誹謗中傷対策

誹謗中傷を訴えるために必要な費用はいくら?訴える前にやるべきことも徹底解説

誹謗中傷は歴とした犯罪であるため、損害賠償請求を行うことも出来ます。個人で損害賠償請求を行うことは可能ですが、専門的な知識が必要なため弁護士に依頼をするのが一般的です。しかし実際に弁護士に誹謗中傷の訴えを依頼する場合、「必要な弁護士費用はいくらかかるのだろうか?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

そのような方のために、この記事では必要となってくる弁護士費用訴える前にやるべきことを具体的にまとめてみました。

誹謗中傷をされて訴える前にやるべき3つの行動

「誹謗中傷をされたため訴える」という行動を起こす前に、やるべき事があります。ここでは、訴える前にやるべき3つの行動を具体的に説明していきます。

証拠を集める

1つ目は「証拠を集める」ことです。もしもあなたが「名誉毀損・侮辱・プライバシー侵害」のいずれかの被害にあっているのであれば、それは歴とした犯罪行為なので、すぐに証拠を集めましょう。基本的には以下の3つが証拠になると言われています。

ポイント

  • 誹謗中傷をされた文面のスクリーンショット
  • Webサイト・URL
  • 加害者のプロフィールや管理者ページ

特にインターネット上で誹謗中傷をされた場合は、加害者の手によって証拠が削除されてしまう可能性もあります。削除されてしまうと証拠が残らないため「削除されたが、この人から誹謗中傷を受けた」といくら説得しても、誹謗中傷を受けたという真実を証明しづらくなってしまいます。そのような事態を防ぐためにも、スクリーンショットを行って証拠を残しておきましょう。

ただ、スクリーンショットや画像での保存は加工を疑われる可能性もあり、事実を証明するための材料としては弱くなることもあります。加工を疑われないためにも、可能であれば紙で印刷して保管しておくようにしましょう。もしも、対面で誹謗中傷を受けた場合は、音声や動画で証拠を残しておくことがベストですが、とっさに録画・録音をすることが出来なければ、メモ帳に日時と誹謗中傷を受けた内容を書き留めておきましょう。

ポイント

  • スクリーンショットや画像の保存だけでは、加工を疑われる可能性があるため、紙で印刷しておくと良い

警察に連絡をする

2つ目は「警察に連絡をする」ことです。誹謗中傷は刑事上の犯罪に当たる場合もあるため、証拠を準備して被害届を出しましょう。インターネット上で誹謗中傷を受けた場合は、立証することが難しいため、町にあるような警察署ではなく、各都道府県のサイバー犯罪相談窓口に相談するようにしましょう。

弁護士に連絡をする

3つ目は「弁護士に連絡をする」ことです。弁護士に連絡をして相談をすることで、損害賠償を請求する具体的な行動に移ります。弁護士に連絡する場合も、誹謗中傷を受けたという証拠を持参するようにしましょう。

弁護士が担当してくれる6つの内容と訴えるために必要な弁護士費用を解説

ここでは、誹謗中傷を訴えるために弁護士が行ってくれる6つの内容と必要になる弁護士費用について具体的に説明していきます。今回は「インターネット上で誹謗中傷をされた」という状況を想定して解説していきます。

相談に乗ってくれる

ポイント

  • 相談するためにかかる費用は、無料または30分で5,000円。

まず、誹謗中傷をされたことを弁護士に相談する必要があるのですが、相談料が必要になります。中には、無料で相談に乗っていただける弁護士事務所も存在しますが、一般的には30分5,000円の費用がかかってきます。

サイト管理者に対する削除請求を行ってくれる

ポイント

  • サイト管理者に対する削除請求を行うためにかかる費用は、着手金が約5~10万円、報酬金も約5~10万円。

相談に乗ってもらうことが出来て「実際に動き出しましょう」という結論になると、次は誹謗中傷の書き込みがあるWebサイトの管理者に対して、弁護士が「誹謗中傷に関する書き込みを削除してください」という依頼を行います。

「誹謗中傷を受けたという第三者から削除請求を受けた場合は、その場で削除を行えば損害賠償責任を負わなくても良いですよ」というプロバイダ責任制限法という法律があるので、基本的にはこの時点であなたに対する誹謗中傷の書き込みは削除されるはずです。

サイト管理者に対する削除請求を行うための弁護士費用は、着手金が約5~10万円、報酬金も約5~10万円かかります。

裁判所の仮処分を行ってくれる

ポイント

  • 裁判所の仮処分を行うためにかかる費用は、着手金が約20万円、報酬金が無料または約15万円。

サイト管理者に対する削除請求で書き込みを削除してくれれば良いのですが、中には書き込みの削除に応じない管理者もいます。書き込みの削除に応じない場合は、ここで初めて裁判所に仮処分の申し立てを行い、裁判所からサイト管理者に対して書き込みの削除命令を出してもらいます。

裁判所の仮処分手続きを行うための弁護士費用は、着手金が約20万円、報酬金が無料または約15万円かかります。

発信者開示請求を行ってくれる

ポイント

  • 発信者開示請求を行うためにかかる費用は、着手金が約5~10万円、報酬金が約15万円。

裁判所の仮処分手続きが終わった場合、次はあなたに対して誹謗中傷の書き込みをした犯人を特定する作業を行います。誹謗中傷の書き込みをした犯人を特定することが出来なければ、損害賠償請求や刑事告訴などを行うことが出来ません。

犯人を特定するために「どこの誰が書き込みをしているのですか?」という発信者開示請求をサイト管理者に行います。発信者開示請求を行うことで、IPアドレスといった書き込みをした人の情報を得ることが出来るため、その情報をもとに回線をインターネットに繋ぐといった役割を担う「プロバイダ」を特定していきます。

プロバイダを特定することが出来ると、犯人の氏名や住所、メールアドレスなど様々な個人情報が判明するので、あなたに対して誹謗中傷を行った犯人を特定することが出来ます。発信者開示請求を行うための弁護士費用は、着手金が約5~10万円、報酬金が約15万円かかります。

発信者開示請求の控訴を行ってくれる

ポイント

  • 発信者開示請求の控訴を行うための弁護士費用は、着手金が約20~30万円、報酬金が約15~20万円。

基本的に、発信者開示請求を受けたプロバイダは任意で情報開示を行います。任意で情報開示を行うため、中には情報を開示してくれないこともあります。もしも情報開示を行ってくれなければ、あなたを誹謗中傷した犯人の具体的な情報を得ることが出来ません。

そのような状況になってしまった場合は、犯人の情報を持っているプロバイダに対して、発信者情報開示請求の控訴を行う必要があります。控訴を行うことで裁判が始まるのですが、この裁判に勝訴すると、プロバイダは強制的に犯人の情報を開示しなければいけません。

発信者開示請求の控訴を行うための弁護士費用は、着手金が約20~30万円、報酬金が約15~20万円かかります。

損害賠償請求を行ってくれる

ポイント

  • 損害賠償請求の交渉をするための弁護士費用は、着手金が約10万円、報酬金は回収できた金額の約15%。
  • 損害賠償請求の控訴を起こす場合の弁護士費用は、着手金が約20万円、報酬金は回収できた金額の約15%。

あなたに対して誹謗中傷をした犯人を具体的に特定することが出来ましたら、最後は犯人に対して損害賠償請求や刑事告訴などを行います。基本的に損害賠償請求は、犯人に直接請求するのですが、犯人との示談交渉が上手くいかない場合は、損害賠償請求の控訴を起こしましょう。

損害賠償請求の交渉をするための弁護士費用は、着手金が約10万円、報酬金は回収できた金額の約15%になります。また、損害賠償請求の控訴を起こす場合は、着手金が約20万円、報酬金は回収できた金額の約15%になります。

誹謗中傷をされて訴えるために必要な費用まとめ

この記事では、誹謗中傷をされて訴えるために必要な弁護士費用についてまとめてみました。もう一度おさらいすると、誹謗中傷をされて訴えるために必要な弁護士費用は以下の通りです。

ポイント

  • 相談→無料または30分で5,000円
  • サイト管理者に対する削除請求→着手金が約5~10万円、報酬金も約5~10万円
  • 裁判所の仮処分→着手金が20万円前後、報酬金が無料または15万円前後
  • 発信者開示請求→着手金が約5~10万円、報酬金が約15万円
  • 発信者開示請求の控訴→着手金が約20~30万円、報酬金が約15~20万円
  • 損害賠償請求の交渉→着手金が約10万円、報酬金は回収できた金額の約15%。
  • 損害賠償請求の控訴→着手金が約20万円、報酬金は回収できた金額の約15%。

インターネット上で受けた誹謗中傷は立証が難しいため、誹謗中傷を受けた文面のスクリーンショットやWebサイト・URLなど、様々な証拠を徹底的に集めるようにしましょう。

投稿者プロフィール

デジタルリスク施策部
デジタルリスク施策部
誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。
 

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