インターネット上には、様々な書き込みをアップすることが出来ますが、中には他人を誹謗中傷した書き込みをアップしている人も存在します。嘘の情報が出回ってしまうと「○○さんって最低だね、○○さんの会社も怪しいな」というように、思いも寄らない風評被害を受けてしまう可能性があります。
しかし、「削除してほしい」と簡単な依頼をしただけでは、削除に応じてもらえないことがほとんどです。その為、削除依頼をする際はしっかりとした理由を述べる必要があります。この記事では削除依頼文を書く時に抑えておきたい4つのポイントと、参考にしていただきたい例文について具体的にまとめてみましたので、参考にしてみてください。
削除依頼文を書く時に抑えておきたい4つのポイント
ここでは、削除依頼文を書く時に抑えておきたいポイントを4つ具体的に説明していきます。今回は、最もスタンダードな手法で削除の成功率が高い「サーバ管理者に削除依頼を出す」という方法を行うと想定して、解説していきます。
削除してほしい根拠を提示する
1つ目は「削除してほしい根拠を提示する」ことです。例えば、名誉棄損をされている場合は「なぜその書き込みが、法律上名誉棄損に当たるのか」という具体的な理由を述べる必要があります。
ただ、中には誹謗中傷の記事ではあるが、法律上は誹謗中傷だと認められないという場合もあります。例えば、先ほどの「名誉棄損」は、どのような条件を満たすと正式に名誉棄損であると認められるのでしょうか?
名誉棄損とは
名誉棄損が成立する条件は「公然」と「事実」を摘示して「人の名誉を棄損した」とき。
つまり、嘘の情報を不特定多数に発信した場合は「法律上、名誉棄損に当たる」と判断されます。具体的には以下のようになります。
ポイント
【法律上、名誉棄損として認められる場合】
- SNSで「○○社の食べ物には異物が混入していた」と嘘の情報を流した
【法律上、名誉棄損としては認められない場合】
- SNSで「○○社の食べ物には異物が混入していた」と真実の情報を流した
このように、真実である情報をインターネット上で書き込まれた場合は、誹謗中傷とは認められないので注意しましょう。
段落のまとめ
- 削除依頼を出す場合は、削除してほしい記事が「どのような理由から法律上、誹謗中傷に当たるのか」をいう根拠を具体的に記載しよう。
自分の氏名を開示する
2つ目は「自分の氏名を開示する」ことです。基本的に削除依頼を申し出た後は、サーバ管理者が記事をアップした投稿者に対して「問い合わせがあったため、記事を削除しても良いですか?」と許可を取りに行きます。
サーバ管理者が投稿者に対して許可を取りに行く時に、あなたの名前を伝えてもらうことも出来ます。もちろん匿名で伝えてもらうことも出来るのですが、実名を出すことで投稿者に対してプレッシャーをかけることが出来ます。
例えば下記のような問い合わせが来た場合、あなたはどちらの方がプレッシャーを感じるでしょうか?
「氏名」を出した場合と「匿名」の場合
- 東京都の匿名Aさんから記事の削除をしてほしいと依頼されました。
- 東京都の株式会社○○ ○○様から記事の削除をしてほしいと依頼されました。
おそらく、多くの人は後者の方が「少しドキッとする」と感じたのではないでしょうか。そのため投稿者に対しては、なるべく匿名ではなく実名を伝えてもらうようにしましょう。
段落のまとめ
- 投稿者に対してプレッシャーをかけるために、自分の氏名をサーバ管理者に開示して実名を伝えてもらうようにしよう
削除期限を設ける
3つ目は「削除期限を設ける」ことです。「削除をしてください」という依頼だけを送ると、人によっては「期限が記載されていないため、50年後に削除します」と反抗してくる人もいます。後々、新たなトラブルを生まないためにも、誹謗中傷記事の削除期限は必ず明記するようにしましょう。
一般的に削除期限は、申し出を行ってから10~15日が目安と言われています。
段落のまとめ
- 後々、新たなトラブルを生まないためにも、削除依頼の申し出を行ってから10~15日の削除期限を提示しよう
期限が守られない場合の処罰方法を提示する
4つ目は「期限が守られない場合の処罰方法を提示する」ことです。例えば「〇月〇日までに記事を削除していただけない場合は、損害賠償請求を行う」というような処罰方法を提示しましょう。
また、サーバ管理者に連絡をしたということは、サーバ管理者も誹謗中傷記事が存在しているという事実を認識しているはずです。記事の削除を放置されないために、サーバ管理者に対しても処罰方法を提示するようにしましょう。
段落のまとめ
- 投稿者とサーバ管理者の両方に対して処罰方法を提示しよう
誹謗中傷をされた時に利用できる3つの削除依頼例文
ここでは、誹謗中傷をされた場合に利用できる削除依頼例文を3つ具体的に説明していきます。
名誉棄損をされた場合
1つ目は「インターネット上で名誉を棄損された」という状況を想定して、削除依頼文を考えてみます。
例文
突然のご連絡失礼致します。私は○○と申します。
(Webサイト名)の内容は、○○という情報を誹謗的に記述しており、私の名誉を棄損していますので、〇月〇日までに削除を行ってください。
正当な理由なく、削除に応じて頂けない場合は、○○という措置を取らせていただきます。
宜しくお願い致します。
上記のような簡潔な削除依頼文でも問題はありませんが、必ず「削除しなければいけない根拠」を記載するようにしましょう。
ブログに対して削除依頼を行う場合
2つ目は「自分を誹謗中傷した記事がブログにアップされている」という状況を想定して、削除依頼文を考えてみます。
例文
突然のご連絡失礼致します。私は○○と申します。
〇月〇日にアップされた「タイトル名」のブログ記事は、私の名誉を著しく棄損しているため、○月〇日までに削除願います。
【連絡先】
- 氏名:削除 太郎
- 電話番号:○○○-○○○○-○○○○
- メールアドレス:○○@○○
【名誉を侵害している情報の詳細】
- 掲載先URL:https~
- 名誉侵害に当たる内容:削除太郎は、過去に○○という詐欺を行っていた。
正当な理由なく、削除に応じて頂けない場合は、○○という措置を取らせていただきます。
以上、何卒宜しくお願い致します。
掲示板で自分が特定されそうな場合
3つ目は「掲示板に自分が特定されそうな内容で、誹謗中傷の書き込みをされた」という状況を想定して、削除依頼文を考えてみます。
例文
突然のご連絡失礼致します。私は○○と申します。
貴サイト「Webサイト名」についてですが、私であることが特定できる情報を載せていると同時に、名誉を著しく棄損している内容でありますので、〇月〇日までに削除していただくようお願い致します。
書き込みの内容を確認してところ、○○や○○に関する内容が書き込まれており、非常に悪質なものです。
【削除をお願いしたいページ】
- https~
- https~
- https~
早急に削除をお願い致します。また、削除を行った場合は下記のメールアドレスにお知らせください。
- ○○@○○
以上、何卒宜しくお願い致します。
誹謗中傷の書き込みを無事に削除していただければ問題ありませんが、削除に応じてもらえない場合は、警察や弁護士などの専門家に相談・連絡を行いましょう。
誹謗中傷記事への削除依頼例文まとめ
この記事では、誹謗中傷記事の削除をお願いする削除依頼例文や削除依頼文を書く時に意識したいポイントについてまとめてみました。もう一度おさらいすると、削除依頼文を書く時に意識したい4つのポイントは以下の通りです。
ポイント
- 記事を削除してほしい根拠を提示する
- 自分の氏名を開示する
- 削除するための期限を設ける
- 期限が守られない場合の処罰方法を提示する
特に1つ目の「記事を削除してほしい根拠を提示する」ことは、最も大切なところです。この根拠が曖昧であると、削除に応じてもらえない可能性が高くなります。「なぜ嘘の情報だと言えるのか、なぜ誹謗中傷に当たるのか」などを具体的に記載しましょう。
誹謗中傷の記事がアップされたままであると、あなたのブランドが落ちてしまうと同時に、会社の売り上げも下がってしまう可能性があります。少々手間がかかるかもしれませんが、自分のブランドを守るためにも、誹謗中傷の記事は積極的に削除していきましょう。