誹謗中傷と聞くと、SNSを中心に問題となっているように思う方が多いかもしれませんが、実はSNSだけではなくYouTubeやブログ欄への誹謗中傷のコメントも近年増加しています。今回は誹謗中傷のコメントが書き込まれた場合の対応を解説していきます。
本記事で分かること
- 誹謗中傷とは
- 誹謗中傷のコメントが罪に問われる可能性は
- 誹謗中傷のコメントを行って逮捕された事例
- 誹謗中傷のコメントをされた場合の対処方法
誹謗中傷とは?
誹謗中傷とは、事実ではないことを根拠に悪口を言いふらして、他人を傷つける行為のことを指します。自らそのようなコメントをしなくても再投稿などで拡散した場合も同じです。コロナ禍の影響で自宅にいる時間が増えたためか、最近ではYouTubeでの誹謗中傷のコメントが目立ってきています。
バイオリニストの高嶋ちさ子さんが、自身のインスタグラムを更新。自身のYouTubeチャンネスのコメント欄に誹謗中傷が殺到していることについて言及した。
「YouTubeを見ていただきたいですが、コメント欄の私への誹謗中傷が凄すぎて本人じゃなくてもショック受けるかもです。お気をつけください」とコメント欄が荒れていて、中には酷い書き込みもあるため読んだ人がショックを受けるのではないかと危惧した。
引用元:Asa-Jo
誹謗中傷のコメントで問われる可能性のある罪
- 名誉毀損罪
- 侮辱罪
- 信用毀損罪
- 業務妨害罪
誹謗中傷を行うと上記の罪に問われる可能性があります。
名誉毀損罪
名誉毀損罪とは、第三者が閲覧できる状態・場所で証拠を用いて判断できる情報を流し、特定の人物の社会的評価や社会的地位を違法に落とした際に成立する罪のことです。
侮辱罪
第三者が閲覧できる状態・場所で特定の人物を侮辱した際に成立する罪のことです。
SNS上での誹謗中傷は、この侮辱罪に問われる場合があります。
信用毀損罪
信用毀損罪とは、嘘の情報を流したり人を騙したりして、相手に経済的損失を負わせた場合に成立する罪のことです。
業務妨害罪
これは企業に対して誹謗中傷を行った場合に問われる可能性のある罪です。「あの店では腐った野菜を使っているらしい。」など虚偽の投稿をして飲食店の業務を妨害すると、業務妨害罪となります。
損害賠償を支払う可能性も!?
インターネットやSNSであなたから誹謗中傷を受けた人が名誉毀損にあたると判断した場合、書き込みを行ったあなたに慰謝料請求(損害賠償請求)を行うことができます。
名誉毀損の慰謝料の相場は、行為の態様や加害者・被害者の立場によって大きく異なります。例えば大きなメディア(新聞屋テレビなど)が被害者に対して業務妨害を伴う名誉毀損を行った場合は、数百万円以上の損害賠償を支払う可能性が高いです。
これに対して個人がネット上で個人を相手に名誉毀損的な投稿をした場合は、10〜50万円が相場と言われています。
しかし、同じネットでの誹謗中傷であっても被害者が事業者の場合は慰謝料が高額になりやすい傾向があります。相場として被害者が事業者であれば、50〜100万円程度になるかもしれません。
さらに事業者の場合、誹謗中傷によって売り上げが落ちるなど営業損失が発生すれば、その分の被害額も上乗せされて損害賠償請求をされます。
誹謗中傷コメントが原因で逮捕された事例
事例
店主の家族が新型コロナウイルスに感染したとの嘘の情報をインターネット上に書き込んだとして、福島県警須賀川署は27日、会社員の男性を名誉毀損(きそん)と業務妨害の疑いで逮捕し、発表しました。「職場のうわさを信じて書き込んだ」と容疑を認めているそうです。
県警によると、容疑者は4月2日~3日、インターネットの掲示板に数回にわたり、市内にある商店の店主の家族が新型コロナウイルスに感染したと虚偽の内容を書き込み、同店の名誉を傷つけ、業務を妨害した疑いがあります。同掲示板では感染者の身元を特定しようとする投稿が相次ぎ、店には無言電話や真偽を確かめる電話があったといいます。県警はIPアドレスなどから容疑者を特定しました。
誹謗中傷コメントを抑制する動きも
誹謗中傷のコメントが増加していることから大手企業のYahoo!も対策に乗り出しています。
Yahooは「Yahoo!ニュース」のコメント欄に誹謗中傷などの不適切なコメントを繰り返し投稿するアカウントが、AIによる注意メッセージの表示で13.5%減少したと発表した。
この取り組みは2020年7月から開始されたもの。パトロールに活用しているAI判定モデルを用いて“不適切である可能性が高い”と判定されたコメントを過去数日以内に複数回投稿しているユーザーに対し、コメント投稿時に注意メッセージが表示される。「Yahoo!ニュース」では専門チームが人的なパトロールを行っているほか、自社開発の「深層学習を用いた自然言語処理モデル(AI)」を利用し、誹謗中傷などの不適切な投稿を1日平均2万件削除している。今回の注意メッセージはこのAIを利用したもの。
引用元:Imress Watch
誹謗中傷コメントへの対応
誹謗中傷コメントを削除する方法は、下記の4つが考えられます。
- 無視する
- サイト運営元へ削除依頼
- 弁護士へ依頼
- 誹謗中傷専門企業へ依頼
無視する
初めて受ける誹謗中傷や実害がない誹謗中傷であれば、無視することが最適な方法です。インターネット以外でも実際に会ったことがある、コミュニケーションを取ったことがある相手からのコメントであれば、誤解が生じている可能性もあることから、DMなどで直接やりとりを行い、誹謗中傷コメントや投稿を削除してもらうようお願いしてみるのもいいでしょう。
サイト運営元への削除依頼
通常、サイトの中には問い合わせフォームが設けられています。各ページの最上部、最下部、またはサイドに「問い合わせはこちら」「コンタクト」などの名称でボタンが設置されていることが多いです。そこから問い合わせのページに移ると、入力フォームが用意されていますので、誹謗中傷の内容のコメントが掲載してあるため削除して欲しい旨の依頼を入力し、送信します。
この方法は、誹謗中傷のコメントを書き込まれた本人が自分で行うことができますし、費用もかからない一番手軽な方法です。
しかし、残念ながら個人からの削除依頼に対しては、サイト管理者が応じてくれない場合もあります。その場合は次のような方法で削除をしてもらいましょう。
弁護士へ依頼
弁護士へ依頼を行うと以下のような流れで誹謗中傷コメントの削除に向けて動いてくれます。コメントの削除について対応がなされない場合は、そのサイトの管理者に対して、削除・損害賠償を求める訴訟、誹謗中傷コメントを書き込んだ人物に対する損害賠償請求も検討が必要です。
- 投稿されたサイトの管理者等に相手のIPアドレス等の開示を請求
- IPアドレス等から相手の利用するアクセスプロバイダ(インターネット接続サービスを提供する事業者)を特定
- アクセスプロバイダに相手の個人情報の開示を請求
訴訟を起こす場合
SNSでの誹謗中傷で相手を訴えるには、民事訴訟と刑事訴訟の2つの方法があります。SNSの誹謗中傷による名誉毀損は民事上の不法行為ですが、同時に刑事上の名誉毀損罪として成立する可能性があります。
民事訴訟としては、名誉毀損で誹謗中傷投稿者に損害賠償を請求することができます。刑事的な対応としては警察に刑事告訴を行うことで進めていきます。
相談に行く前に証拠集めを
弁護士に相談に行く際に必要となるのが、「いつ・どこで・誰に・どんなことを言われた」などが分かる証拠です。その証拠があれば、相談をスムーズに行うことができますし、そのコメントが誹謗中傷に値するのかも判断してもらえます。
インターネット上での誹謗中傷を証拠として保存する方法は、
- 紙に印刷する
- スクリーンショットで画像を保存する
この2つです。どちらの方法で保存するにせよ、必ず対象ページのURLと公開された時間が記録されるようにする必要があります。
誹謗中傷専門企業へ依頼
サイト運営元へ削除依頼を行う場合や、弁護士に依頼する場合は該当するコメントが誹謗中傷に値することが前提となります。もしも、誹謗中傷のコメントではないと判断された場合はインターネット上から削除をすることは基本的に難しいこととなってしまいます。
その場合にぜひ利用していただきたいのが誹謗中傷専門企業です。文字通り「誹謗中傷」に特化した企業ですので、削除以外にもインターネット上で検索されにくくする対策や目立たないようにする対策などを提案してくれます。
無料相談実施中!誹謗中傷の対応にお悩みならこちらへ
株式会社BLITZ Marketingでは、こうした誹謗中傷のコメントなどにお困りの法人様・個人様からの無料相談を受け付けております。いただいたお悩みに対しては下記の対策で対応させていただきます。
- ネガティブ記事の対策
- サジェスト&関連キーワード対策
- SEO対策
- 口コミサイト・転職サイトの対策
- 名誉毀損・プライバシー侵害
- TwitterやFacebook等のSNS対策
お客様に納得いただいてから対策に入りますし、施策開始後も打ち合わせを行いながら進めていきますのでどんなことでもご相談ください。
まとめ・誹謗中傷コメントの対応方法
誹謗中傷のコメントに対する対応方法について解説しました。簡単にポイントをまとめておきます。
本記事のポイント
- 誹謗中傷のコメントを書き込むと逮捕される可能性がある
- 誹謗中傷のコメントを書き込むと場合によっては損賠賠償を支払わなければいけない
- 誹謗中傷のコメント削除依頼を個人で行うことは可能
- 個人で行っても効果が見込めない場合は弁護士や専門業社に依頼を
誹謗中傷のコメントの削除について第三者に相談する場合は、該当するコメントがどんな内容でいつ書き込まれたのか証拠を提示することが大切です。ですので、誹謗中傷に値するようなコメントを発見した際は迷わず保存をするようにしましょう。