SNS上で送られてきた様々な誹謗中傷が原因で、命を絶たれてしまった木村花さん。インターネットやSNSが普及したことで、SNS上の誹謗中傷被害が増えつつあります。
SNS上の誹謗中傷が増えつつある中で「木村花さんをSNSで誹謗中傷した人たちは、どのような罪に問われるのだろうか?」という疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか?
そのような方のために、この記事では木村花さんをSNSで誹謗中傷した人たちは、どのような罪に問われる可能性があるのかということについて具体的にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
木村花さんをSNS上で誹謗中傷した人はどのような罪に問われるのか?
木村花さんをSNS上で誹謗中傷した人たちは、どのような罪に問われるのでしょうか?
ここでは、木村花さんをSNS上で誹謗中傷した人たちが問われると考えられる4つの罪について具体的に説明していきます。
名誉毀損罪
木村花さんをSNS上で誹謗中傷した人たちは、名誉毀損罪に問われる可能性が高いと言えます。
名誉毀損罪とは?
名誉毀損罪とは、不特定又は多数の者に対して、特定の人物の信用や名誉などといった、社会的地位・社会的評価を違法に落とした場合に成立する罪のこと。
SNS上の誹謗中傷は様々な罪に問われる可能性があるのですが、名誉毀損罪は最も問われやすい罪であると言われています。
名誉毀損罪が成立しますと、民事上の損害賠償請求をされると同時に「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」という刑事上の責任を追及される場合があります。
名誉毀損罪が成立する条件は以下の通りです。
名誉毀損罪が成立する条件とは?
- 公然と
- 事実を摘示して
- 人の名誉を毀損している
簡潔に説明しますと「多くの人が閲覧できる状態でありながら、具体的な情報を用いて、人の名誉を傷つけた場合に名誉毀損罪が成立する」ということです。
例えばSNSで「○○さんは不倫をしている」「○○さんは詐欺をしている」というような投稿をされてしまい、被害者の社会的地位や社会的評価が落ちてしまった場合は、名誉毀損罪が成立する可能性が高いと言えます。
侮辱罪
木村花さんをSNS上で誹謗中傷した人たちは、侮辱罪に問われる可能性が高いと言えます。
侮辱罪とは?
侮辱罪とは、相手のことをバカにしてはずかしめた際に成立する罪のこと
侮辱罪は、名誉毀損罪と比べると軽い罪と言われていますが、この罪が成立した場合は1日以上30日未満の間、刑事施設に拘置される「拘留」、又は1,000円以上10,000円未満の制裁金を納付する必要がある「科料」のどちらかが科される場合があります。
侮辱罪が成立する条件は以下の通りです。
侮辱罪が成立する条件とは?
- 公然と
- 事実を摘示していなくても
- 人を侮辱している
「名誉毀損罪と似ているが、何が違うの?」と思う人も多いかと思いますが、決定的な違いは「事実を摘示しているかどうか」です。
名誉毀損罪に関しては、事実を摘示していなければいけないため「不倫、万引き、詐欺」などと具体的な情報を用いていなければ成立しません。
侮辱罪は、事実を摘示しているかどうかは関係ないので「バカ、アホ、キモい」というような曖昧な誹謗中傷であっても、侮辱罪が成立する場合があります。
信用毀損罪
木村花さんをSNS上で誹謗中傷した人たちは、信用毀損罪に問われる可能性が高いと言えます。
信用毀損罪とは?
信用毀損罪とは、嘘の情報や人を騙すような行為によって、他人の信用を毀損した際に成立する罪のこと。
信用毀損罪も比較的軽い罪と言われていますが、この罪が成立すると「3年以下の懲役、又は50万円以下の罰金刑」が科される場合があります。
信用毀損罪が成立する条件は以下の通りです。
信用毀損罪が成立する条件とは?
- 虚像の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損した場合や業務を妨害した場合に成立する。
「聞きなれない言葉が多くて分からない」という人も多いと思いますので、それぞれの言葉を簡潔に説明していきます。
「虚像の風説を流布し」とは?
「虚像の風説を流布し」とは、虚像の噂を不特定、又は多数に広めること。
例えば、SNSで「○○さんって会社のお金を横領したらしいよ」という嘘の噂話を発信された場合に「虚像の風説を流布し」という条件が成立します。
「偽計を用いて」とは?
「偽計を用いて」とは、他の人を騙すことや錯誤に乗じること。
例えば、SNSで「○○をすれば、儲かるよ」という嘘の情報を発信した場合に「偽計を用いて」という条件が成立します。
「人の信用を毀損した場合」とは?
「人の信用を毀損した場合」とは、相手方の経済的な信用を毀損すること。
信用毀損罪で使われる「信用」は、お金や資力などの「経済的な信用」という意味で使われます。
例えば、SNSで「○○会社は仕入れ値の50倍で販売しているぞ」「○○商品の○○には、虫の死骸が入っているらしい」というような嘘の情報を流され、会社の売り上げに下がってしまった場合に「信用を毀損した」という条件が成立します。
脅迫罪
木村花さんをSNS上で誹謗中傷した人たちは、脅迫罪に問われる可能性が高いと言えます。
脅迫罪とは?
脅迫罪とは、特定の人物を脅すような言葉を発した際に成立する罪のこと。
脅迫罪が成立すると「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金刑」が科される場合があります。
以下の5つが「脅迫」の対象とされています。
脅迫の対象とは?
- 生命
- 身体
- 自由
- 名誉
- 財産
例えば、SNSで「お前の命はない!」「次会ったらボコボコにしてやる」というような誹謗中傷をされた場合は、脅迫罪に問える可能性が高いと言えます。
しかし、脅迫罪は被害を受けた人物も限定されています。
限定されている人物とは?
- 本人
- 親族
例えば、SNSで「お前の奥さんを誘拐してやる!」「お前の子供を殴り倒してやる!」というような投稿をされた場合、これは被害者の親族に向けて誹謗中傷していると捉えることが出来ますので脅迫罪が成立する可能性が高いと言えます。
しかし、「お前と知り合いの○○さんをケガさせてやる!」「友人の○○が仕事できないようにしてやる!」というような誹謗中傷は、本人又は親族以外に向けての発信なので、脅迫罪が成立しない可能性の方が高いと言えます。
刑事事件として訴えるためには2つの条件を満たす必要がある
木村花さんをSNS上で誹謗中傷した人たちを「刑事事件として訴えたい」という場合は、以下2つの条件を満たす必要があります。
刑事事件として訴えるための条件
- 犯人を知った時から6ヶ月以内に告訴する
- 被害者が直接告訴する
名誉毀損罪や侮辱罪などは、被害者の告訴がなければ公訴を提起することが出来ない親告罪となっています。
親告罪となっているため、被害者から告訴を受けて、初めて警察が刑事事件として動いてくれます。しかし、被害の程度によっては、警察が動いてくれないこともありますので注意しましょう。
また、侮辱罪は時効が半年と短いので、「数年前の誹謗中傷を訴えたい」という場合は、名誉毀損罪で訴えるようにしましょう。
木村花さんをSNSで誹謗中傷した人はどのような罪に問われるのかまとめ
この記事では、木村花さんをSNSで誹謗中傷した人はどのような罪に問われるのか?ということについて具体的にまとめました。
もう一度おさらいすると、木村花さんをSNSで誹謗中傷した人は以下のような罪に問われる可能性が高いと考えられます。
まとめ
- 名誉毀損罪
- 侮辱罪
- 信用毀損罪
- 脅迫罪
インターネットが普及したことで、木村花さんが受けたようなSNS上での誹謗中傷被害が増えています。しかし、今回説明したようにSNS上の誹謗中傷は様々な罪に問える立派な犯罪です。
現在は、芸能人のみならず一般人もSNS上の誹謗中傷被害に遭ってしまう可能性がありますので、もしも誹謗中傷被害に遭ってしまった場合は、我慢せずに弁護士や警察などに一度相談するようにしましょう。