誰もが簡単に今思っていることをつぶやけてしまうTwitter。しかし、その手軽さが故に簡単に人を傷つける誹謗中傷を行えてしまうことも事実です。この記事では、Twitterで誹謗中傷の被害にあった場合の対処法について詳しく解説していきます。
本記事で分かること
- 誹謗中傷された場合どのような対処を行えばいいか
- 自分自身で削除依頼をすることは可能か
- 削除の他の対応方法は
- 誹謗中傷を行った人物を特定する方法
- 慰謝料を支払ってもらうことはできるのか
Twitterは3億人が利用していて拡散力が強い
Twitterは日本国内で約4,500万人が利用している大人気のSNSです。世界に視野を広げてみると3億人もの人が利用しています。
Twitterの主な機能は1回につき140文字までのテキスト(ツイート)を投稿するといったシンプルなもの。「リツイート」と呼ばれる機能を使えば最初に発信したツイートを他のユーザーへ次々に拡散できるのがTwitterの最大の特徴です。このリツイート機能により、時として真実ではない内容や誹謗中傷もリツイート(拡散)され瞬く間に人に見られたくない内容がインターネット上に広がってしまいます。
インターネット上で行った誹謗中傷の事例
2019年8月に茨城県の常盤自動車道で男性会社員があおり運転を受けた後に殴られるという事件が起こりました。加害者の車に同乗していた女性は、加害者が暴行する様子を携帯電話で撮影しており、この時の映像がテレビ等で放送されます。
その後、サングラスや服装が似ているという理由で、無関係の女性があおり運転を行った車に同乗していた女性であるというデマがインターネット上で多く投稿・拡散され無関係の女性の実名やSNSアカウントが特定され、女性のSNSには「自首して」などの投稿が相次ぎました。
Twitterで禁止されている行為
・個人または集団に向けた暴力をほのめかす脅迫
・テロ行為または暴力的過激主義をほのめかすことや助長すること
・児童の性的搾取・特定の人物を標的とした嫌がらせに関与したり、他の人にそうするよう扇動したりすること
・人種、民族、出身地、社会的地位、性的指向、性別、性同一性、信仰している宗教、年齢、障碍、深刻な疾患を理由にして他者への暴力を助長したり、脅迫または嫌がらせを行ったりすること
・自殺や自傷行為の助長や扇動・ライブ放送、プロフィール画像、またはヘッダー画像として、過度にグロテスクな、暴力を共有する、または成人向けコンテンツを含む画像/動画を投稿すること
・非合法な目的で、または違法な活動を促進させるためにTwitterのサービスを利用すること・他のユーザーの個人情報(自宅の電話番号や住所など)を、明確な許可を受けずに公開または投稿すること
・本人の同意を得ずに撮影または配布された、私的な画像や動画の投稿
・誤解や困惑を招いたり、他者を欺いたりするような方法で、個人、グループ、組織になりすます行為
・何らかの損害につながる可能性が高い、合成または操作されたメディアを、ユーザーを欺くことを意図して共有すること引用元:Twitter公式HP
Twitterでは、これらの行為が禁止されています。名誉毀損や権利侵害など法に触れるとTwitter社から判断された内容はTwitterへ申請することにより削除される可能性があります。この禁止行為は、不特定多数が見るツイートだけではなく、個人間のやりとりのDM(ダイレクトメッセージ)やプロフィール欄にも適用されています。
Twitter社に削除申請を行う流れ
Twitter社に削除申請を行う方法は以下のとおりです。
- 削除申請を行う前に証拠を揃える
- Twitter公式HPにある「ヘルプセンター」にアクセス
- 違反報告で報告したい内容を選択(嫌がらせ・個人情報など)
- 申請フォームに情報を入力・送信
申請フォームには自身のTwitterユーザー名を記載するほか、メールアドレスや報告対象のアカウントユーザー名、該当しているコンテンツのURLを記載する欄があります。URLや報告対象のアカウント名については事前に調べておく必要がありますので、事前の準備をしっかり行いましょう。
申請フォームの最後には現在起きている問題について記述する欄があります。これに関しても内容を要約して伝えることが必要です。
この削除申請ですが、誹謗中傷ツイートの他にもアカウントの削除依頼も行うことができます。アカウントの削除依頼を行った場合、Twitter社が該当アカウントの違反の重大さや違反歴を考慮した上で機能の制限や凍結といった対応が下されます。アカウント凍結はTwitterが下す対応の中でもっとも重いペナルティとなります。
弁護士への相談も視野に
削除申請を行っても、その後の対応については全てTwitter社が判断しますので、違反を行ったてもアカウントが必ず削除(凍結)されるわけではありません。その場合の対応策として考えられるのが弁護士への相談です。弁護士は以下のような対策を取ります。
- 発信者情報開示請求
- 誹謗中傷を行った人物に対して訴訟を起こす
- 誹謗中傷を行った人物に対して慰謝料を求める
発信者情報開示請求
誹謗中傷を行ってきた人物がわからない場合にまず始めに行わなければいけないのが、発信者情報開示請求です。
開示請求は、プロバイダ責任制限法第4条に基づく情報開示請求です。これはインターネット上で他者を誹謗中傷するような行為を行なった発信者の情報(住所・氏名・登録された電話番号など)についてプロバイダに対して情報の開示を求める制度です。ちなみに、発信者情報開示の手続きは、請求を行ってから、実際に開示されるまでおよそ8ヶ月〜10ヶ月程度かかると言われています。
誹謗中傷を行った人物に対して訴訟を起こす
SNSの誹謗中傷は、いくつかの罪に問える可能性があります。
- 名誉毀損罪
- 侮辱罪
- 脅迫罪
- 信用毀損及び業務妨害罪
- 偽計業務妨害罪
- 威力業務妨害罪
名誉毀損は民事上の不法行為ですが、同時に刑事上の名誉毀損罪などの罪として成立する可能性があります。
民事訴訟としては、名誉毀損で誹謗中傷投稿者に損害賠償を請求することができます。刑事的な対応としては警察に刑事告訴を行うことで進めていきます。
誹謗中傷を行った人物に対して慰謝料を請求する
誹謗中傷をインターネット上で受けた場合、名誉毀損などにより慰謝料を請求することができます。金額は加害者・被害者の性質によって大きく異なりますが、個人より事業者のケースの方が慰謝料相場は高額になりやすいです。
- 被害者が個人の場合 10〜50万円程度
- 被害者が事業者の場合 50〜100万円程度
また事業者の場合、誹謗中傷によって売り上げが落ちてしまったなど営業損失が発生すれば、その分の被害額も計算して損害賠償請求を行うことができます。
まとめ
Twitterで受けた誹謗中傷被害に対しての対処法について解説しました。簡単にポイントをまとめておきます。
本記事のポイント
- 自分自身でTwitterの削除を依頼は可能
- Twitterで禁止されている行為に該当する場合は削除を行ってもらえる
- Twitterで一番重いペナルティはアカウントの凍結
- 弁護士に相談することで訴訟や慰謝料の請求が可能
- 誹謗中傷を行った人物がわからない場合は発信者情報開示請求を行う
今回は、Twitterで誹謗中傷を受けた場合の対処法について解説しました。気軽に発信できてしまうTwitterだからこそ発信には気をつけたいものです。Twitterによる誹謗中傷投稿に関する些細な疑問等がございましたら、弊社でもご相談承っておりますので、ぜひ活用してください。