誹謗中傷対策

誹謗中傷をされた場合に請求できる慰謝料の相場と弁護士費用の相場を徹底解説

インターネットが普及した昨今、一般人であっても誹謗中傷の被害に遭うこともあります。誹謗中傷は犯罪であるため、場合によっては慰謝料を請求することが出来ます。しかし「誹謗中傷をされた場合は、どのくらいの慰謝料を請求できるのだろうか」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?

この記事では、誹謗中傷が成立するパターン請求できる慰謝料の相場、そして慰謝料の請求にかかる弁護士費用の相場などについて具体的にまとめてみました。請求できる慰謝料の相場が分からずに悩んでいる人にとって、きっと役に立つはずなので参考にしてみてください。

そもそも誹謗中傷とは?

そもそも何をもって「誹謗中傷」と判断されるのでしょうか?まず、誹謗中傷の「誹謗」とは、嘘や根拠のない理由で相手を罵り貶めることを指します。「中傷」とは、相手に対して悪口や嫌がらせを行うことです。つまり誹謗中傷とは、嘘や根拠のない理由で、相手を罵り貶めたり悪口を言ったりと、嫌がらせをすることを指します。

例えば「あの人は何だか不潔そうだから」という雰囲気だけで「お風呂に1週間入っていない、体は洗わない人」という噂を流すだけでも、誹謗中傷になります。

誹謗中傷が成立するパターンと請求できる慰謝料の相場

では、どのような時に誹謗中傷が成立して、どのくらいの慰謝料を請求することが出来るのでしょうか?ここでは、誹謗中傷が成立するパターンと慰謝料の相場を具体的に説明していきます。

名誉毀損の場合

ポイント

  • 名誉毀損の場合は、約10~50万円が相場。
  • 事業主の場合は、約50~100万円が相場。

誹謗中傷が成立するパターンの1つ目は「名誉毀損で権利を侵害された場合」です。名誉毀損とは、第三者がいる場において、被害者の社会的評価や評判を落とすような行為を指します。例えばAさんが、会社で「Bさんは不倫しているらしい」という噂を同僚や上司に流したとしましょう。事実や証拠がなければ、Aさんの噂は嘘と言うことになります。

それと同時に、Bさんの社会的評価や評判を落としているため、今回の例を参考にすると、BさんはAさんの名誉毀損をしていると言えます。この場合に請求できる慰謝料は、Bさんが一般人であれば約10~50万円、事業主であれば約50~100万円が相場と言われています。

侮辱の場合

ポイント

  • 侮辱の場合は、約10~50万円が相場。

誹謗中傷が成立するパターンの2つ目は「侮辱で権利を侵害された場合」です。侮辱とは、相手のプライドを表す「名誉感情」というものを侵害する行為を指します。例えばAさんが、会社で「Bさんは職場で一番ブサイクだ」という攻撃的な発言をしたとしましょう。

Bさん自身が、そのようなキャラで売っているのであれば問題ありませんが、Bさんがプライドを侵害されたと感じた場合は、名誉感情を侵害した行為とみなされて、AさんはBさんに侮辱をしたと言えます。この場合に請求できる慰謝料は、約10~50万円が相場と言われています。

プライバシー侵害の場合

ポイント

  • プライバシー侵害の場合は、約10~50万円が相場。
  • 裸体の写真を許可なく公開された場合は、100万円以上の請求も可能。

誹謗中傷が成立するパターンの3つ目は「プライバシー侵害をされた場合」です。プライバシー侵害とは、本人の許可なく個人情報やプライベートに関する情報を公表する行為を指します。例えばAさんが、会社で「Bさんの年収は○○円で、ボーナスは○○円だったらしい」と友人に言いふらしたとしましょう。

Bさんが「自分の収入は他の人に言っても良いよ」と許可しているのであれば問題ありませんが、Bさんの許可無しで言いふらした場合はプライバシーの侵害に該当します。この場合に請求できる慰謝料は、約10~50万円が相場と言われています。また、裸体の写真を許可なく公開されてしまった場合は、事態の大きさにもよりますが、100万円以上の慰謝料を請求できる可能性もあります。

「影響力」によっては高額な慰謝料を請求できる場合がある

ポイント

  • 一般人の場合→約10~50万円が相場。
  • 事情主の場合→約50~100万円が相場。
  • 有名人の場合→数十万円~数百万円が相場。

これまで請求できる慰謝料の相場は、約10~50万円とお伝えしてきましたが、実は個人の「影響力」によって、慰謝料の相場は大きく異なります。まず一般人の相場は、今までお伝えしてきた通り約10~50万円です。次に事業主である場合の相場は、約50~100万円と言われています。事業主の場合は、風評被害によってお店や企業も損害を負う可能性があるため、一般人よりも相場は高くなっているのです。

最後は有名人である場合の相場ですが、数十万円~数百万円と言われています。どのくらいの影響力や知名度があるのか、芸能人なのかインフルエンサーなのかなど、様々な要因によって慰謝料は大きく変動しますが、中には400万円以上の慰謝料を請求されたという実例もあります。このように慰謝料の相場は、その人の影響力が大きければ大きいほど、高くなっていく傾向があります。

慰謝料を請求する6つの手順

誹謗中傷をされた場合は、下記6つの手順に沿って慰謝料を請求していきます。

ポイント

  • 誹謗中傷をされた証拠を押さえる
  • サイト管理会社へIPアドレスを問い合わせる
  • プロバイダを特定する
  • プロバイダに対して保存請求をする
  • プロバイダに対して発信者情報開示請求をする
  • 加害者に対して慰謝料を請求する

特に1番目の「証拠」がないと、誹謗中傷をされたという事実を証明できなくなってしまいます。スクリーンショットやレコーダーを使って、誹謗中傷に関する情報は全て保存するようにしましょう。

 

慰謝料の請求にはいくらかかる?弁護士費用の相場を解説

これまでは、慰謝料を請求できる相場について説明してきましたが、慰謝料を請求するにあたって弁護士費用はいくらかかるのでしょうか。ここでは「SNS上で誹謗中傷をされた」という場面を想定して、慰謝料を請求するために必要な弁護士費用の相場を具体的に説明していきます。

相談料

弁護士に相談するためには「相談料」が必要になります。近年は、無料相談を実施している弁護士事務所も数多く存在しますが、一般的には30分で5,000円が相場と言われています。

任意開示請求代行料

誹謗中傷をされたSNSの会社に対して、発信者情報開示請求を行う場合には「任意開示請求代行料」が必要になります。弁護士費用の相場としては、着手金で5~10万円、報酬金で5~10万円かかると言われています。中には、着手金が無料という弁護士事務所も存在します。

仮処分料

SNSの会社に対して仮処分を行う場合は「仮処分料」が必要になります。弁護士費用の相場としては、着手金で10~20万円、報酬金で15~20万円かかると言われています。

証拠保存の仮処分料

「プロバイダ」と呼ばれる、回線をインターネットに接続するといった役割を担っている事業者に対して、「ログ」のような証拠保存の仮処分を行う場合は「証拠保存の仮処分料」が必要になります。弁護士費用の相場としては、着手金で10~20万円、報酬金で10~20万円かかると言われています。こちらも弁護士事務所によっては、着手金無料で行ってくれます。

発信者情報開示請求控訴料

プロバイダに対して、発信者情報開示請求控訴を行う場合は「発信者情報開示請求控訴料」が必要になります。弁護士費用の相場としては、着手金で20~30万円、報酬金で15~20万円かかると言われています。

慰謝料請求料

加害者を特定することができて、慰謝料を請求する場合は「慰謝料請求料」が必要になります。弁護士費用の相場としては、着手金で約10万円あるいは無料、報酬金は回収できた慰謝料額の10~20%と言われています。

誹謗中傷をされた場合に請求できる慰謝料の相場まとめ

この記事では、誹謗中傷をされた場合に請求できる慰謝料の相場についてまとめてみました。もう一度おさらいすると、回収できると考えられる慰謝料の相場は以下の通りです。

ポイント

  • 一般人の場合→約10~50万円(裸体を晒された場合は100万円以上請求できる可能性もある)
  • 事業主の場合→約50~100万円
  • 有名時の場合→数十万円~数百万円(影響力によって大きく変動)

ただ、誹謗中傷をされたという証拠がなければ慰謝料を請求することは出来なくなるので、スクリーンショットやレコーダーを活用して、誹謗中傷に関する情報は全て保存しておくようにしましょう。

投稿者プロフィール

デジタルリスク施策部
デジタルリスク施策部
誹謗中傷対策とWebマーケティングに精通した専門家です。デジタルリスク対策の実績を持ち、これまでに1,000社を超えるクライアントのWebブランディング課題を解決してきました。豊富な経験と専門知識を活かし、クライアントのビジネス成功に貢献しています。
 

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