最近、就職などの面接の際に企業の人事が面接者の情報をインターネットやSNSから収集することが増えてきました。履歴書や面接からでは知ることが出来ないような面接者の人物像を知ることができ、採用する際の参考資料になるので実施している企業も増えてきています。
インターネットやSNSの発達によって情報に簡単にアクセスすることができるようになった今、こういった個人情報の収集は就職に限らず様々な場面で行われています。特にネット上に逮捕歴や前科(犯罪歴)などの情報が載っている方の場合、「日常生活で様々な弊害が生まれるのではないか」と心配している方も多いのではないでしょうか?この記事ではそのような方の為にネット上に存在している逮捕歴や前科(犯罪歴)の削除方法についてまとめましたので是非、参考にして下さい。
逮捕歴・前科(犯罪歴)がもたらす日常生活への弊害
ネット上に逮捕歴や前科(犯罪歴)の情報が記載されていることで日常生活の様々な場面で弊害を及ぼしてしまう可能性があります。しかし、どういった場面で弊害が生じてしまうのか把握しておけば事前に対策を練ることも可能になってきます。以下に逮捕歴や前科(犯罪歴)が掲載されていることによって生じる日常生活の弊害をまとめましたので是非、対策の参考にして下さい。
就職・転職活動が不利になる
先ほども説明した通り、ネット上に逮捕歴や前科(犯罪歴)の情報が載っている場合は就職活動や転職活動で不利になる場合があります。現在は昔と違いインターネットやSNSで簡単に個人の情報を調べることができる時代になりました。面接や履歴書からだけでは分からない情報を得るために、応募者の名前をインターネットで検索したりSNSで調べたりする企業も増えてきています。その際に過去の逮捕歴や前科(犯罪歴)が表示されてしまうと採用に大きな影響を与えてしまう可能性があります。
選考段階で企業側が探りを入れることも
仮にネット上に逮捕歴や前科(犯罪歴)が載っていなかったとしても、選考段階で企業側が探りを入れることはないとは言い切れません。例えば、企業オリジナルのテンプレートの履歴書を作って「賞罰」の欄を設けて応募者に埋めるように指示すれば、それだけで応募者に逮捕歴や前科(犯罪歴)があるかどうかを企業側は判断できてしまいます。
採用担当者は面接で応募者に逮捕歴や前科(犯罪歴)があるかどうか質問すること自体は禁止されていないため、気になる場合は質問しても問題ありません。ただし、プライバシーを侵害しているということで損害賠償を請求されてしまう可能性もあるため注意しましょう。このリスクを最小限に抑えるためには、採用活動するにあたって、どうしても応募者の逮捕歴や前科(犯罪歴)を知る必要がある時にのみ質問するようにするといいでしょう。
親族に逮捕歴や前科(犯罪歴)がある人がいたらどうなる?
就職・転職活動をする自分自身ではなく、親族に逮捕歴や前科(犯罪歴)がある人がいる場合はどうなるのでしょうか。自分自身に特に問題がないのに、親族の逮捕歴や前科(犯罪歴)が理由で希望する企業に就職できないといった事態はできれば避けたいものですよね。
基本的には、企業側が応募者の親族に関する身辺調査をすることはありません。ただし企業側が噂を聞きつけた別です。場合によっては、就職・転職の選考結果に響いてしまうという可能性もゼロではありません。
職業によっては資格制限がある
前科(犯罪歴)があると、職業によっては資格制限が設けられていることがあります。例えば、公務員、裁判官、弁護士、医師、学校の先生などがあります。とはいっても、前科(犯罪歴)がある時点で先ほど紹介したような職業に就けないと100%決まったわけではありません。職業によって資格制限で欠格になる条件は異なるため、資格制限がある職業に就きたいと思っている方は該当する内容を確認しておくといいでしょう。
資格制限は、禁固刑以上の刑に処せられている場合で服役中や執行猶予中の間は該当する職業に就けなかったり、禁錮・懲役・死刑の他に罰金といった刑に処せられた場合に刑の言い渡しの効力が消えるまでだったりと様々です。欠格となる年数も職業によって異なります。
交際や結婚が困難になる
過去の逮捕歴や前科(犯罪歴)について交際相手にその情報が知れ渡ってしまい、破局を迎えてしまう場合もあります。また、結婚する場合は相手の両親にも自分を知ってもらう必要があります。勤めている会社の情報を調べている最中に過去の逮捕歴などの情報に辿り着いてしまい、結婚を了承してくれない可能性もあります。
逮捕歴や前科(犯罪歴)があるとその影響は就職や転職に留まらず、交際や結婚といったことにも影響を与えてしまうことがあるわけです。それを考えると、逮捕歴や前科(犯罪歴)が与える影響というのは実に幅広いものであることが分かりますね。
マンションやアパートが借りづらくなる
マンションやアパートを借りる際は入居者審査があります。新規で入居する人はどんな人物なのか、本当に入居させて大丈夫な人物なのかを調査されるため、ネット上に逮捕歴や前科(犯罪歴)などの情報が載っていた場合、通常の人よりも借りづらくなることが予想されます。結婚などをして物件を借りる際も過去の逮捕歴や前科(犯罪歴)の影響でなかなか借りることができないといった状況も十分に考えられますので注意しましょう。
他にも、就職・転職を機に今まで住んでいた場所を離れることもあるかもしれません。その場合も先ほどと同様に入居審査に落ちてしまい、希望する物件で新生活をスタートできない可能性があることも頭に入れておくといいでしょう。
金融機関との契約が不利になる
金融機関で融資を受ける際はその人物の信用性を事前に調査されます。過去に逮捕歴や前科(犯罪歴)があれば先ほどの不動産と同じように契約することができない可能性もあります。不動産や金融機関のような個人の信用性を事前に調べるものに関しては過去の前科(犯罪歴)が影響を与える場合があります。
家族に迷惑がかかる場合がある
逮捕歴や前科(犯罪歴)がネット上に存在していた場合、被害を受けるのは本人だけではなく、そのご家族にも大きな影響を与えます。「子供が犯罪者」といった情報が家族の周囲の人に伝われば後ろ指を差されてしまう可能性も十分にあります。また、自分の子供だけでなく親族にも迷惑をかける可能性があることも忘れてはいけません。
親族に逮捕歴や前科(犯罪歴)がある人がいると周囲にバレてしまうと、人生の大イベントである就職や転職、結婚などさまざまなことがうまく行かなくなることも頭に入れておくといいでしょう。
事実とは異なった情報が拡散される可能性がある
事実とは異なった情報がネット上に拡散されてしまうことも近年では多発しています。過去に煽り運転で話題になった人物の同乗者の情報がネット上に拡散されましたが、その人物が全くの別人であったことが判明した事件がありました。ネット上に拡散された人物はあおり運転とは全く関係のなかった人物なのですが、事実とは異なった情報がネット上に拡散されてしまい大きな被害を受けました。
このように、ネット上に事実と異なった情報が拡散されてしまう可能性も十分にあるので細心の注意を払う必要があります。
仮にこの記事を読んでいるあなたに逮捕歴・前科(犯罪歴)がなかったとしても、何らかのことが理由で誤った情報が流れてしまい、就職や結婚などに影響を与えてしまう可能性も十分あるでしょう。自分の身を守るという意味でも、日ごろからエゴサーチしておくことをおすすめします。
逮捕歴・前科(犯罪歴)の削除方法
上記の通り、ネット上に逮捕歴や前科(犯罪歴)が存在していると日常生活の様々な場面で弊害が生じてしまいます。「就職、結婚、家」と、人生の節目となるような場面で弊害を与えてしまうため、ネット上に存在している逮捕歴や前科(犯罪歴)の情報は早急に削除する必要があります。ここでは逮捕歴・前科(犯罪歴)の削除方法についてまとめましたので是非、参考にして下さい。
逮捕歴・前科(犯罪歴)を削除するための条件
ネット上に存在している逮捕歴や前科(犯罪歴)を削除するためにはまず、逮捕歴や前科(犯罪歴)が削除される条件を確認する必要があります。ネット上に存在する全ての情報が削除対象になるわけではないので注意しましょう。逮捕歴や前科(犯罪歴)が削除対象となるためには「時間の経過」「更生への取り組み」「削除の必要性」などが必要な条件として挙げられます。
時間の経過
逮捕歴や前科(犯罪歴)の削除をする場合、事件発生からどの程度の時間が経過しているのか確認する必要があります。事件が起こった場合でも、時間の経過によってその事件の社会的影響が弱まれば削除請求が認められやすくなります。どの程度の期間が必要になってくるのかという点については、事件の大きさによって変わってきますので、以下の事例を参考にしてご自身の場合と比べ合わせてみて下さい。
ポイント
- 条例違反のような小さいな事件の場合:2年程度
- 東京地方裁判所の裁判官の場合:3年程度
- 大きな事件の場合:5年~10年程度
更生への取り組み
逮捕歴・前科(犯罪歴)を削除するためには更生への取り組みをしている必要があります。実際に刑の執行を終えて社会復帰し、働いている場合や、執行猶予期間が終了しているような場合は削除される可能性が高いです。逆に刑の執行が終わっても社会復帰していないような場合は削除が認められづらくなるので注意しましょう。
削除の必要性
最後に「削除の必要性」になります。その記事がネット上に公開されていることによって受ける被害の大きさによって削除される可能性は変わってきます。ネット上に公開されることによって受けている被害が大きい場合は「削除の必要性」を満たすものになり削除請求が認められる場合があります。
上記3点が逮捕歴・前科(犯罪歴)を削除するための条件になりますので、削除依頼を出す前に一度確認しておくと良いでしょう。条件を確認した後は実際に削除依頼を出す手順に入っていきます。
Googleに削除申請を出す
削除方法として一番簡単な方法はGoogleに削除申請を出すことです。Googleに削除申請を出すこと自体は複雑な作業も必要とせず、費用もかかることはないので逮捕歴や前科(犯罪歴)を削除したい場合は一番最初にGoogleに削除申請を出すことから始めましょう。以下、手順です。
削除申請手順
1-1:こちらからGoogleのページにアクセス。
1-2:「Google 検索結果から個人情報を削除したい」をクリック
1-3:以下のような画面が表示されるので該当するものをクリック
1-4:該当するものを選択した後は各手順に従ってGoogleに削除を依頼しましょう。
注意点としてはGoogleに削除申請を送った場合でも記事が確実に削除されるわけではないということです。記事を削除する、しないはGoogleが決めるので、仮に削除申請が却下されてしまった場合は別の方法で記事の削除を行っていく必要があります。
逮捕歴・前科(犯罪歴)を削除できなかった場合の対処法
Googleに削除申請をしても記事が削除されなかった場合は別の方法を用いて記事の削除を検討する必要があります。この時点で「どうしようもない」と決して諦めたりしないでください。ここでは具体的な方法についてまとめていきたいと思います。
弁護士に依頼をする
Googleに削除申請を送り却下された場合は弁護士に依頼し、法的に削除を求めることが可能になります。裁判所から検索結果削除の処分を下して貰うことができれば法的な効力が働くため、Googleも削除に応じる可能性が高くなります。
また、弁護士に依頼する際はネットの問題解決に強い弁護士に削除を依頼しましょう。ネットの問題解決に強い弁護士であれば豊富な事例を抱えているため最適な解決策を提示してもらえる可能性が高いです。
弁護士に依頼した場合「忘れられる権利」といった権利などでも主張することができるので、法的に削除を求めることができる幅が広がります。
忘れられる権利とは?
「忘れられる権利」とはインターネット上の個人情報や誹謗中傷を削除してもらうことができる権利のことを指します。日本でも過去の裁判で「忘れられる権利」に言及した事例があり、原告(削除を求めた側)が勝訴した判決もあります。
弁護士に依頼する場合は一般的な相場として着手金で5万円~10万円、成果報酬で5万円~10万円程度の料金になります。
SEO専門家に依頼する
弁護士に依頼しても記事を削除することができなかった場合、SEOの専門家に依頼をすることで検索エンジンから過去の逮捕歴や前科(犯罪歴)の順位を押し下げることも可能です。例えば、検索ページの1ページ目にAさんについての逮捕歴や前科(犯罪歴)について記載してある記事が存在していた場合、SEO専門業者がAさんについて別の記事を量産することで逮捕歴や前科の記事の順位を相対的に押し下げる方法になります。
相対的に順位を押し下げるだけなので記事の削除のように完全にネット上から削除することはできませんが、検索エンジンの2ページ目まで順位を押し下げればほとんどのユーザーの目に触れることはありません。以下の表は検索順位クリック率を計測した表になりますが、検索エンジン1ページ目の10番目の記事のクリック率は僅か1.64%です。
【検索順位クリック率】
1位 | 21.12% |
2位 | 10.65% |
3位 | 7.57% |
4位 | 4.66% |
5位 | 3.42% |
6位 | 2.56% |
7位 | 2.69% |
8位 | 1.74% |
9位 | 1.74% |
10位 | 1.64% |
引用:https://www.internetmarketingninjas.com/additional-resources/google-ctr-white-paper.htm
そのため、2ページ目まで押し下げることができればほとんどのユーザーの目に触れることはなくなります。Googleへの削除申請や弁護士への依頼でも記事が削除できなかった場合は逆SEOを用いてユーザーの目から遠ざけることも出来るので、参考にしてみて下さい。
逮捕歴・前科(犯罪歴)の削除方法まとめ
この記事では、ネット上の逮捕歴・前科(犯罪歴)が就職など人生のライフイベントに与える影響として考えられるものと掲載情報を削除する方法、そして料金についてまとめました。逮捕歴や前科(犯罪歴)が存在することによって様々な場面で日常生活に影響を与えてしまいます。将来の結婚のことや生まれてくるお子さんのことなどを考えると、出来る限りネット上の前科(犯罪歴)は削除したいですよね。
逮捕歴・前科(犯罪歴)を削除するためにはまず、削除条件を確認する必要があります。削除条件は以下の3つでした。
逮捕歴・前科の削除条件
- 時間の経過
- 更生への取り組み
- 削除の必要性
これら3つの削除条件を満たしていることで削除される可能性が高まります。条件を確認したあとは一番初めにGoogleに削除申請を出しましょう。削除申請がGoogleから認められなかった場合は弁護士に依頼して法的に削除の依頼をすることができます。
また、弁護士に依頼をしても削除がされなかった場合はネット上の検索エンジンから該当ページの順位を押し下げる逆SEOという方法もあるので、そちらをSEOの専門業者などに依頼して逮捕歴・前科(犯罪歴)の表示対策をすることも可能になります。できるだけ就職・転職を含む様々なライフイベントを不利益を受けることなく迎えるために、まずは今できることから取り組んでみることをおすすめします。
投稿者プロフィール
- 誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。
最新の投稿
- 逆SEO対策2024年11月28日ネット風評被害の対策に効果的な逆SEOを解説
- サジェスト・関連キーワード対策2024年11月21日Google「他の人はこちらも検索」を解説|ネガティブワードの削除方法
- サジェスト・関連キーワード対策2024年11月7日Google検索の予測変換は削除できる?表示ワードの削除方法を解説
- サジェスト・関連キーワード対策2024年10月31日Googleの検索結果に表示させない方法【サイト運営初心者向け】
\ かんたん30秒で無料相談 /
お問い合わせはこちら