正当な理由があれば裁判を起こすことも出来る誹謗中傷。実際に裁判を起こし、裁判に勝訴したことで犯人を特定し、逮捕まで繋げたという芸能人も存在します。
裁判を起こすことで損害賠償請求をすることも出来るのですが、「そもそもどのように裁判を起こせば良いのだろうか?」という疑問を抱えている芸能人も多いのではないでしょうか?
そのような芸能人のために、この記事では誹謗中傷を受けた芸能人が裁判を起こす方法とその手順について具体的にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
誹謗中傷発見から裁判を起こすまでの流れ
ここでは、誹謗中傷発見から裁判を起こすまでの流れを説明していきます。
証拠を集める
裁判を起こしたいと思っているのであれば、誹謗中傷を発見次第、すぐに証拠を保存するようにしましょう。インターネット上の情報は、簡単に投稿することが出来る反面、簡単に削除することも出来ます。
芸能人が誹謗中傷されたという証拠がなければ、裁判を起こすことが出来ません。証拠を保存するという第一ステップが裁判を起こす上で最も重要になってきますので、必ず証拠を保存するようにしましょう。
誹謗中傷された場合の証拠保全の方法は大きく分けると、以下2つに分けられます。
証拠保全の方法
- スマートフォンやパソコンでスクリーンショットする
- 紙に印刷して保存する
スマートフォンの場合は、ホームボタン又は音量ボタン+電源ボタンの同時押しでスクリーンショットすることが出来ますし、パソコンの場合はF12キーやPrintScreenキー、shiftキーやcommandキーなどを押すとスクリーンショットすることが出来ます。
しかし、証拠を保存する場合の注意点もありますので抑えておきましょう。
注意ポイント
- 必ずURLと時間が記載されているようにする
- 誹謗中傷された背景から損害状況まで、なるべく一連の流れが分かるようにしておく
自分で削除依頼を出してみる
誹謗中傷の記事や書き込みが残されたままですと、その記事や書き込みを見た第三者が他の媒体で拡散してしまうかもしれません。
そのような事態を防ぐためにも、証拠を保存しましたら、次は自分で誹謗中傷記事や書き込みの削除依頼を出してみましょう。
基本的には、以下の手順で誹謗中傷記事や書き込みの削除依頼を出すことが出来ます。
削除依頼を出す手順
【Webサイトに対して削除依頼を出す手順】
- ホームページを開く
- お問い合わせという項目を選択する
- お問い合わせフォームに必要事項を記入して送信する
- 削除依頼完了
【SNSに対して削除依頼を出す方法】
- 削除したい書き込みを見つける
- 書き込みにある「v」や「…」などという記号をクリックする
- お問い合わせ内容を記入して送信する
- 削除依頼完了
誹謗中傷記事や書き込みに対して削除依頼を出す本当の目的は、裁判を起こした場合に「削除を申し出たが応じてくれなかった」という主張をすることです。
そのような目的もありますので、ここで削除してもらえなかったからと言って、暴言やスパムのようなお問い合わせをするのは避けましょう。
お問い合わせ内容は記録に残るので、逆にあなたが不利になってしまうこともあります。
弁護士に相談・依頼する
ブログ記事や書き込みに対して削除依頼を出した場合、次は弁護士に裁判の相談・依頼をしましょう。
訴訟額が低い裁判でしたら、個人でも訴えることが出来ますが、芸能人となると手続きが複雑で難しいこともありますので弁護士に相談・依頼した方がスムーズに進むと言えます。
また、弁護士の知識や交渉力を味方につけることが出来るというメリットもあります。
示談交渉をする
弁護士に裁判の依頼をすると、本格的に裁判を起こすための準備が始めるのですが、裁判を起こす前に示談交渉の場を設けてくれます。
示談交渉を行わず裁判に持ち込んでも良いのですが、裁判を起こすと訴えた側が費用を支払わなければいけません。
また、判決が下されるまで1年近くかかることもあります。このような手間を省くためにも、裁判の前に示談交渉するのが一般的です。示談交渉が始まりましたら、まず加害者に対して慰謝料請求の通知書を送ります。
加害者がその通知に承諾できない場合は、ここで慰謝料の交渉が行われます。
民事裁判を起こす
示談交渉に応じてもらえなかった場合は、被害者と弁護士で損害賠償請求事件の民事裁判を起こす必要があります。
民事裁判に関しては、自分が住んでいる地域の裁判所で行い、請求額が140万円以下の場合は簡易裁判所で、140万円以上の場合は地方裁判所で提訴しましょう。
この裁判は、被害者の芸能人が加害者に対して損害賠償請求を行い、裁判所がその主張を認めてくれるかが争点となります。
ここで、裁判所から被害者の主張が認められれば、加害者から損害賠償金を受け取ることが出来ます。
誹謗中傷を告訴して裁判に勝訴した芸能人
ここでは、誹謗中傷を告訴して裁判に勝訴した芸能人の例を紹介していきます。
川崎希さん
川崎希さんは、主婦と医療事務員から以下のような誹謗中傷を受けていました。
寄せられた誹謗中傷
- 気持ち悪い
- 自宅に着払いで荷物を送ろう
- 流産しろ
様々な誹謗中傷をされた川崎希さんは、誹謗中傷の書き込みがされている匿名掲示板のママスタジアムに対して、法的措置をとります。
その裁判では、川崎希さんの主張が認められママスタジアムから、誹謗中傷やプライバシー侵害をしていた人たちの個人情報を開示してもらうことに成功します。
その後川崎希さんは、ママスタジアムから開示してもらった個人情報をもとに民事及び刑事で、加害者を訴え、主婦と医療事務員が書類送検されることになります。
春名風花さん
春名風花さんは、2010年にSNSを開始すると誹謗中傷が相次ぎました。誹謗中傷だけではとどまらず、殺害予告や爆破予告まで寄せられてきたこともあったといいます。
様々な誹謗中傷を受けた春名風花さんは、2018年10月15日に弁護士に誹謗中傷した加害者の特定を依頼します。
春名風花さんの母親が告訴人となり、11月21日にTwitter社に発信者情報開示請求の仮処分申し立てを行い、12月28日に開示されました。
Twitter社から開示された後、2019年の5月にプロバイダに対して発信者情報開示請求控訴を起こし、11月1日に勝訴します。
2020年の1月14日に、春名風花さんの母親が加害者に対して民事控訴を起こすと同時に、警察にも告訴状を提出します。告訴状も受理され、現在は捜査中です。
西田敏行さん
西田敏行さんを誹謗中傷する記事をブログに投稿し、拡散して、所属事務所の業務を妨害したとして偽計業務妨害容疑で40代の男女3人が書類送検されました。
加害者は2016年の5月頃からインターネット掲示板や雑誌などで情報収集を行い「西田敏行さんは、違法薬物を使い、日常的に暴力をふるっている」という内容のブログ記事をアップしました。
その後西田敏行さんの事務所は、被害届を提出し、ホームページに刑事及び民事の責任追及を進めるという告知分を提示します。その結果、40代の男女3人に加えて、60代の男と40代の男2人も書類送検されました。
誹謗中傷を受けた芸能人が裁判を起こす方法とその手順まとめ
この記事では、誹謗中傷を受けた芸能人が裁判を起こす方法とその手順についてまとめました。もう一度おさらいすると、誹謗中傷を受けた芸能人が裁判を起こす方法とその手順は以下の通りです。
まとめ
- 証拠を集める
- 自分で削除依頼を出してみる
- 弁護士に相談する
- 示談交渉を行う
- 裁判を起こす
誹謗中傷を受けて実際に裁判を起こし、その裁判に勝訴した芸能人もいます。正当な理由があれば、裁判で勝訴できるので裁判を検討している場合は、証拠を集めて弁護士に相談・依頼しに行きましょう。
投稿者プロフィール
- 誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。
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