「はてなブログ」をご存知でしょうか?現在趣味やアフィリエイト目的などでブログ運営を始める人が増えており、はてなブログは人気のあるブログサービスの1つです。
しかしユーザーの中にはブログ記事やコメントで他者を誹謗中傷する人もいます。これまでに個人情報を晒されたり、名指しで誹謗中傷されて困った経験のある人もいるのではないでしょうか。
今回ははてなブログの記事やコメントで誹謗中傷被害に遭った場合の削除依頼の手順や対処法など詳しく解説します。
目次
はてなブログはSEOに強いブログサービス
はてなブログの概要をご紹介します。
- 「株式会社はてな」が運営
- 2013年にリリースされる
- 無料版と有料版がある
「株式会社はてな」が運営
はてなブログは京都に拠点を置く「株式会社はてな」により運営されています。主にインターネットでコミュニティを作るサービスを提供しており、はてなブログをはじめ「人力検索はてな」や「はてなブックマーク」なども運営する企業です。創立は2001年と比較的新しい企業と言えます。
2013年にリリースされる
はてなブログは2013年より正式版サービスが公開された新しいブログサービスで、その前身は2003年にリリースされた「はてなダイアリー」というブログです。現在はてなブログを始めとしたユーザーは約600万人にも及ぶと言われています。
無理版と有料版がある
はてなブログには無料版と「はてなブログPro」と呼ばれる有料版があります。基本的に無料で利用することが可能であり、会員登録後にブログが開設され、テーマ設定やアフィリエイトもできるなど本格的な機能が揃っています。
一方有料版「はてなブログpro」では、ユーザー独自のドメインが持て、多くのブログカスタマイズが可能です。また複数のユーザーでブログを管理できたり、広告を非表示にできるなどより本格的な機能が装備されます。
また企業向けのブログサービスである「はてなブログMedia」や「NPO支援プログラム」「図書館支援プログラム」も展開しています。
はてなブログの特徴
続いてはてなブログの4つの特徴について見ていきましょう。
- はてなブログはSEOに強い
- はてなブックマークでより情報が拡散
- はてなブログは炎上しやすい
- 他のブログよりも誹謗中傷記事が多い
①はてなブログはSEOに強い
はてなブログの最も大きな特徴として「SEOに強い」という点が挙げられます。
はてなブログではブログ開設時に簡単にSEO設定をすることが可能です。タイトル、ディスクリプション、パンくずリストといった基本的なSEO設定ができ、レスポンシブデザインを選べばGoogleから評価され上位表示されやすいブログが作れます。
※レスポンシブデザインとはGoogleが推奨するマルチデバイスに対応するデザインです。
Amebaやライブドアブログなど無料ブログサービスの中でもはてなブログは特にSEOに強いと言われています。実際にはてなブログを検索すると上位に表示されやすく、ブロガーやアフィリエイター、著名人も利用していることは有名です。
しかし上位表示されやすいブログに誹謗中傷が書き込まれると多くの人の目に触れることになり、情報が拡散されやすいといったデメリットがあります。
②はてなブックマークで情報が拡散
はてなブックマークはユーザーが選択したブログ記事をオンライン上に保存、公開できる「ソーシャルブックマーク機能」です。ブックマーク数が多いブログ記事は人気エントリーとして公開されるため、より多くの人々が目にすることとなり情報が拡散されやすくなります。
株式会社はてなは「はてなブックマークを利用すると、インターネットの情報をより深く理解でき、良質なページをより少ない時間で見つけられます」と説明していますが、誹謗中傷が書き込まれた場合他のブログや掲示板よりも情報が拡散されるスピードが速いことは明らかです。
③はてなブログは炎上しやすい
はてなブログではアフィリエイトを行うユーザーが多いことも特徴であり、アクセス数を集めて収益を増やしたいと考えるユーザーが故意にブログを炎上させようとすることもあります。またはてなブックマークを増やしてアクセス数を集めるために、過激で攻撃的な内容のブログを書く人も多いのです。
人はポジティブな内容よりもネガティブな内容の記事やニュースに注目しやすい性質があるため、マイナスな内容のブログ記事ほど炎上しやすいと考えられます。ブログ記事を炎上させるために他人の誹謗中傷を投稿するユーザーも存在するのです。
はてなブログは特にSEOに強みがある故に、このようなユーザーが集まりやすいと言えるでしょう。
④他のブログよりも誹謗中傷が多い
はてなブログは他のブログよりも誹謗中傷記事が多いことも特徴です。これは前述したはてなブログの特徴より、アクセス数を集めようとするユーザーが集まることに起因しています。
例えば実名を出した誹謗中傷や、自分があるサービスを利用した時に不利益を受けたというクレームの内容がブログ記事にされている場合も多いのです。
またブログ記事だけでなく、そこに書き込まれるコメントも過激で攻撃的な内容のものが見られます。これまでユーザー同士がトラブルになることは後を立たず、過去には殺人事件へと発展したケースまでありました。
はてなブログの削除基準
はてなブログにおいて誹謗中傷被害を受けた場合は、多くの人の目に触れる前に早急に該当するブログ記事やコメントを削除する必要があります。しかしブログ記事やコメントを削除できるのは投稿者もしくははてなブログ運営のみで、第三者が勝手に削除することはできません。
そのためはてなブログでは「はてなブログのガイドライン」と「はてな情報削除ガイドライン」を設けています。もしブログ記事の内容がガイドラインに違反している場合は、はてなブログの運営が投稿を削除する措置を取る可能性が高いのです。
※ガイドラインによると削除対象の内容として「著作権の侵害」「虚偽の情報」「事件性のあるもの」などを挙げています。詳しくは下記のはてな削除ガイドラインをご覧下さい。
以下は削除依頼を行う際の確認事項となります。
削除依頼前に確認するページ一覧
はてなブログのユーザーは上記規約に則りブログ運営を行う必要があります。また自分の運営するブログ記事に悪質なコメントをされた場合は、コメント欄を閉鎖したり書き込みを削除するといった対応も求められています。
誹謗中傷の投稿を削除する方法
実際にはてなブログで誹謗中傷被害を受けたとき、そのブログ記事やコメントを削除する具体的な方法をご紹介します。
①はてなブログ運営に削除依頼する
以下ははてなブログ運営に誹謗中傷されたブログ記事やコメントの削除依頼を行う手順となります。
- 証拠を保全する
- はてなブログ運営に申し立てをする
- はてなブログ運営が調査を行う
- ブログ投稿者に照会手続きが行われる
証拠を保全する
まず誹謗中傷などが書き込まれたブログ記事やコメントを証拠として保全しておきましょう。スクリーンショットを撮ったり、印刷するなどの方法がおすすめです。
同時にその誹謗中傷によってどのような法的権利が侵害されたかを明確にします。法律の専門知識が必要とされる場合は専門家や弁護士に相談すると良いでしょう。
はてなブログ運営に申し立てをする
続いてはてなブログ運営対し「侵害情報の送信防止措置依頼」の申し立てを行います。送信防止措置依頼とはプロバイダ責任法に定められた法的な投稿削除依頼です。
具体的には以下の内容を記載したメールや文書(郵送・FAX)をはてなブログ運営に送ります。
記載事項と送付先
- 住所
- 氏名
- 連絡先
- 侵害情報についての各情報(誹謗中傷されたブログ記事URL・情報の内容・侵害されたとする権利・権利が侵害されたとする理由)
- 送信防止措置を希望する意思表示
- 発信者への氏名開示の可否
- 申立内容の公開の可否
【郵送の場合】
〒604-0835
京都市中京区御池通間之町東入高宮町206 御池ビル9F
【メールの場合】
cs@hatena.ne.jp
【FAXの場合】
075-241-9949
申し立ての注意点
- 送付した削除依頼内容に不備があったり、削除申立者や侵害情報の確認ができない場合、はてなブログ運営より「再申し立ての要請連絡」が来ます。申請後約1週間は、はてな運営からの連絡に注意しましょう。
- 万が一再申し立ての要請連絡を受けた場合、7日以内に再申し立てを行う必要があります。期限を過ぎると不受理となってしまうため、早急に対応しましょう。
はてなブログ運営が調査を行う
はてなブログ運営が「送信防止措置依頼の申し立て」を受理すると、該当するブログ記事やコメントがはてなブログの利用規約やガイドラインに違反しているか調査を行います。
ブログ投稿者に照会手続きが行われる
前述した調査の結果はてなブログ運営が送信防止措置が適切だと判断した場合、該当するブログ記事の投稿者にその旨が通知されます。申立者が「投稿者に氏名を伝えてもよい」と書面で同意すれば、氏名も投稿者に開示可能です。
そして該当のブログ記事は強制的にプライベートモードに設定され、他人が読むことができなくなります。その間にはてなブログ運営はまず投稿者に該当するブログ記事を削除するよう要請を行います。
投稿者に伝えられる5つの内容
- 権利が侵害されたとする情報
- 侵害されたとする権利
- 権利が侵害されたとする理由
- 送信防止措置を希望することの意思表示
- 当該通知が到達した後、7日以内にメールにて反論を行わない限り、削除等の送信防止措置を行うことの説明
万が一投稿者が申し立てに対し正当な理由がある反論をした場合、はてなブログ運営が申立者と投稿者の仲介を行い問題解決を促すことになります。また投稿者が申し立てに対して反論せず、ブログ記事の削除も行われない場合にははてなブログ運営が該当のブログ記事を削除します。
②裁判所に「投稿削除の仮処分命令の申し立て」を行う
はてなブログには利用規約や削除依頼に対する明確なガイドラインがあり、他のブログサービスと比較すると真摯に対応してくれる運営と考えられます。
しかし削除依頼を行ってもスムーズに解決しない場合もあります。例えばはてなブログ運営に申し立てを行っても当人同士の自主的な解決を勧められたり、調査の結果により受理されないこともあるでしょう。
どうしてもブログ記事やコメントを削除してほしい場合は裁判所に対して「投稿削除の仮処分命令の申し立て」を行います。この申し立てが認められれば、裁判所からはてなブログ運営に対して該当する投稿を削除する命令が下ります。
この方法は法的効力があるため確実に該当する投稿を削除できますが、高度な法的知識を要するため弁護士に依頼するのが一般的です。
はてなブログ削除依頼の注意点
はてなブログ削除依頼を行うにあたり以下の4つの点にも注意しましょう。
- 削除依頼をコメントで行うのはNG
- ブログ投稿者に照会手続きが行われる
- ブログ記事はすぐに削除されない
- 申立代行業者は利用しない
削除依頼をコメントで行うのはNG
はてなブログではユーザーがコメント欄を閉鎖しない限り、誰でも自由にコメントを書き込むことができます。しかし削除してほしい旨をコメントで書き込むのは絶対にやめましょう。
コメント欄はユーザー以外にも不特定多数から見られており、更に誹謗中傷などの情報が拡散される恐れがあるからです。
ブログ投稿者に照会手続きが行われる
前述のようにはてなブログ運営に削除依頼を行った場合、該当するブログ投稿者に照会手続きが行われます。投稿者の性格によっては憤慨し、誹謗中傷がエスカレートする可能性もあります。
このような被害拡大を防ぐためにも送信防止措置依頼を行う際は、感情的で強く批判するような文章は控え客観的な事実を丁寧な言葉で書くよう留意しましょう。
ブログ記事はすぐに削除されない
はてなブログ運営に削除依頼を行っても、該当するブログ記事やコメントがすぐに削除されるわけではありません。削除依頼の手順を踏まえると、最低でも約7日以上はかかると考慮しておきましょう。
申立代行業者は利用しない
記事削除依頼を代行すると謳う「申立代行業者」も存在しますが、このような業者は利用しないよう注意しましょう。
現在の法律では誹謗中傷記事などの削除手続き代行を行えるのは弁護士のみとなっています。
違法なブログ記事を見つけた場合は?
はてなブログで自分に対する誹謗中傷ではなく、犯行予告や虐待など生命身体に差し迫った内容のブログ記事を発見した場合は早急に110番で警察へ連絡する必要があります。
はてなブログに通報しても速やかに調査が行われず、放置すれば事件に発展する恐れがあります。警察が緊急性が高いと判断すれば、はてなブログ運営に対して即座にブログ投稿者の情報開示を求めて行動するため未然に事件を防げる可能性が高いのです。
一方緊急対応が必要でない場合、最寄りの警察署および都道府県警察「サイバー犯罪相談窓口」に相談するようにしましょう。
誹謗中傷した投稿者を訴える方法
はてなブログの該当した記事やコメントを削除できたとしても、誹謗中傷により受けた被害がはるかに大きいケースもあります。そのような場合において被害者は、誹謗中傷を行った投稿者を法的に訴えたいと考えることもあるでしょう。
損害賠償請求や告訴を行うためには「投稿者個人を特定する」ことが必要です。投稿者個人を特定するには以下のような手順を踏みます。
発信者情報開示請求を行う
発信者情報開示請求を行うとどのような内容が開示されるのでしょうか。その内容と開示請求の手順についてご説明します。
発信者情報開示請求で開示される内容
発信者情報開示請求を行うと、はてなブログ運営に発信者(投稿者)の情報を開示するように求めることができます。発信者開示請求を行い、裁判を経た後プロバイダには以下の発信者情報の開示を求めることができます。
開示される内容
- 名前
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- IPアドレス(インターネットに接続されたデバイスを特定する識別番号)
- ポート番号(コンピュータなどがデバイス提供するサービスを特定)
- インターネット接続サービス利用者識別符号
- SIMカード識別番号
- タイムスタンプ(誹謗中傷が投稿された年月日および時刻)
誹謗中傷を行った投稿者が特定できたら、裁判にて損害賠償請求や告訴などを行うことが可能です。
しかし個人が発信者情報開示請求を行っても、はてなブログ運営が個人情報開示にスムーズに応じてくれない可能性も十分あります。発信者情報開示請求を成功させるためには「法的な権利侵害が行われていること」「投稿者の個人情報を開示することに正当な理由があること」をはてなブログ運営に的確に伝えることが重要なポイントです。その後の損害賠償請求や告訴などの手続きも考慮して、専門知識のある弁護士に依頼するのがベストでしょう。
発信者情報開示の手順
それでは具体的な発信者情報開示請求の流れをご説明します。
1.発信者情報開示請求(仮処分:IPアドレス開示請求)
↓
2.裁判所を通してIPアドレスの開示決定
↓
3.IPアドレスの開示(サイト運営者)
↓※IPアドレスからプロバイダを特定
4.住所・氏名などの開示請求訴訟の提起(仮処分ではなく訴訟の提起が必要)
↓
5.裁判所が開示請求を認める
↓
6.氏名・住所などの情報開示(サイト運営者)
発信者情報開示請求の手続きを行う際に「一度の請求で発信者の全ての個人情報が特定される」と考える人は大変多いようです。
しかしIPアドレスをはじめ名前や住所など全ての開示内容を特定するには、上記のように裁判所を通した2段階の手続きが必要となります。
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※弁護士とは異なるアプローチ方法で問題解決を図ります。
【まとめ】はてなブログにおける誹謗中傷は早めの削除依頼が重要
はてなブログの概要や特徴、誹謗中傷のブログ記事やコメントを投稿された場合の削除依頼方法などについてご理解頂けましたでしょうか。
はてなブログはSEOに強いブログサービスであるが故に、誹謗中傷や風評被害が投稿された際に情報が拡散しやすいというマイナスの特徴も持っています。従って被害が拡大する前のスピーディーで的確な対応が問題解決のキーポイントとなります。
本記事のポイント
- はてなブログはSEOに強く上位表示されやすい
- アフィリエイトなどアクセス数を稼ごうとするユーザーが多い
- 誹謗中傷が起きやすい特徴がある
- 誹謗中傷記事の削除依頼には2種類の方法がある
- 違法なブログ記事を発見したら警察へ連絡する
- 誹謗中傷した投稿者を訴えるには「発信者情報開示請求」が必要
- 弊社における無料相談も実施中
投稿者プロフィール
- 誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。
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