
- アカウントを削除しても誰が書き込みを行ったか特定することは可能
- 誹謗中傷で困った場合は専門家へ相談を
誹謗中傷を受けた際は一人で悩みこまずに、ぜひ1度ご相談ください。
投稿者プロフィール
- 誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。
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