宮城県と愛媛県で発生したビラによる誹謗中傷事件。他人を誹謗中傷するビラをバラまいたとして容疑者が逮捕されました。このように誹謗中傷の程度によっては犯罪として扱われる場合もあります。
ビラによる誹謗中傷事件が発生したことを受け、「ビラによる誹謗中傷事件の詳細を知りたい」という人や「容疑者はどのような罪で逮捕されたのか?」ということを知りたいと思っている人も多いかと思います。
そのような方のために、この記事ではビラによる誹謗中傷事件の詳細や容疑者が問われた罪の概要などについて具体的にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
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宮城県で発生したビラによる誹謗中傷事件の詳細や罪の概要
ここでは、宮城県で発生したビラによる誹謗中傷事件について具体的に説明していきます。
誹謗中傷するビラをバラまいたとして女性が名誉毀損の疑いで逮捕された事件の詳細
ここでは、宮城県で発生したビラによる誹謗中傷事件の詳細について説明していきます。
宮城県富山市で発生したビラによる誹謗中傷事件の詳細
宮城県富山市に住んでいる女性を誹謗中傷するビラをばらまいたとして、宮城野区に住む女性が名誉毀損の疑いで逮捕されました。逮捕された女性は、宮城県富山市に住む女性に対して「コロナ感染女性」というような誹謗中傷をしていたと言われています。
逮捕された女性は、2020年4月5日から4月7日にかけて、宮城県富山市に住む女性の名前や住所を取り上げ、「コロナ感染女性」と書いたビラを仙台市を初め、富山市や大和町などでバラまいたという疑いが持たれています。
警察の取り調べに対してビラをばらまいた女性は「それらの場所に行っていない」と容疑を否認しているそうです。調査によると、特定の女性を誹謗中傷するビラは、商業施設や住宅の敷地内などにバラまかれており、合計6枚のビラが見つかったとされています。
今回、誹謗中傷された女性はコロナに感染しているという事実はないと言います。
宮城野区に住む女性が罪として問われた名誉毀損罪とは?
ここでは、今回容疑者が逮捕された「名誉毀損罪」という罪について具体的に説明していきます。
名誉毀損罪とは?
名誉毀損罪とは、公然と事実を摘示して人の名誉を毀損した際に成立する罪。
簡単に説明すると「不特定多数の人が目にする状態・場所で、具体的な情報を用いながら他人の社会的評価や社会的地位を違法に落とした際に成立する罪」ということです。名誉毀損罪でポイントとなってくるのは、「事実を摘示しているか」というところです。
「事実を摘示しているか」というのは、「証拠を用いて判断できることか」とも言い換えることが出来ます。例えば、今回の事件で言うと「女性がコロナに感染している」というところがポイントになりました。
「女性がコロナに感染している」というのは、PCR検査を行えば白か黒かハッキリしますので、これは「証拠を用いて判断できること」とされます。このように「証拠を用いて判断できること」で他人を誹謗中傷した場合は、名誉毀損罪に問われる可能性があります。
名誉毀損罪が成立すると、損害賠償請求をされる他、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金という刑罰が科されます。
愛媛県で発生したビラによる誹謗中傷事件の詳細や罪の概要
ここでは、愛媛県松山市で発生したビラによる誹謗中傷事件について具体的に説明していきます。
精神障害者らを中傷すると同時に、自粛を求めたビラをポストに投じた事件の詳細
ここでは、愛媛県松山市で発生したビラによる誹謗中傷事件の詳細について説明していきます。
愛媛県松山市で発生したビラによる誹謗中傷事件の詳細
愛媛県松山市の障害福祉事業所に通う精神障害者らを中傷して、事業活動の自粛を求める内容が書かれたビラが郵便受けに投じられていたことが2020年5月17日に分かりました。
同じ松山市にある精神科病院で新型コロナウイルスのクラスターが発生したことを受け、今回の事件が発生したと言われています。
障害福祉事業所を運営しているNPO法人によると、ビラには新型コロナ感染が確認されている松山市の病院に触れた上、「精神病棟のようになってからでは遅いのでやめて」「この地域が世間様から非難されるのはごめんです」という言葉が書かれていたとされています。
場合によっては侮辱罪に問われる可能性がある
愛媛県松山市で発生したビラによる誹謗中傷事件では、逮捕はされていませんが場合によっては「侮辱罪」に問われることがあります。
侮辱とは?
侮辱罪とは、事実を摘示していないとしても公然と人を侮辱した際に成立する罪のこと。
簡単に説明すると「名誉毀損罪のように証拠を用いて判断することが出来ない誹謗中傷だとしても、不特定多数の人が目にする場所・状態で、他人を侮辱した際に成立する罪」ということです。侮辱罪でポイントとなってくるのは「事実を摘示していないとしても」というところです。
名誉毀損罪として相手を罪に問う場合は、事実を摘示している(証拠を用いて判断することが出来る誹謗中傷)必要があったのですが、侮辱罪の場合は事実を摘示していなかった(証拠を用いて判断することが出来ない誹謗中傷)としても罪が問うことが出来ます。
侮辱罪は、比較的軽い罪だと言われていますが、罪が成立すると「1日以上30日未満の間、刑事施設に拘置される拘留」「1,000円以上10,000円未満の制裁金を納付する必要がある科料」のどちらかが科されます。
ビラによる誹謗中傷事件からは「誹謗中傷は罪になる」ということを学ぶことが出来る
今回、宮城県と愛媛県で発生したビラによる誹謗中傷事件を紹介してきましたが、2つの事件から学べることがあります。
2つの事件から学べることは「誹謗中傷は罪に問われる場合がある」ということです。今回は名誉毀損罪という罪で容疑者が逮捕されましたが、誹謗中傷の内容によっては以下のような罪に問われる可能性があります。
誹謗中傷で問われる可能性がある罪の種類
- 侮辱罪
- 信用毀損罪
- 脅迫罪
- 威力業務妨害罪
例えば「○○病院はコロナ感染者を隠している」という嘘の情報を流し、病院の経営に悪影響を及ぼした場合は「信用毀損罪」に問われることがありますし、「○○病院にはコロナ感染者がいる!今すぐ殺してやる」というような誹謗中傷をした場合は「脅迫罪」に問われることがあります。
ビラに限らずSNSやネット掲示板で誹謗中傷した場合でも、罪に問われることがあるので注意しましょう。
誹謗中傷をすると100万円以上の損害賠償金を請求される場合がある
今回、「誹謗中傷は罪に問われる」ということを中心に説明してきましたが、実は罪に問われるだけではなく、損害賠償請求をされることもあります。
損害賠償請求とは?
損害賠償請求とは、相手が違法な手段を用いた結果、被害者が損害を受けた場合、その損害に対して金銭的補償を求めることが出来る制度のこと。
「誹謗中傷した際は○○万円の損害賠償金を支払わなければいけない」というルールは定められていませんが、一般的に損害賠償金の相場は以下のようになっています。
損害賠償金の相場
- 被害者が一般人の場合→10~50万円
- 被害者が事業主の場合→50~100万円
- 被害者が有名人である場合→100万円以上
被害を受けた人の影響度によって、支払わなければいけない損害賠償金の相場は変わってきます。中には、400万円以上の損害賠償金を支払うよう命じられたという事例も存在しますので、注意しましょう。
ビラによる誹謗中傷事件の詳細や容疑者が問われた罪まとめ
この記事では、ビラによる誹謗中傷事件の詳細や容疑者問われた罪について具体的にまとめました。もう一度おさらいすると、ビラによる誹謗中傷事件の詳細や容疑者が問われた罪は以下の通りです。
ビラによる誹謗中傷事件の詳細や容疑者が問われた罪まとめ
- 宮城県富山市に住んでいる女性を誹謗中傷するビラをバラまいたとして、宮城野区に住む女性が名誉毀損の疑いで逮捕された。
- 愛媛県松山市の障害福祉事業所に通う精神障害者らを中傷して、事業活動の自粛を求める内容が書かれたビラが郵便受けに投じられていたことが2020年5月17日に分かった。→場合によっては、侮辱罪に問われる可能性がある。
誹謗中傷は他人の悪口を言った時点で成立します。また、誹謗中傷の程度によっては罪に問われる場合や損害賠償請求をされる場合があるので、発言をする際は注意しましょう。